1967y Pontiac FIREBIRD ヴィンテージファイアーバードのハードルを軽快に越えよ!【S&S】

ビンテージ

PONTIAC

アメリカンビンテージvol.01

FIREBIRD

オリジナルを大切にしつつ、サスペンション、ブレーキ、パワートレイン、インテリアなど、徹底的にリファインすることで、現代車となんら遜色なくビンテージライフを楽しめるクルマへと変貌を遂げたファイアーバード。その魅力をお伝えしよう。


1967y Pontiac FIREBIRD

オリジナルを大切にしつつ、サスペンション、ブレーキ、パワートレイン、インテリアなど、徹底的にリファインすることで、現代車となんら遜色なくビンテージライフを楽しめるクルマへと変貌を遂げたファイアーバード。その魅力をお伝えしよう。

 

ファイアーバードはシボレー・カマロの姉妹車としてお馴染みの存在ながら、こと日本では2nd(1970~1981)に人気が集中しており、中でもハンドリングパッケージであるTrans-Amに限定したファンも少なくない。そうした状況からか、Trans-Amがモデル名と認識している者も意外に多い。

ちなみにTrans-Amパッケージが導入されたのは初代モデルが最初のマイナーチェンジを受けた69年型で、クーペ、コンバーチブルを合わせても出荷台数は700台程度と極めて少ない。ビンテージマッスルに対して日本では希少価値の高さに特化して評価する傾向が強いため、そこから外れるポピュラーなモデルこそニッチな存在になりがちで、ファイアーバードにおける1st(1967~1969)も同等な扱いを受けている感がある。

 

しかし、本国USAではそのモデルのキャラクターを生かして様々なスタイルでアップデートするのが主流なのだ。

 

この個体もそんな1台で、パワートレインをはじめサスペンション、ブレーキなどの機関系からエアコンや内装まで総合的にアレンジし、モダンマッスルに匹敵する高いポテンシャルと快適性/信頼性を確保している。

 

エンジンは実際に設定のあった400(6.6ℓ)と排気量こそ同じだが、パーツ供給が良く拡張性のあるシボレーのモーターに換装。エーデルブロック社のアルミヘッド、吸排気、点火系などでモディファイされている。

 

連結されたトランスミッションは、オーバードライブ4速の700R4。ファイナルレシオは3.55とし、瞬発性とオーバードライブによって高速巡航のバランスが取れている。ブレーキは4輪ともベアー社製4ポットディスクを装着し、制動力も格段に高められているのだ。灯火類はHIDヘッドライト、LEDテールライトにアレンジ。

 

装備やインテリアでもアップデートされている。近年では電子制御によるパワートレインに換装するなど、より徹底した現代化を図るケースも珍しくないが、キャブレターによるビンテージマッスルならではの味わいも残しながら総合的にバランスのとれた仕上がりがこの個体のポイントとなっている。

ホールド性の高いバケットシートは、同じファイヤーバードの4th用をベースに内装全体に馴染ませるデザインで張り替えた。追加したオーバーヘッドコンソールは、同じGMのS-10用を流用。

ベアー製ディスクブレーキ(F:13インチ、R:11インチ)の装着に伴って、ホイールは18インチで対応。バドニック社のビレット製(F:8J、R:9J)にTOYOタイヤ(F:245/40ZR、R:275/35ZR)をセット。開口の大きいデザインなだけに、露出するブレーキからこのクルマのポテンシャルの高さが伺い知れる。

ストックのポンティアック製エンジンに代えて、同じ排気量ながらシボレー製400をモディファイしたうえで換装。マーチ社の平ベルトタイプのプーリーを採用し、エアコンのコンプレッサーは最小タイプにアレンジ。ルックスを加味して他の補機類も含めコンパクトにまとめるアップグレード品が驕られている。

カマロ同様に大径メーターが2つセットされるストックのクラスターを撤去し、オートメーター製のゲージが6個収まる専用の社外品で対応。ステアリングはホイールに合わせてバドニック社のビレット製。

モダンなデザイン&質感のドアハンドルは、マッスルカーにおけるアップデートに積極的に取り組む著名ビルダー〝リングブラザース〟が製品化したもの。

テールレンズは純正のデザインのままLED化された社外品をセット。四角いドアによるストックの給油口は撤去し、モダンでレーシーなキャップ式(スズキのバイクからの流用)にアレンジ。


取材協力:S&S
http://www.sandsjp.com/


Text & Photos|AMERICAN VINTAGECAR magazine
アメリカンカンビンテージ vol.01


関連記事

RELATED


入手困難になりつつあるポンティアック ファイアーバード トランザム【エフパフォーマンス】

1973 Pontiac Firebird Trans-Am / 1979 Pontiac Firebird Trans-Am

休日のアシに活躍する〝惚れるカマロ〟1970y Chevrolet CAMARO RS【TDO MOTORING】

TDOモータリングの手により現代風のアレンジが施されている。エアコンやラジエーターなど快適性や安定性を左右するパーツについては適切なカスタムが施され、タイヤ&ホイールは18インチに大型化。そしてローダウンだ。

比類なきモンスター・ピックアップトラック シボレー C-10【WOT'S】

69年型から、以前はシェビーⅡのサブネームだった「ノバ」に車名統一。1970y シボレー ノバ【ガレージカーカス】

メンテナンスからカスタムまで。新旧アメ車、逆輸入車などをトータルで扱う「ガレージ カーカス」。今回そのピットで見つけたのは1970年型のシボレーノバ、2ドアクーペだった。

ビギナーもカジュアルに付き合える仕上がりだ 1965y フォード マスタング GT COUPE【オートレイド】

マスタングは、数あるヴィンテージアメリカンのなかでも最もポピュラーな存在。ポニーカー・セグメントを新たに開拓しデビューと同時に爆発的なヒットとなった。

 

最新記事


2023/09/21

ひと手間加えて防音・猛暑対策も!たるんだ天井を自らの手で張り替える!

メンテナンス

最近、愛車の天井がたるんできた。そんな悩みを持つオーナーは多いのでは?でも張り替えって、お願いすると高いんでしょ? だったら自分でやってみる?生地もネットで買えるし専門工具も不要。やろうと思えば、なんだってできる!

2023/09/20

【ダッジ・チャレンジャーのオーナーを取材!】こだわりの愛車とカーライフを総まとめ

ダッジ

ダッジ・チャレンジャーといえばただの交通手段ではなく、夢と冒険の象徴となる魅惑のクルマ。映画やカルチャー、知人からの影響など、様々な出会いから始まり、カスタムへのこだわりや、ライフスタイル、走行のパワフルさなどいろいろな魅力に沼っていくオーナたち。今回はそんなダッジ・チャレンジャーのオーナーたちのこだわり、魅力をまとめて一挙にご紹介しよう!

2023/09/20

【ジープ グラディエーター】遊びに使うことに特化した、ある意味スーパーカー

ピックアップトラック

ジープ

JLラングラーが空前のヒットを続けており、それに続けとばかりに日本で正規発売されるJTグラディエイター。ただボディを伸ばしただけはない本気度が感じられるモデルだ。

2023/09/19

扱いやすさが大きな魅力、今脚光を浴びるエクスプローラースポーツトラック

ピックアップトラック

フォード

2006年に登場し、07年から日本でも販売されたフォード・エクスプローラー・スポーツトラック。11年型がラストモデルと短命だったが、日本でもピックアップトラックの存在が大きくなる今、扱いやすいボディサイズとして注目を浴びている。

ランキング


2023/09/20

【ジープ グラディエーター】遊びに使うことに特化した、ある意味スーパーカー

ピックアップトラック

ジープ

JLラングラーが空前のヒットを続けており、それに続けとばかりに日本で正規発売されるJTグラディエイター。ただボディを伸ばしただけはない本気度が感じられるモデルだ。

2023/09/19

扱いやすさが大きな魅力、今脚光を浴びるエクスプローラースポーツトラック

ピックアップトラック

フォード

2006年に登場し、07年から日本でも販売されたフォード・エクスプローラー・スポーツトラック。11年型がラストモデルと短命だったが、日本でもピックアップトラックの存在が大きくなる今、扱いやすいボディサイズとして注目を浴びている。

2016/11/04

超レアなマスタング、1969年モデルのBOSS429!

クーペ

ビンテージ

フォード

1969y FORD MUSTANG BOSS 429

2023/09/18

アメ車(シボレーC1500)でサーフィン行かないです、潮風に晒して錆びるのが嫌なんで!

ピックアップトラック

シボレー

初めて自分のお金で買った愛車C1500。てっきりサーフィンに夢中の彼が、その足として選んだのかと思えば、話を聞くと「波乗りはハイエース!」と断言。その真意を訪ねると生粋のクルマ好きであることが判明。