四半世紀以上前にアメリカより輸入した 37年型のスラントバック・セダン。トラディショナルなスタイル!

ビンテージ

フォード

スラントバック

GM製350ciエンジン

アメリカンレーシング

アメマガ2018年9月号

37年型のスラントバック・セダン

TH350ミッション

全盛期だったハイテックスタイルでコンプリートされていた個体を、現オーナーが近年入手した際に、トラディショナルなスタイルにリフレッシュ!


STREET ROD ECSTASY
1937 Ford Slantback Sedan

トラディショナルスタイルを貫いたスラントバック

四半世紀以上前にアメリカより輸入した37年型のスラントバック・セダン。輸入当時に全盛期だったハイテックスタイルでコンプリートされていた個体を、現オーナーが近年入手した際に、トラディショナルなスタイルにリフレッシュ!

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ふくよかな三次曲線が美しいファットフェンダーにおいて37年型フォードは、最もエレガントでスタイリッシュなデザインで高い人気を誇る。

曲線を基調とし、有機的なデザインのアールヌーボーを思わせるレトロモダンなスタイリングは、世代を超えて評価される素晴らしさ。グリルとフェンダーの中央に位置するティアドロップ型のヘッドライトや、滑らかなで自然なカーブでスッと尻すぼみする美しいフロントフェンダーは、37年型ならではのチャームポイントなのである。

この時代のセダンにはトランク部分が張り出したデザインの「ハンプバック」と、ルーフからテールまでをスムースなラインで描く、この「スラントバック」との2種類が存在する。モダンなハイテックスタイルを目指すなら、シンプルなスラントバックが良く似合う。実際にこの個体は、25年以上前にハイテックスタイルでアレンジされていたが、現オーナーが入手してから、現在のトラディショナルなスタイルでリフレッシュした。

サイドパネルのダクト部のアレンジと、ウィンドシールド中央にピーラーのない「グルーオン」の採用に、ハイテック時のなごりが伺われるも、ボディやバンパーなど、全体的にストックに則ってリフレッシュしている。

キャッチーなイエローに定番の定番であるアメリカンレーシング製5スポークホイールの装着など、王道を貫いたスタイルは、日本国内ではいそうでいない存在で、むしろ新鮮に映る。車高プロポーションが絶妙なだけに、ホイールのアレンジ次第で、異なるスタイルを味わえる。

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横置きリーフ&リジッドリーフによるサスペンションのメカニズムは、オールドスクールなストックなだけに、乗り心地が悪い印象を受けるが、ショックは前後共にビルシュタイン製でアップグレードされている。それによりバランス良くセッティングされていることで、不満を感じない乗り味を確保する。ちなみに、筆者もかつて37 セダンを所有していたが、足回りのアレンジの悪さが仇となり、事故を招き廃車となってしまったが、ダメージを受けずに残った左フェンダーは、この個体をリフレッシュする際に採用された。

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均整の取れたボディフォルムは、チョップトップなどのアレンジは一切施されておらず、レインレールも残されたストック状態。ウィンドシールドはセンターピラーのないモダンなグルーオン(接着式)にアレンジされていることで、ストックよりもスッキリとした印象。フードのロックを兼ねた砲弾型オーナメントに、このモデルのデザインコンセプトが集約されている。

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GM製350ciエンジンはエーデルブロック製4 バレル・キャブレターをセットしたマイルドパフォーマンス。トランスミッションにはTH350を連結した、ストリートロッドにおける最もオーソドックスな仕様。パワーブレーキを採用する場合、ブースターのスペースが確保できず、床下に移設するケースが主流のなか、コンパクトなタイプを採用することで、ストックに準じてファイヤーウォールに設置されている。

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インテリアはハイトーンなベージュで統一。ダッシュ部分はスムーシングされており、社外のクラスター&ゲージを中央にレイアウト。空調はクーラー/ヒーターをそれぞれ独立したユニットで装備。スイッチ類はダッシュ裏に隠すように設置してシンプルなルックスとしている。

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サスペンションはストックのメカニズム(F:横置きリーフ、R: リジッドリーフ)を活かしつつ、ドロップI ビームや、ロワリングブロックのアレンジで、絶妙な車高スタンスを確保。ホイールは定番のアメリカンレーシング“ トルクスラスト” の中でも、エッジの立ったTTオリジナル。

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Special Thanks ◆ Deuce Factory
Phone:045-333-4877


Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2018年 9月号掲載


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