初代シボレーC10のショートボックスはスクエアなボディシルエットが魅力

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

C-10

アメマガ2018年12月号

SQUARE TRUCKS

SQUARE TRUCKS
1966 CHEVROLET C10


アメリカはもちろん、ここ日本でも「スクエアトラック」の人気が急上昇!

アメ車=トラックと言えるほどにアメ車の中では人気カテゴリーのピックアップトラックだが、今回フィーチャーするスクエアトラックとは、50~80年代のフリートサイド(厳密にはフリートサイドとはシボレーの呼称だが、他メーカーでも総称してそう呼ぶことが多い)仕様の、まさにスクエアなトラックのことを指す。

 

この人気っぷりはマッスルカーブーム以上の加速度となっており、本来安価だったはずのトラックの価格が高騰しているのだ。その存在そのものがワイルドで「BADASS」なスクエアトラックムーブメントに乗り遅れるな!

限りなく「四角い」スタイル

1966 CHEVROLET C10

スクエアなボディシルエットが魅力の初代C10のショートボックス。上級グレード車をベースにしながらも、バンパーなど本来はクロームのパーツをホワイトペイントしてブルーカラー仕様に仕立てたカジュアルな1台だ。


ショートモデルながら十分な大きさの荷台を持つC-10。アウトドアなどのレジャー用品を積んで出かけられる。

「パンプキン」の愛称でお馴染みのフォードF100に対して、シボレーは3100シリーズを展開する中、60年型では次世代モデルとして、C/Kシリーズをラインンアップした。ドロップセンターラダーフレームを採用することで、キャビンおよび座席を低重心化し、フロントサスペンションには独立懸架を採用し、乗用車のような快適な乗り心地を確保。時代が移り変わる過度期のモデルとあって、デザイン面においても前衛的ともいえる全く新しいスタイリングで構築した。

 

直線基調の斬新なデザインには、当時のトレンドでもあった仮想未来感が溢れる高い独創性がある。荷台はそれまで主流だったステップサイドに対して、ボディ全体のシルエットに馴染む「フリートサイド」ありきなデザインとなっているのもポイント。ボディ全体に張り出すエッジの効いたプレスラインによって、限りなく四角いスタイリングは、フリートラインのスタンダードなショートボックス車で最も際立つ。

1966 CHEVROLET C10、1966シボレーC10

現車は塗装の艶が飛んだ状態のワークホース然としたルックス。もともとはバンパー、グリル、ハブキャップがクローム化された上級グレード車だったが、クロームの上から白でペイントし、ベーシックな仕様に見立てている。最も凝ったデザインのトップ部も塗り分けたことで、チャームポイントがさり気なくアピールされている。アメリカで実際に現役で活躍しているような自然な佇まいには、ビンテージジーンズなどに共通する何ともいえない味わい深さを感じる。

 

エアコンなどの快適装備こそないが、ビンテージカーにおけるGMパワートレインのテッパンである350ciエンジン&TH50(3速AT)でアップグレードされていることで、現代においても難なく日常使用されている。

 

同年のGMCが4灯式なのに対して、2灯式のシボレーC10の方がフレンドリーなデザインとなっているが、歴代シボレーC10においては、最も個性的なデザインとあって、賛否が分かれる。細身のバイヤスタイヤの装着など、全般的にストックに則って仕立てながら、僅かなロワードが施されているのがポイントだ。

ドロップセンターラダーフレーム

座席のポジションを低くするために導入されたドロップセンターラダーフレーム。長いトレーディングアームが特徴的。

BFGのバイヤスタイヤ、シルバーストーン(6.70-15)を装着

往年のトラックの雰囲気にピッタリなBFGのバイヤスタイヤ、シルバーストーン(6.70-15)を装着。スチールホイールが黒いことでタイヤのハイトの高さが強調されて良い雰囲気。

スチール製のボディパネルにメータークラスターを埋め込んだシンメトリカルで均整の取れたデザイン

スチール製のボディパネルにメータークラスターを埋め込んだシンメトリカルで均整の取れたデザイン。メーター類のデザインは当時のトラックにしてはモダンで、今見るとレトロモダンで素敵。ダッシュの張り出しが少ない分、居住性が広く確保されている。ベンチシート車ながらシフターはフロア式。

350ci & TH350(3速AT)の定番コンビネーションに換装

設定されたV8は最大で327ci、ATは2速のパワーグライドなのに対し、この個体は次世代の350ci & TH350(3速AT)の定番コンビネーションに換装。バルブカバーなどの装飾が車の雰囲気とは異なる状態なので、今後は全体の雰囲気に合わせてアレンジする予定。


Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2018年 12月号掲載

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