ゴーストタトゥーを身に纏う、ROHANエアロのマスタング

MR.AKIRA & FORD MUSTANG
MODERN MUSCLECARS
TO THE LIMIT!!
MR.AKIRA & FORD MUSTANG

過激さへの挑戦に終わりはない
2018年11月に東京お台場で開催されたアメ車マガジン祭り『amZ』のアワードでスポーツ&クーペ部門を受賞した、あきらさんの マスタング 。改めて珠玉の1台に注目する。
ROHANエアロ ユーザー装着1号車
この マスタング を初めて見た人は2度驚かされる。遠目ではフルエアロ装着、限界まで攻めた足回り、見事な塗り分けが目に入るだろう。なるほど相当のカスタムカーだと身構えつつ、興味を感じて近づいてみると、光の影響で複雑に表情を変える、ボンネットのゴーストグラインダータトゥーに驚かされる。
エアロだけでも、足回りだけでも、カスタムとしては相当なものなのだが、それでもやはり、間近で見るボンネットのタトゥーは心に刺さる。2段構えによる感動は、見る人の心を奪うショーカー仕様そのもの。この
マスタング
に乗るあきらさんは、どのようにカスタムを突き詰めていったのだろうか。
現在22歳のあきらさんは元々スポーツ系のクルマが好きで、とくに映画「ニード・フォー・スピード」の影響から、アメ車に興味を感じていたという。
地元には世界的にも有名な国産スポーツ系カスタムショップ「クールレーシング」があった。彼はそのデモカーだったスイフトスポーツを購入することで、愛車遍歴をスタートさせている。彼が18歳の時の出来事だ。
国産コンパクトのカスタムカーは3年ほど愛用したが、アメ車への憧れは消えることはなかった。そんな折、行きつけのショップで扱っていた「ROHAN」ブランドが、2018年のオートサロンに マスタング のカスタムカーを出展すると聞いた。「あのROHANが マスタング !?見に行こう!」と、あきらさんのアメ車熱は高まっていく。かくしてその1カ月後には、ショップで マスタング をオーダーする男の後ろ姿があったのだ。
もともとROHANのデモカーで刺激を受けたのだから、最初からカスタムの方向性はほとんど決まっていた。結果としてROHANエアロのユーザー装着車第1号となるものの、彼は独自のセンスでアレンジを加えていく。エアロはボディカラーのブラック一色ではなく、一部をゴールドで塗り分けている。これはあきらさんの指定によるもの。
ホイールは立体感が特徴のショップオリジナル。さらに、サーキットのノウハウを蓄積するショップ代表と膝を突き合わせ、ギリギリのキャンパー角を攻めた。ちなみに左右のホイールでカラーリングを変えているのは、ほんの遊び心だ。そしてボンネットである。技術的な面ではこれもROHANによるものだが、アイデア自体はショップの影響が大きい。
同店の国産スポーツカーのデモカーで同様のタトゥーが施されており、その影響を受けたのだという。つまりこの マスタング は、ROHANブランドと、ショップと、そして、こだわりを突き詰めるオーナー本人の3者によって、ここまで到達したカスタムカーというわけだ。
ひとまずノーマルの状態で納車されたのが2018年GWあたり。カスタムがここまで仕上がったのは9月頃。購入してからまだ1年経っていない状態ながら、あきらさんはさらなるステップアップを考えているという。現在、実はディープホイールを履きたいことからオーバーフェンダーを装着しているのだが、これを倍程度の大きさにしようと考え、とりあえずパーツだけオーダーしてあるそう。
「正直なところ、それがちゃんと装着できるかどうか分かりませんけど、とりあえずやってみようと思って。そういう性格なんですよ」と笑う。やりたいことは、やってみる。このシンプルな行動力こそが、カスタム界の新しい風を生むチカラになるのだろう。
ペインター井澤氏が率いる職人集団のブランド「ROHAN(ローハン)」がリリースしているマスタング用ボディキット(フロントリップスポイラー、サイドディフューザー、リアバンパー&リアディフューザー、リアウイング)でコンプリート。黒×金の塗り分けはオーナーが指定した。
さらにマフラーは、同ブランドがリリースするエコブースト向けをベースに、V8用として可変バルブ追加などワンオフでカスタムしたもの。
ROHANブランドで施工しているメニューのひとつ。ボディに直接ラインを刻むグラインダータトゥーにゴースト加工を追加したもの。光の当たり加減や角度で印象が変わるため、このマスタングにとって最大のアイコンになっている。
なお、ボンネットにゴーストグラインダータトゥーを入れるアイデアは、ショップのデモカー(トヨタ86)で採用されており、それにインスパイアされた。
現在はディフェンダーのオーバーフェンダー(1.5インチ)を装着しているが、実はさらに大きなものをアメリカに注文している最中。フロント2.5インチ、リア3インチのもので、到着してからどう装着するか考えるそう。
クルマのすべてを任せているショップ「KUHL RACING NAGOYA」のオリジナルホイールとVERZホイールの21インチをインストールし、左右で塗り分けしたショーカー仕様。キャンパー角はF3°、R6°。実用性をギリギリまで追求した。
■PHOTO&TEXT:加藤山往
アメ車マガジン 2019年 4月号掲載
最新記事

2023/05/31
攻めの姿勢を貫くモンスターマシンシェルビーGT500の魅力とは
2014年モデルを最後にシェルビーGT500のリリースが一旦は途絶えたものの、6年間の空白を経て復活を遂げた最高峰モデル。攻めの姿勢を貫くモンスターマシンの魅力とは?

2023/05/30
マグナム&300Cをベースにするフェイスリフト。
ガレージジョーカーで今、プロジェクトが進行中だ。それが、マグナム&300Cをベースにするフェイスリフト。手始めにお互いのフェイスを入れ替えたモデルを披露するが、最終的にあの人気モデルのフェイスを移植する予定だ。

2023/05/29
好天下での開催となったアメ車マガジンミーティングZ 2023 in Aichi Sky Expo
Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)での開催は2022年9月に続いて2回目となるアメ車マガジン主催のイベントアメ車マガジンミーティングZ2023が5月29日(日)に行なわれた。

2023/05/29
グラインダータトゥーを皮切りに、巧みなカスタムペイントで世界中から注目を集めるROHAN
グラインダータトゥーを皮切りに、巧みなカスタムペイントで日本を飛び込え世界中から注目を集める巨匠井澤氏率いるROHAN。その井澤氏が考案するラインワークを生かした独創的なエアロパーツブランドが紹介する「130DESIGN」だ