73年型バラクーダに70年型AARのカッコ良さを盛り込んだチューンド・バラクーダ

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THE GREAT PLYMOUTH

アメマガ2019年8月号

THE GREAT PLYMOUTH
1973 Plymouth Barracuda AAR 'Cuda Look


1973 Plymouth Barracuda AAR 'Cuda Look

1973 プリマスバラクーダ AARクーダルック

華麗なるプリマス

AAR特有のカラースキムのカッコ良さを落とし込んだ73年型バラクーダをベースとしたストリートカー。この個体は、スモールグロックにしてビッグインチなエンジンと5速マニュアルによるコンテンポラリーなパフォーマンスも魅力大!
 

ロー&ワイドなスタイリッシュクーペ

1973 プリマスバラクーダ AARクーダルック
1970年に「バラクーダ」は、TRANS‐AMレース参戦に向けた最新兵器という意味を持って、 ダッジ・チャレンジャー の兄弟車として、大きく生まれ変わった。それまでのコンパクトなAボディとは打って変わって、Eボディとして、ロー&ワイドでグッとモダンでスタイリッシュなクーペボディとなる。SCCAのTRANS‐AMレース参戦において、 プリマス のワークスは、レーサーとしてはもちろん、コンストラクターとしても名高い、伝説のダン・ガーニーが率いるAARチームが運営。そのホモロゲーションモデルとして市販されたのが、AARクーダ だ。

軽量なファイバーグラス製フード、スポイラー、サイドマフラーなど、レースカーならではの専用装備と、ストロボラインによる抜群にカッコ良いカラーリングが特徴。レギュレーションでは5ℓ以内に限定されたエンジンは、他のクーダと同じ5.6ℓ(340ci)とし、専用の2×3による6バレロー&ワイドなスタイリッシュクーペル・キャブレターが奢られるも、そのポテンシャルは、比較的マイルドだった。それでも、ホモロゲカーなだけに、生まれながらにして一定の価値があり、MOPAR全体の魅力が再認識された近年では、完全にコレクタブルカーの領域に突入している。
1973 プリマスバラクーダ AARクーダルック
AARが設定されたのは70年型だけで、71年型ではライトが4灯式となり、人気が分かれるが激レアな存在。その点、再び2灯式となる72~74年型は、モデルイヤーに応じたポテンシャルの低下などで、比較的安価な時期もあった。しかしEボディそのものの現存数が極めて低い中、人気は高まっているため、現在では入手困難。

そのため、近年では、オリジナルを意識してレストア、またはクローンが主流な70~71に対して、72~74は、レストモッドやハイテックコンバージョンとして高額を投じたモディファイを施すケースが目立つ。ここで紹介する73年型バラクーダもAARルックといているのである。

1973 プリマスバラクーダ AARクーダルック
AARならではのストロボラインがとにかくカッコ良い! 発色の良いレッドのペイントや、モールディングやドアハンドルなどのクロームパーツを全てペイントすることで、全体が引き締まり、クールでモダンな印象。72~74年型特有の丸型テールは、スポーツモデルにはよく似合う。リアエンド、マイナスオフセットのホイール、車高プロポーションのアレンジによるプロポーションの良さがステキ!
 
サスペンションはストック(フロント:トーションバー、リア:リジットリーフ)
ホイールはWeld社のロッドライト
サスペンションはストック(フロント:トーションバー、リア:リジットリーフ)。ブッシュやショックはリフレッシュ。ブレーキは、4輪ともにウィルウッド製でディスク化。リアエンドを幅の狭いBボディー用に変更することで、マイナス・オフセットのディープなルックスのホイールを綺麗に収めている。ホイールはWeld社のロッドライト。タイヤサイズは、F:235/60-15、R:275/60-15。
 


マッスルカーとしての値打の高さを基準にすると4連装ゲージのラリーダッシュに軍配が上がるが、このスタンダードの方が、レーシーなイメージにはマッチする。ゲージはオートメーター製に変更。マニュアルミッションは社外製の5速だが、シフターは、ファクトリーデザインのピストルグリップを採用。シートはレカロ。ロールケージも装備。

走りに特化した「男らしい」仕様

1973 プリマスバラクーダ AARクーダルック
ホモロゲ仕様のラインナップがない71年の時点でも、チャレンジャーにおいては、T/A専用のパーツを単体で販売することで、ベーシックな チャレンジャー をT/Aに仕立てることができた。71年型のT/A仕様パーツの販売を広告(現車は存在せず写真のモンタージュだった)でアピールしていた。それだけに、そのアプローチ自体は、単なるクローンではなく、メーカー推奨の仕様という意味で、値打ちの問題など関係なく、マニアの間では、一つの仕様として有りとしている。


バラクーダではそういった広告はないが、AARのカラースキムは、文句なしにカッコ良いだけに、採用したくなるのは当然。とはいえ、Eボディの バラクーダ 自体が希少なため、近年での採用例は希。この個体は、実際のAARがそうだったように、ベーシックな バラクーダ をベースとしいる。

フードをファイバー製の専用品に変更。サイドマフラーの採用に伴って、「クーダ」ではリアのバランスパネルにマフラー用の開口があるのに対して、 バラクーダ では開口のないタイプが採用されているのがポイント。ドアハンドル、モールディングなどのクロームパーツは、一貫してペイントしていることが、全体が引き締まって見える上で効果的。

スモールブロック360をベースに、407ci までストロークアップによって大排気量化

純正のAARではフロントに対してリヤの方がワイドなタイヤを装着しているが、ここでは、Eボディよりも幅の狭いBボディ用のホーシングに入れ替えて、ストックのままでは収まらないマイナスオフセットの8インチ幅のホイールを装着。


この個体は、スモールブロックにして407ciにストロークアップしたエンジンと、5速マニュアルトランスミッションによって、ホットな走りを堪能できる。エアコンなどの快適装備はスルーして、ブレーキを4輪ディスクにアップグレードするなど、走りのパフォーマンスに特化している男らしさがカッコイイ。


スモールブロック360をベースに、407ci までストロークアップによって大排気量化。同等の排気量の場合、ストックではビッグブロックエンジンになるが、その場合、パーツの重量にして100kgほど嵩んでしまう。パワーウェイトレシオを加味したコストパフォーマンスの良し悪しもあるが、純粋に軽さに勝るモディファイはないので、スモールブロック・ベースは有利。トランスミッションは、オーバードライブ5速のTKO製を搭載する。
 


6.7ℓによる大排気量がもたらすトルクはマッスルカーの名に恥じないもの。そして、何よりもマニュアルミッションによって、そのパワーをダイレクトに味わえてこそのマッスルとも言える。TKO 製のシャフト式のシフトタッチも、油圧式によるペダルのタッチも現代的で◎。ブレーキも4輪ディスクにアップグレード済みで、往年おマッスルの味わいを、現代において楽しむ上で友好的なフレンドリーな仕様。


Photo ◆ Hiroshi Nose Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2019年 8月号掲載


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