360ストローカーの408ci搭載のストリートフレンドリーなバラクーダ
THE GREAT PLYMOUTH
1968 Plymouth Barracuda
1968 Plymouth Barracuda
華麗なるプリマス
バラクーダが好き過ぎるオーナーは、このファクトリー・オリジナルのスーパーストックを意識したスリーパールックな日常使用車としている。第二世代バラクーダのファストバックならではのキャラクターを活かした、同型スーパーストック仕様車を2台体制で所有するバラクーダガイの68年型を見てくれ!
ファクトリーストックを意識した秀作
第二世代にあたる67~69年型の
バラクーダ
というと、日本では今ひとつマイナーな感じだが、アメリカでは、現在においてもファクトリー・スーパーストック(S/S)最強モデルとして、マッスルカーファンやホットロッダーなら一目置く存在。実際に出荷されたS/S仕様は、純レースカーなだけに、各年式でそれぞれ数十台程度の激レアな存在だ。その大半は現在でも現役でレース参戦していたりする。
また、同等のカテゴリーに参戦するために、レースカーとしてモディファイするケースが多いため、ベースとなるファストバックはプレミアムな存在。モパーマッスルの人気が定着する中、それまではマニア向けな感じだった第二世代
バラクーダ
も、注目度が上がっているだけに、人気のファストバックは入手困難な状況なのだ。
この個体は、数年前にストック状態で輸入し、日本にて入念なレストアが行なわれたもの。現オーナーが入手してからは、エンジンを360ベースのストローカーによる408ciのクレートモーターに載せ替えて、よりホットな仕様にアップグレード。そして、当時ものの純正スチールホイールをリビルトして装着し、タイヤもラジアルにして当時同様のレッドラインのワイドオーバルを採用するなど、ファクトリーストックを意識している。
リアは絶妙なオフセットを選び、275サイズを収め、ドラッグ仕様をアピールするべく、ハブキャップはあえて外している。エアコンも純正をリビルトし、ルックスはストックに拘った、いわゆるスリーパーにフィニッシュ。オーナーは、この個体とは別に、HEMI を搭載したドラッグ仕様の同型バラクーダも所有しているため、この個体はあくまでもな日常使用車として活躍させるため、配線もリフレッシュしている。
コンパクトなAボディ車にとって、サイズも車重も無理のないスモールブロックにして6.7ℓまで大排気量化したエンジンは、滑らかフィーリングと十分なトルクが共存するストリートフレンドリー。ボディ幅がナローなので、都心でも扱いやすく、軽快にドライブできて◎! 控えめなルックスでではあるが、エンジンサウンドからマッスルカーであることが感じられる。
フードのパネル部分は、ハイパフォーマンス仕様であるフォーミュラS用を装着。ブラック一色で、スチールホイール&ハブキャップで地味なイメージながら、リアタイヤはラジアルドラッグを装着する、スリーパーなアプローチ。プロストリートなマッシブな仕様の同型車との2台体制なだけに、バランスを取っている。
インテリアは、基本的に純正の状態をキープしている。タコメーターはオプションで設定のあった純正と同じ位置に、オートメーター製をインストール。リアシートを畳むと、ちょっとしたワゴン並みのラゲッジスペースが確保できる。後部パネルも開閉式でトランクスルーな設計なので、スキー板やサーフボードも積める。
当事モノの純正スチールホイール(F:6、R:7幅)を、こだわりのオフセットで入手。タイヤはフロントに往年のレッドリボンによるワイドオーバルのラジアルタイプ(FR70-15)、リヤは性能ありきなNITTO 555Rのラジアルドラッグの275-60R15を組み込んでいる。
近年のストリートカーで定番化しているスモールブロックによる大排気量仕様として360ストローカーの408ci。ATミッションはA904ベースのTCI社による強化タイプ。リアエンドはマッスルパッケージ車ではお約束の8 3/4、シュアグリップ(LSD)。
Thanks:Forty Eight
TEL:048-798-7030
Photo ◆ Hiroshi Nose Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2019年 8月号掲載
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