次期マスタング?SUVモデル?EVモデル?大きく変貌を遂げるマスタングが面白くなってきた!
伝統と進化に挑む MASTANG INNOVATION
次期マスタング、ディアボーンでの目撃情報
2020年、フォードマスタングが過去最大級のフルモデルチェンジする可能性が高まっている。つまり、アメリカでいう2021年モデルのことである。
「次期マスタングはこれまでとはまったくの別物」。そんなニュースがネット上で広まり始めたのは2018年上旬からだ。噂の出元はもちろん、ディアボーン。ミシガン州のフォード本社周辺からである。デトロイトに隣接するこのエリアには、営業本部と基礎研究開発本部があり、外装をカモフラージュした初期テスト車両が市街を走行することも珍しくはない。2020年にフルモデルチェンジだとすれば、その2年前の2018年に次期マスタングは量産試作の一歩手前の走行テスト車両が出来上がっている必要がある。そんなクルマが、ディアボーン各所で目撃されるようになったのだ。
さらに、こんな噂も飛び交った。「マスタングとF150は、基本的に同じフレーム(車体)になる」。フルサイズピックアップトラックといえば、ラダーフレームが基本であり、それがマスタングのようなモノコックフレームを採用するということか?
フォード特有のプラットフォーム採用か!?
噂の真相に迫ってみると、この「基本的に同じ」というのは、次世代プラットフォームという商品開発コンセプトを指している。プラットフォームとは、フレーム(車体)と同義である。
アメリカでの各種報道を見ると、フォードは2020年以降に発売する全モデルに次世代プラットフォームを決めた。一部報道では、現在は約30種類あるプラットフォームを一気に5つまで縮小するという。つまり、車種別だったものを、車体の大きさによって集約するということだ。例えば、トヨタの場合、次世代プラットフォームはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)といい、これまでBセグメント用、Cセグメント用、Dセグメント用、大型Dセグメント用の4種類を発表している。これらは、車体の大きさ別となっていて、それぞれを中核としてセダン、クーペ、SUV、クロスオーバーへと進化する仕組みだ。
こうした論理なら、フォードのプラットフォームが5つになるというのは納得できる。とはいえ、フルサイズピックアップトラックとフルサイズSUVについては、製造コストから考えてラダーフレームを維持するのが無難だと思う。そのため、5つのプラットフォームのうち、少なくとも1つはラダーフレームで、残り4つの中でもっとも大きなプラットフォームがマスタング用になるのではないだろうか。

マスタングにEV、SUVが追加される!
そうした次世代プラットフォーム採用によって、マスタング史上で異例なことが起ころうとしている。それが、マスタングをベースとしたSUVモデルの登場だ。本稿執筆時点で、フォードのメディアサイトには「11月17日、マスタングからインスパイア(発想)したSUVのコンセプトを発表する」とのティザーが出ている。しかも、EV (電気自動車)だという。
サイドビューのアッパーを示したその図柄は、フロントからボディサイドにかけては、確かにマスタングの気配があり、車体後部はハッチバック形状になっている。
こうしたモデルは1970年代後半に、マスタングやGMポンティアックファイアバードをベースとして、当時アメリカで人気が出始めていたステーションワゴンをモチーフとしたコンセプトモデルがあった。そんなことを思い起こすような、マスタングの派生車だ。それを今回は、次世代プラットフォーム採用によって量産するというのが、フォードの方針である。(こちらでマスタングSUVの全貌を公開!)
こうした派生車が作りやすくなるだけではなく、マスタングが次世代プラットフォームすることで当然、走りの質感が一気に上がる。さらに、パワートレインについてもバリエーションが一気に増えそうだ。

2019 MUSTANG FASTBACK "LITHIUM"
マスタングにEVモデルが登場する!?
マスタング・リチウム。そう名付けられた、マスタングのEV(電気自動車)である。サンルーフ部品や商業トラック向け部品の大手、べバストとフォードが共同で制作した。べバストが開発した電圧800Vの充電システムを活用し、システム出力は900馬力相当になる超ハイパフォーマンス系のEVである。SEMAにこうした電動化モデルが登場することはけっして珍しくないが、マスタングをベースとしていることが極めて珍しい。背景にあるのが、2020年に次世代プラットフォームを採用してのフルモデルチェンジ。その際に、ティザーにあるようなマスタングベースのSUVまたはクロスオーバーにEVが登場。さらにその先、マスタングEVも量産される可能性が出てきた。

解説:桃田健史(モータージャーナリスト)
アメ車マガジン 2020年 2月号掲載
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