公道走行認可最大スペック760馬力の猛馬 マスタングシェルビーGT500

クーペ

フォード

新車インプレッション

マスタング

シェルビーGT500

アメマガ2020年2月号

シェルビー

MUSTANG INNOVATION

2020 FORD MUSTANG Shelby GT500

伝統と進化に挑む MASTANG INNOVATION


2020 FORD MUSTANG Shelby GT500

次期マスタングに向けた最後の大きなフューチャーモデルになる

チャレンジャーやカマロといった、実質ライバルともいえるモデルがハイパフォーマンスモデルを登場させる中、沈黙を続けたマスタング。しかし遂に2020年モデルとして、シェルビーGT500が登場する。

最後の最後に本気を出したマスタング

まるで、現世代マスタング最終章を演出するように、2019年のSEMAにもハイパフォーマンス系マスタングがズラリと並んだ。その中心に鎮座するのは当然、シェルビーGT500だ。最新モデルの正式発表は2019年1月。その時点ではエンジン出力は700馬力+とされていたが、2019年6月に発表では760馬力という数字が公になった。


フォードのインハウスチューナーであるシェルビーの名に恥じないためにも、単なるスーパーチャージャーによるブーストアップで達成した数字ではない。ドライバビリティを高めるために気筒室内のフリクションのさらなる低減や、補器類の見直しなど、細部に渡って検証が続いた。フォードがオフィシャルとしてストリートリーガル(公道走行許可)製品として世に提供できるギリギリのスペックだ。


フォードのグローバルマーケットを透過するするジム・ファーレイ氏は「キャロル(シェルビー)はいつも、より速いシェルビーの市場導入を目指していた」と、シェルビーブランドのあるべき姿、そしてフォードのスポーツイメージのけん引役であるシェルビーGT500の商品価値を表現している。シェルビーGT500の売り文句は、ストリート、レーストラック(ロードコースおよびオーバルコース)、そしてドラッグストリップで、ディーラーで購入してすぐ走れる状態で、即ハイパフォーマンスな走りが安定してできるクルマだ、としている。

2020 フォードマスタングシェルビーGT500 2020 フォードマスタングシェルビーGT500 2020 フォードマスタングシェルビーGT500

加速性能は、停止状態から時速60マイル(96km)まで3秒半ば、またクオーターマイル(400m)までは11秒台を軽々と叩き出す。トランスミッションはTREMEC 7速デュアルクラッチシステムを採用した。


コーナーリング性能では、サスペンションジオメトリーの変更に伴い、スプリングのバネレートの最適化。その上で、フォードの最新技術、MagneRideを採用した。電動パワステについても路面からのフィードバックがしっかりと分かり、さらにクルマ全体とドライバーの一体感がさらに増すように大幅な見直しを図った。


また、ブレーキシステムはストリートリーガルとして最大級の容量を誇るディスクとキャリパーを採用。フォードGTやマスタングGT4からの技術的なフィードバックによって実現した。

2020 フォードマスタングシェルビーGT500 2020 Mustang Shelby GT500 wheel 2020 Mustang Shelby GT500 spoiler 2020 Mustang Shelby GT500 interior 2020 Mustang Shelby GT500 interior 2020 Mustang Shelby GT500 2020 Mustang Shelby GT500 interior

ファンクション(機能)を象徴するエクステリアデザイン。それが、シェルビーのモットーである。例えば、ダブルフロントグリルによって、前方からエンジンルームへの空気吸入量を約50%向上させた。オプションのハンドリングパッケージにはガーニーフラップ付きに空力デバイスなども用意。

2020 Mustang Shelby GT500 vent

5.2L V型8気筒に水冷式インタクーラーを装着したスーパーチャージャー。ストリートリーガルとして過去最大となる760馬力を絞り出す。ストリートリーガルとしての使い易さこと、フォード中核チューナー、シェルビーの真骨頂だ。スーパーチャージャーの外板には、睨みをきかせるコブラのロゴ。

2020 Mustang Shelby GT500 interior 2020 Mustang Shelby GT500 interior

カーボンファイバー製のインパネ。ドアパネルにはDark Slate Mikoと呼ばれるスエード生地を初採用。さらに、シェルビーとして初となる12インチサイズのインパネクラスター。音響でも12スピーカーのハイクオリティ。コネクティビティサービスではフォード最新のSYNC3を標準装備とした。


解説:桃田健史(モータージャーナリスト)
アメ車マガジン 2020年 2月号掲載


最新記事


2025/07/03

キチンと整備すれば普通に走る!カスタムすればもっと楽しめる!【東海カーズ】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ビンテージカーって乗りこなすの大変なんでしょ!? と多くの人が思うだろう。もちろん現代車の様な扱いはできないが、付き合い方やメンテ、さらにはカスタムすれば普通に乗れちゃいますよ♪

2025/07/01

【インフィニティQX56】手頃な価格で購入できるプレミアムSUV

SUV

OTHER

90年代を中心に高品質な車両を扱うガレージジョーカーだが、近年は2000年代の車両も多く扱う。今回紹介する08年型インフィニティ・QX56もその一台で、手頃な価格で乗れるプレミアムSUVとして注目だ。

2025/06/27

当時らしさを色濃く感じさせる200hpのアストロ

バン

シボレー

ブルーリバー30周年に相応しい30年前のシボレー・アストロ。それは奇しくもアストロが様々なアップデートを果たす過渡期だった。現車は当時流行したカスタムを随所に感じさせ、まるでタイムスリップしたかの様な当時感溢れるスタイルをストック!

2025/06/25

【シェルビーGT500 エレノア】スクリーンで見たエレノアの再現ではなく、それをさらに進化させた仕様

クーペ

ビンテージ

フォード

映画の中で疾走する姿を見たことが、アメ車に乗るきっかけという人は非常に多い。でもそれだけでは飽き足らず、そのクルマに乗りたい!という願いを叶えてしまった人がいる。これはまさに「究極のエレノア」に呼ぶに相応しい。

ランキング


2025/07/03

キチンと整備すれば普通に走る!カスタムすればもっと楽しめる!【東海カーズ】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ビンテージカーって乗りこなすの大変なんでしょ!? と多くの人が思うだろう。もちろん現代車の様な扱いはできないが、付き合い方やメンテ、さらにはカスタムすれば普通に乗れちゃいますよ♪

2025/07/01

【インフィニティQX56】手頃な価格で購入できるプレミアムSUV

SUV

OTHER

90年代を中心に高品質な車両を扱うガレージジョーカーだが、近年は2000年代の車両も多く扱う。今回紹介する08年型インフィニティ・QX56もその一台で、手頃な価格で乗れるプレミアムSUVとして注目だ。

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2025/06/27

当時らしさを色濃く感じさせる200hpのアストロ

バン

シボレー

ブルーリバー30周年に相応しい30年前のシボレー・アストロ。それは奇しくもアストロが様々なアップデートを果たす過渡期だった。現車は当時流行したカスタムを随所に感じさせ、まるでタイムスリップしたかの様な当時感溢れるスタイルをストック!