ストリートロッドとしても人気の高いウイリス・アメリカー

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HOT ROD Ecstasy ホットロッダーの悦楽

ホットロッド

アメリカー

アメマガ2020年9月号

ANDY'S Rod Works

1941 WILLYS AMERICAR

HOT ROD Ecstasy ホットロッダーの悦楽


1941 WILLYS AMERICAR

見た目だけのカスタムカーとは目指すものが違う速く走ることに特化したクルマが「ホットロッド」だ!

「Hot Rod」という言葉自体は、古くから日本でも耳にするが、“ デュース” に代表される戦前のモデルをベースにしたストリートロッドや、派手なフレームスのペイントを施して、ヒップアップなプロポーションにアレンジしたスタイルを総称してそう呼んでいるといった印象。

 

しかし、実際のところは、とにかく「速く走ることに特化した車両」というのがポイント。速く走るという点ではレースカーは全てHot Rodと言える。ルーツを紐解くと、禁酒法時代に密造酒を運搬する車両をモディファイしたことが始まり。カルチャーとして発展する上では、第二次世界大戦後の退役軍人達がカリフォルニアのドライレイクでスピードを競ったことが起源。

 

戦時中に得た様々な知恵や経験を活かして、安価な中古車をより速くモディファイし、その実力をレースで証明するのが大流行した。ストリートでもいわゆるシグナルレースが全米で勃発。死亡事故が増え、社会現象として問題となったことで、ワリー・パーク氏の呼びかけで、きちんとした競技に発展すべく、NHRA(National Hot Rod Association) が発足。アメリカのレースにおいては、最もメジャーなナショナルイベントにまで発展し、約70年に及ぶ歴史を持つ。

 

国技ともいえそうなほど一般的に浸透しているドラッグレースとは同義語となっているが、ドライレイクおよび、ソルトフラットにおける最高速仕様はもちろん、レースカーや早く走るためにモディファイした車両、さらには、メーカー純正であっても、マッスルカーやスポーツカーも含めて、「Hot Rod」と呼ぶ。つまり、どんなに改造してあってもエンジンなどに手をつけていなければカスタムカーでしかないのだ。そのカスタムカーと外観が全く同じでも、速くするためのアレンジを施していればHot Rodとなるのである。ここでは、そんなHot Rodにスポットを当てることにしよう。

1941 WILLYS AMERICAR

595馬力のホンキのホットロッド

愛らしいともいえるルックスでコンパクトなウィリスは、ストックでは搭載エンジンも4気筒で、速さとは無縁な存在。しかし、その分車体重量が軽量なため、ドラッグレースのベースモデルとして着目された。マッスルカーに匹敵するパワフルなV8に換装した個体がレースで成果をあげる中、ストリートロッドとしても高い人気を獲得。稀少性が極めて高いことも関係して、ホットロッドのアイコンとして馴染みな存在となっている。

 

この個体は、ストリートロッドとしてオーセンティックな手法でアレンジされた状態でアメリカよりオーナー自身が輸入。 自身がホットロッドをメインに制作からメンテナンスをするショップを運営しているだけに、現在の理想的なプロポーションを構築する上でのアレンジは、全て自身で行なっている。搭載エンジンは、アメリカのプロショップ、SHAFIROFFRACINGに依頼して制作したホットな仕様。スモールブロックにしてビッグインチな434ciには1050cfmのドミネーターキャブが組み込まれ、単体で595馬力を発生する。

1941 WILLYS AMERICAR

車重が軽量なだけに、リアタイヤがファットでも、ストリートでは容赦なくホイールスピンをする。日本国内では機会の少ないレースや壮行会には積極的に参加して、そのポテンシャルを発揮しているが、それと同時にストリートロッドとして日常のドライブから遠方までのロングトリップにも率先して参加している。ルックスのカッコ良さはもちろんだが、ホットロッドを地でいくオーナーのスタンスによって、この個体の魅力が発揮されている。

 

12インチ幅のファットラバーを容赦なくスモークするマッシブなトルク感は圧巻。モテギの1000フィートでのドラッグレースでは、9 秒台でエントリーしたものの、8.999秒で9秒を切ってしまった!そんなポテンシャルにしてエアコン装備でクルーズも楽しめる真のストリートロッッド。

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稀少なモデルなだけに、ファイバーグラス製のリプロダクションボディも存在するが、この個体はオリジナルのスティールボディ車。ルーフ部にレインレールとなるプレスがあることが証明する。オリジナルのバンパーにはモデル名である“Americar”のプレスが入る。

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本来は2ℓ程度の4気筒なのに対し、V8に換装しているため、ファイヤーウォールは30cmほどセットバック。それに伴って、シートの位置も後方に移設。ゲージ類はオートメーター社のコンペティションなタイプで統一。個体のキャラがバケットシートに反映されている。

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シボレー製のスモールブロックエンジンをベースに、USAのエンジンショップ、SHAFIROFF RACINGでインチアップした434cid。AFR製のアルミヘッド、1050cfmのドミネーターが組み込まれ、ダイノデータでは595馬力をマーク。


Cooperations:ANDY'S Rod Works

TEL:047-713-9122
HP:http://0blogs.yahoo.co.jp/enscustom
Photo & Text 石橋秀樹
アメ車マガジン 2020年 9月号掲載

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