-アメカルにまつわるエトセトラ- #11「 日米親善盆踊り 」

コラム

アメカルにまるわるエトセトラ

アメマガ2021年1月号

#11「 日米親善盆踊り 」

et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-


et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-
#11「 日米親善盆踊り 」

CGの進化によって「もう映画って何でもありだね」と思わせられたマーベル・シネマティック・ユニバースでしたが、ある意味でそれ以上の驚きと感謝の念を抱いたのが2018年公開の「レディ・プレイヤー・ワン」。実は公開前に予告を何回かは見ていたのですが、その時はデロリアンが走り回っている姿しか印象に残らず「まぁそれだけが売りのB級映画でしょう」くらいの認識。まさかスピルバーグ御大自らがメガホンをとったサブカル風味…それもジャパンリスペクト満載!なイカした映画だった事を知るのは、公開終了したずっと後のDVD発売プロモーションが始まった時でした。


それでも、癖というか防御本能というか(笑)、「この映画面白そう」と思うと同時にストーリーに関わる情報は脳内シャットアウトすることになっているので、ほとんどの予備知識無しで見始めると、デロリアンはもちろん、「金田のバイク」から「アイアンジャイアント」まで惜しげもなく序盤に登場。更に「シャイニング」のホテルでひと騒動巻き起こった後にはなんと「メカゴジラ(機龍)」と「ガンダム」のバトルがスクリーンでみられるとか、正に盆と正月。なんでこんなにツボ突いてくるの?!と不思議に思ったくらい。


それまでにも例えば2012年のディズニーアニメーション映画「シュガーラッシュ」にストリートファイターのキャラクターが登場するなど、イロドリとして用いられることはあったものの、ここまでジャパニーズキャラクターがフィーチャーされるケースはあまりなかったように思います。それには原作者であるアーネスト・クラインが自他ともに認めるギーク( いわゆるオタク) であること、そして世界中のオタク同様に親日家であることが影響しているようです。そんなクラインが書き上げた原作は「VR世界」と「膨大なキャラクターの登場」という二つの大きな壁によって実現は不可能…と言われていたそうですが、「VR世界」は冒頭に書いた通り、CGの進歩によって実現。


「膨大なキャラクターの登場」にはかなり苦労したそうですが、スピルバーグという大看板を用いながら数年かけて各版権者より許諾を取り付けたそうです。実は原作の中では「ウルトラマン」が重要な役割を果たすらしいのですが、「ウルトラマン」の版権は知る人ぞ知るカオス状態。結局、クランクインまでにはクリアにできず、その分が「ガンダム」と「アイアンジャイアント」に振り分けられたそうですが、今となっては結果オーライ。日米それぞれのギーク/オタクを均等に喜ばせてくれたのではないかと。


今回いろいろ調べてみたところ、なんとパート2の計画が進行中で…今度は「ウルトラマン」の版権がクリアになったとのウワサ。今度こそは映画館…それもIМAXで楽しみたいなぁと今からワクワクしています。

cap_2001

TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2021年 1月号掲載

最新記事


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2024/07/24

アニメを見て惚れたマスタング、今では押しも押されぬ爆速女子へ

クーペ

フォード

名探偵コナンに登場したマスタングに惹かれてカーボックスを訪れたオーナーさん。一番ド派手なエレノア仕様を選び、チャレンジャー・ヘルキャットに乗る旦那様は走りで負けたくないライバルだ。

2024/07/23

仮契約までしたけどLBスタイルに惚れて変更【ダッジチャレンジャー】

クーペ

ダッジ

過去2回、LBワークスで武装したチャレンジャーに乗ってアメマガ主催イベントamZに参加したみっちさん。軽自動車が長年の愛車だった彼女が、初めてのアメ車としてチャレンジャーを手にするストーリーとは。

ランキング


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger