元祖アメリカンSUVとして人気を博すK-5ブレイザー
1985 CHEVROLET K5 BLAZER × LIFT UP
AMERICAN TRUCK & SUV
1985 CHEVROLET K5 BLAZER × LIFT UP Owner:Zさん
子育てが一段落したところで迎え入れたセカンドカーライフの相棒
2ドアのショートトラックの荷台にシェルを乗せてSUVへと進化していった過程を知るうえで、そのシルエットを鮮明に映し出す元祖アメリカンSUVとして人気を博すK-5ブレイザー。しかし子育て世代に2ドアは何かと不便。乗りたいクルマに乗れるのはある意味、人生のご褒美である。
7インチ超えの上げ幅でも快適安心して乗れる!
これまでエクスプレスやサバナなど、主にフルサイズバンを愛車にしてきたというZさん。3人の育ちざかりな子供たちと一緒に旅行をしたり、習い事へ送迎したり、雨の日は迎えに行って自転車を積んで帰宅したりと、フルサイズバンじゃなければならない理由があった。だが、そんな子供たちも成人してそれぞれが愛車を持つ様になると妻と二人で出かけることが多くなり、そろそろ二人で乗ってちょうど良いアメ車に乗り変えても良いのではと選んだのが85年型のK5ブレイザーだった。
4年前にフルオリジナルのツートンカラー、しかも純正のルーフレールまで付いた個体を見つけて購入。しばらくはオリジナルを楽しんでいたものの、リフトアップした友人のK10を見る内に上げたい衝動に駆られてバルフォーエスに相談。それなりの年齢なので過剰にリフトアップするのではなく、車検対応の大人なスタイルでとオファー。
かつて筆者の愛車GMCジミーで散々無理難題を突き付けられてソレをカタチにしてきたバルフォーエスのビルダー岡野氏にとってK5のカスタムはお手の物であり、ラフ&カントリーの6インチアップを軸に各部マウント製作や位置関係の補正パーツを自作して、アメリカ仕立ての大雑把な箇所を日本の職人魂で一寸の狂いもない具合に端整した。
また、K5には珍しくAMP電動ステップが装着されている点も特筆物で、ヘッドライトはバンパー下のフォグに移設、リアバンパー下には追突防止バーをナチュラルな造形美で製作するなど、道路交通法を順守した大人のリフトアップスタイルは、子育てを終えて第二のアメ車ライフを歩み始めたZさんにとって最高の相棒である。
ダークブラウン×クリームのエクステリアにマッチするベージュインテリアももちろんフルオリジナル。モデルイヤーの割には綺麗なカーペットに、ヘタリや破れのないシートはまさにグッドコンディション。メーターはダコタデジタルをスマートにインストールしており、オリジナルストックのステアリングとの相性も抜群。
ラフ&カントリーの6インチアップキットはそのままポン付けとはいかず、完璧主義の岡野ビルダーがココは補正を加えておくべき、ここはマウントで位置関係を修正しておくべきといった箇所を一つ一つ払拭してインストール。装着するタイヤは37×12.5R17のBF-Goodrichオールテレーンで、ホイールのリム幅は純正フェンダーで収まる様に控えめなサイズを選択。
タイヤ外径分も含めると8インチにも及ぶリフトアップは死角も凄まじい。その対策としてフロントナンバー下やサイドミラーにカメラを仕込んで常に確認できる様にモニターを追加する。乗降性の確保で電動ステップを追加することも大事だが、走らせている時の死角をクリアすることはもっと重要であり、この辺りの作業がジェントルに乗るリフトアップの醍醐味と言えるだろう。
Thanks:Bal.FOUR S
TEL:072-805-4444HP:https://www.bal-fours.jp
Photo&Text:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 2月号掲載
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