マグナムのリフトアップを可能にするJET CITY×KRZ共同開発リフトアップ用エアサス
DODGE MAGNUM
EXTREME AMERICAN
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こんなクルマを“本気”で作るからJET CITYは面白い!
2020年末に開催のX5ファイナルで堂々デビューした、ジェットシティのダッジ・マグナム世紀末モデル。既製品のパーツはほとんどなく、ワンオフで溶接加工して製作された。だが一番の見所は、KRZと共同開発したリフトアップ用エアサスによって、リフトアップがされているところだ。
SUV以外でもリフトアップを楽しむ
202年末のX5ファイルに訪れた来場者はザワついていた。ハイエンド大径ホイールを履きエアサス着地、綺羅びやかなハイリフトモデル達が並ぶ会場に、映画マッドマックスから飛び出してきた「武装スタイル」のダッジ・マグナムが鎮座する光景に、良い意味でも悪い意味でも来場者の視線は釘付けになっていた。製作したのは広島のジェットシティ。同ショップを知る来場者やエントリー者からは、「やっぱりジェットか」の声が聞こえてくる。「こんなモデルを本気で作るのはジェットしかいない」は、もはや業界の常識だ。
X5ファイルから遡ること数ヶ月前、ジェットシティのファクトリーには、カーショップとは思えないほどの鉄パイプや鉄板が並べられていた。それらを見ながら、「装甲車を作る」と代表の萩原氏は笑って答えたが、当然冗談だと思ったのは言うまでもない。それが数ヶ月後、まさかの姿になったマグナムが登場したのである。
リアに装着されるヒッチラックこそ既製品だが、それ以外のルーフラック、F・Rバンパー、ブルバー、フェンダー、ガラスガード、マフラーといった部分は完全ワンオフで製作され、出幅などのサイズは「細かいことは不明」と、まさに製作しながら仕上げられていったものだ。
だが、年密な計画によって生み出したものもある。それが、ジェットとエアサス・パフォーマンスブレーキブランドであるKRZが共同開発した「リフトアップ用エアサス」だ。これまでジェットはエアサスによる完全着地を徹底的に極め、KRZもそれに答えるように特殊に改良を加えるなど、互いにリスペクトし切磋琢磨してきた。そうした深い関係性と、常に新しい物に挑戦するジェットの取り組みに、KRZも今までにないリフトアップ用エアサスの開発に快諾。そしてそのテスト車両として選んだのが、リフトアップのイメージが全く無いダッジ・マグナム。その理由は「たまたま下取りで入った」と語るが、リフトアップ=SUVという固定概念を崩す意味がそこには込められている。
開発されたリフトアップ用エアサスは、縮小時がノーマル車高よりやや高く、最大アップ時で約11cmアップとなる。装着には足回りのアーム類をワンオフで加工する必要があるが、そこは完全着地で培われた経験と技術で対応。エアサスシステムはFeelAirを採用し、ホイールはGRID GD10の20×12J。タイヤはFEDERAL M/Tの33×12.50R20LTを組み込む。
リフトアップ用エアサスは、アメリカではすでに製品化されているものもあるが、それらは全てSUV用。マグナムのようなステーションワゴンやセダン用は、何処のメーカーも「誰もやらないだろう」と設定していない。それを、ジェットとKRZは「本気」で開発し作り上げたのだ。この世紀末スタイルは、外装の奇抜さが一番のウリではなく、リフトアップとは縁もゆかりも無い車両を、新境地に導く新たなスタイルとして提案している。今後は同パーツを組み込んだ、300C、カマロ、コルベットなどの構想もあるとか、ないとか。エアサスの「サゲ」ではなく、「アゲ」のジェットにも注目だ。
見どころは外観にあらず!?最大のポイントは“足”にあり
既製品で使ったのはリアのヒッチラックのみ。それ以外はパイプと鉄板を溶接加工して作り上げている。当初はオフロード仕様という構想だったが、もっとインパクトあるスタイルを目指そうと武装化が始まった。
SUV顔負けのワンオフフェンダーに包まれるホイールは、GRID GD10の20×12J。オフセットは-40にもなる。タイヤはFEDERAL M/Tの33×12.50R20LT。マフラーはダミーではなく、排気がしっかり通じている。SUVではない車両をリフトアップさせるため、ジェットシティとKRZが共同開発したリフトアップ用エアサス。エアバッグは既製品を使うものの、アブソーバーやブラケットは細かいセッティングの上開発。装着のために足回りアーム類の加工が施されている。エアサスシステムはFeelAirを採用する。
JET CITY【ジェットシティ】
https://jetcity-motoring.com/所在地:広島県安芸郡海田町国信2-6-43
TEL:082-820-0377
KRZ international
HP:https://krz.cc/
Photo:高原義卓Text:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 5月号掲載
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