観音開きのドア形状はスタイルと機能を両立するシルバラード
2007 Chevrolet Silverado LT
“カタチから入る”逸楽アメ車生活
2007 Chevrolet Silverado LT
大人6人が快適に乗れるキャビンと広大なベッドは無限の可能性がある
アメ車の中には様々なジャンルがあるが、その一角を担うのは紛れもなくピックアップトラック。西海岸では、一家に1台はあるほど身近な存在だ。日々の買い物はもちろんだが、アウトドアなどのアクティビティにも自在に対応する、楽しめるクルマだ。ユーザーの使い方次第で可能性が広がる、まさにオーナーの夢を叶えてくれる1台
基本的にアメ車は国産車よりもデカいが、その中でも群を抜いて大きいと感じるのは、やはりフルサイズピックアップ。ボンネットからキャビン部分までの長さは国産コンパクトカーと同程度。さらに後部にはベッドも備わるので、これぞアメリカンサイズを否応なしに実感する。
確かに運転にはそれなりの慣れが必要かもしれないが、「大は小を兼ねる」と言う諺があるように、コス●コで大量の食材を買い出しに行ったり、ホームセンターでガーデニング用品を調達するのにも重宝する。もちろんその本領を遺憾なく発揮できるのはアウトドアシーンで、キャンプはもちろん、自転車やATVも自在に積載可能。まさにできないことなど何もないと思えるほど万能。
現行モデルはアップルカープレイなど充実した装備が魅力的で、もはやトラック=商用車という図式は当てはまらない。とはいえネックとなるのはそのプライス。でも手軽にピックアップライフを始めってみたい…と言う人にオススメしたいのが、スカイオートに在庫しているこのシルバラードだ。
走行距離は17万km。国産車の感覚じゃ敬遠するような走行距離だが、モデルイヤーを考えれば少しも不思議ではない。むしろコンスタントに走っていたと考えるべき。「もちろんバッチリ整備しますので、スカイオートを信じてください!」と村上社長は胸を張って語ってくれた。
IMPRESSIONS ロングホイールベースで乗り味は快適、さらに走りをサポートする装備も充実
2007年型で、取材時の時点では17万km走行。年間の平均走行距離は1万2000km程度で、アメ車としては少ない部類だ。足回りはノーマルのままで、リアはリーフスプリングを採用するが、長いホイールベースのおかげで快適な乗り味をキープ。変速ショックは多少あるが、平均的なレベルだしスカイオートは車両の販売だけでなく、メンテナンスにも精通しているので納車前にしっかり整備を実施してくれる。トレーラーの牽引装置に加え、ドアミラーも交換済み。直前直右やカーナビはバックカメラと連動しており、初めてのアメ車としても最適。
国産ミニバンよりもはるかに使いやすく、真のマルチパーパスビークルと言える!
ダッジラムやF-150の様な、ハイパフォーマンスモデルは設定されていないシルバラード。だが観音開きのドアは他にはない個性で、決して奇をてらった訳でなく、実用性も兼ね備えていると言えるだろう。
観音開きのドア形状はスタイルと機能を両立
それではこのシルバラードの各部を見てみよう。グレードはスタンダードなLTで、駆動方式はセンターデフ付きのパートタイム4WDであり、任意の駆動方式が選択できるだけでなく、スリップに応じて自動的にトルク配分を行なうAUTOモードも備わる。エンジンは5.3?のV8ガソリンだが、ディーゼルエンジンに匹敵するほどの太いトルクを実現しており、大きく重い荷物を積載しても軽々と走ることが可能だ。
エクステリアのカスタムとしては、トレーラーが牽引可能なようにヒッチメンバーや電源ソケットを装備。またドアミラーだけでなくデューリーマーカーも装着しているので、牽引免許とトレーラーさえ用意すれば、即座にトーイングも可能。またフロントバンパーは社外品に交換しており、ボンネットの先端に装着したメッキのバグガードと相まって、個性的なスタイルを実現している。
ちなみにシルバラードの最大の特徴といえば、スッキリとしたサイドビュー。キングキャブの様に見えるが、実は観音開き方式の4ドアとなっており、乗降性も良好。フロントシートはベンチタイプで、中央のコンソールを跳ね上げれば、最大6人まで乗車可能。
確かに取り回しは少々苦労するかもしれないが、国産ミニバンにフル乗車して荷物が入らない…なんて悩みは無用。
フロントバンパーを社外品に交換し、同じくメッキタイプのバグガードも装着。オリジナルはバンパー中央のみメッキだが、全体をメッキ化することでタフな雰囲気を醸し出す。キャビンの上にはデューリーマーカーを装着し、牽引装置も装備。車両単体だけでなくトレーラーヘッドとしても活用可能だ。ベッドにはトノカバーを装着し、荷物が濡れたり汚れたりするのを防ぐ。
フロントはダブルウィッシュボーン式コイル、リアはリジッド式リーフスプリングを採用。長いホイールベースのおかげで、リーフ車にありがちな不快な突き上げもなく、快適な乗り心地を実現。取材時のタイヤはスタッドレスであったが、できればATタイヤを装着したいところだ。
エンジンはV8・5.3?を搭載。ガソリンエンジンでありながら大排気量が生み出す豊かなトルクのおかげで、ストレスなく走れる。17 万㎞走行したとは思えないほどエンジンルームも綺麗。「スカイオートを信じてください」と言う村上社長の言葉のどおり、納車前にはしっかり整備してくれる。リーズナブルだけど、安心してアメ車ライフを始められる。そんな頼もしいお店と言えるだろう。
観音開きという個性的なスタイルを採用するシルバラード。リアドアのオープナーは内側だけでなくドアの側面にも備わるので、外から非常に開けやすい。
センターデフ付きのパートタイム4WD で、駆動の切り替えはダイヤル式。ナビはバックカメラと連動し、ミラーモニターには車体直前と直右の映像を映すことが可能。インパネ周りはシンプルだが、最新のクルマの様にスイッチだらけでもなく扱いやすい。シートはレザーで、乗車定員は6名となる。
SPEC 全長×全幅×全高:5596×2030×1872mm ホイールベース:3401mm エンジン:V8 OHV 排気量:5.3L 最高出力:315hp/5200rpm 最大トルク:338lb-ft/4400rpm トランスミッション:4AT
ここに注目 スポーティからオフロードまで旧モデルにも個性豊かなモデルが揃う
もう少しリーズナブルなピックアップが欲しい…と言う人には、1999年から2007年まで販売されていたシルバラードの初代モデルという選択肢もあり。タマ数は少なくなっているが、今回紹介する2代目よりは安いハズ。またダッジの場合シルバラードに匹敵するのはラムトラックだが、その中でもバイパーと同じエンジンを搭載したSRT10というモンスタートラックも存在する。チャレンジャーのヘルキャットやデーモンは、このSRTシリーズがルーツとなっている。
ピックアップでもガンガンオフロードを走りたい! そんな人は、ラプター以外の選択肢はアリエナイ。名前こそF-150ではあるが、エンジンからサスペンションまで、まったく別物。オフロードレースにそのまま参戦できるほどのポテンシャルを備えており、もはや機能面においては、カスタムする部分は皆無に等しい。
試乗SHOP:SKY AUTO【スカイオート】
所在地:埼玉県越谷市南荻島708-1TEL:048-976-1235
URL:https://www.skyauto.co.jp
営業時間:10:00~20:00
定休日:第2・第4火曜日・毎週水曜日
日本に正規輸入されていないアメ車はもちろん、正規輸入されていても「やっぱり左ハンドルの北米仕様に乗りたい!」という、ユーザーの願いを叶えてくれるショップ。ちなみに最新モデルにも精通しており、テスラの充電器も完備。ちなみに国内ではもちろん販売されていない、US日産のフルサイズバン「NV350」も在庫中。その巨大さはさすがアメリカ仕込み。
PHOTO:浅井岳男 TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2021年 6月号掲載
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