ストックの魅力を引き出す正統派カスタムが主流のスラムド
クールなロッド&カスタムがグッドロケーションな海岸沿いに集結するミーティングイベントがコーストライン・ロッド&カスタム リユニオンだ。国内有数の有名車が勢揃いしながらも、会場はフレンドリーな雰囲気でなんともアメリカンなのだ。今回はイベントの模様と、注目のカスタム車両をフィーチャーしていこう。
Coast Line Rod & Kustom Reunion
Sunday April 18,2021 at Rinku north
クールなロッド&カスタムの粒揃いの個体が集結
クルマのホビーの世界でも、時間の経過と共にトレンドが移り変わり、スタイルやジャンルもどんどん細分化やクロスオーバー化が加速している。ホットロッド、カスタム、ローライダー、フィフティーズスタイルなどの、定番的なジャンルであっても、複数の要素を盛り込んだり、インパクトだけを狙ったモノなど多様化が進んでいる。
情報過多なご時世だけに、良し悪しはスペックで判断しがちだが、それだけに、王道を貫いたオールドスクールの魅力が際立つのだ。イベント自体も規模の拡大などに伴ってクロスオーバーが進むことで、本来の趣旨や趣向が薄れてしまったり…。
その点このイベントは、規模こそは100台程度とミーティング感覚だが、クラシックなアメ車をベースにしたクールなロッド&カスタムの粒揃いの個体ばかりが集結している点がポイント。
イベントを主催するカークラブの「ストロンガーズ」メンバーの車両がそうであるように、ストックの魅力を引き出した正統派のカスタムが主流となっており、イベント参加者、出典車両ともに、いい意味でオールドスクールな王道路線を貫くタイプといった感じ。選択車種にしろ、施されたアレンジのスタイルやクオリティにしろ、テーマやアプローチが明確に現れている。
また、どれもセンスよくまとまっている点も共通している。かといって、変な身内感が無く、会場はフレンドリーな雰囲気なのが◎!ビーチサイドに集結したクールなロッド&カスタムとで、カリフォルニア疑似体験を味わえたのだった。
会場は、パームツリーのあるビーチサイド、りんくう北芝生公園。海沿いのグッドロケーションな芝生エリアとあって、アメリカンなロッド&カスタム達がとりわけ映える。芝生によって、ローダウンした低いプロポーションも際立って◎!ロッド&カスタム系のカークラブやショップの者が中心に企画されたミーティングタイプのイベント。参加車両が粒揃いなところからも、主催者&参加者の趣向、趣旨が揃っている感じが伝わってくるようだ。
1939 Dodge Club Coupe
アメリカでも激レアな存在のダッジ・クーペをベースに、大幅なチョップトップをメインとしたボディワークによって独自のフォルムを構築している個体。スリークなテールドラッガーなシルエットは、会場内もとりわけ目立つ存在。
1951 Mercury “Syumerc”
インパクトのあるフレイムスのペイントが目を引く、国内発にしてHot Wheelsがモデル化したことで世界的にメジャーな個体“Syumerc”!横浜HOT ROD CUSTOMショーの限定モデルとして実車のカラーリングを落とし込んだ専用モデルはコレクターズアイテムとしてプレミアムな存在。
1958 Chevy Wagon
ワイヤーホイールならローライダーとしても収まりそうな58シェビーワゴンながら、スポーク部のエッジがシャープなET 製5スポークというのがニクイ選択。リム部はしっかりとポリッシュして、細身のホワイトリボンタイヤとの愛称もバツグン!
1953 Buick “Purple Haze”
ストックの持ち味が最大限に発揮されたカスタム界のリビングレジェンド、ジーン・ウィンフィールドが手掛けた秀作。絶妙なバランスで施されたチョップトップと、スムージングによって抜群にクールなプロポーションを獲得しているビュイックだ。
1932 Ford 5window Coupe
少数なりにもストリートロッド系のエントリーもちらほらあった。全体的に大幅にチョップを施したラディカルな仕様が目立つ中、こんなしっとりとしたレストロッドに遭遇。ストック風のワイヤーホイールや、大型ヘッドライトを採用しつつもモダンな印象のあるステキな個体。
1962 Chevrolet Impala Wagon
ワイヤーホイールに履き替えたらローライダーとしてのイメージが濃厚なアプローチながら、リーバースなクレーガーSSを装着するあたりにベテラン的な高いセンスを感じるインパラワゴン。クルマのキャラクターはホイールが決定付けるのだ。
1965 Oldsmobile 442 Classics
一見しただけでは車名が答えられないようなニッチな存在の65年型カトラスといったマイナー車がエントリー。ラグジュアリーにしてマッスルなオールズ442の中でも主張の弱いデザインながら、センスの良いホイール&タイヤのアレンジによって、特有の魅力を放っている!!
1959 Chevrolet Fleetside
ホットロッドの世界では2灯式の57年型が人気だったが、近年のクラシックトラック人気の中で4灯式の58~ 59年型が注目されている。インパクトある顔つきと、低い車高スタンスとの愛称が良い。この手のトラックでのカスタムは、着地系スラムドが主流。
1928 Ford model A 2door Sedan
こちらのモデルAは、大幅なチョップトップとチャネリングによって、極端に薄いボディフォルムを構築するラディカルな個体。その低いプロポーションゆえに、とりわけ巨大に感じる大型ブロワーを装備するマッシブな仕様なのもポイント大!
1965 Buick Le Sabre
シャッキとしたボディのプレスラインが際立つスムースなボディワークが見事な65年型ル・セーバー。クロームのビンテージマグ&ホワイトリボンタイヤのセットアップなど、ハイセンスなマイルドカスタムによって、ベース車の魅力が際立っている。
1960 Pontiac Catalina Safari Wagon
ルーフ以外はいわゆるパティーナな状態ではあるが、ボディの形状はストレートでしっかりとしているだけに、実用車両として味があるカタリナ・サファリワゴン。ストックよりも低い車高アレンジも貢献して、古着感覚でかっこ良く感じるアピアランスとなっている。
1941 Ford Convertible
リアを引きずるようなイメージの“ テイルドラッガー” の愛称で呼ばれる激レアな41年型フォードのカスタム。タイヤがかぶる低い車高と、大幅なチョップトップが要となっている。賛否の割れる個性的なモデルなだけに、オーナーはおそらくベテラン?!
Photo & Report ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2021年 7月号掲載
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