「ヒックリ返したバスタブ」などといわれる曲線基調のフォルムのビュイック・ロードマスター

ステーションワゴン

ビュイック

ロードマスター エステートワゴン

ラットスタイル

アメマガ2021年8月号

ヤレこそ粋なラットスタイル

ロードマスター

1993 BUICK ROADMASTER ESTATE WAGON

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル


1993 BUICK ROADMASTER ESTATE WAGON

使用感丸出しのルックスが逆にいい!ラフな個体こそリアルにアメリカ的で魅力的

新車当時は高額で手の届かない存在だった。約30年の経過によって、今度はコレクタブルな存在としてバリューが高等する中、個人売買でしか通用しないような、使用感丸出しのルックスながらも機関良好でチープな個体こそ希少。

アイランド系にも通じる、いい雰囲気を醸し出す個体

4世代目のシボレー・カプリスは、タクシーやポリスカーなど、ビレットホイールの誕生によって、一気に加速したハイテックスタイル全盛期のベースモデルとしても人気に。中でもワゴンは、よりカジュアルなキャラクターと、フルサイズのロングルーフ車ならではのロー&ロングなスタイリングがポイント。「ヒックリ返したバスタブ」などといわれる曲線基調のフォルムがポイント。時代のトレンドにマッチして、国内でのアメ車人気にも大きく貢献。そして、ビュイック・ロードマスターは、カプリスの姉妹車として、特有のグリルやウッドパネルの採用によって、往年のアメ車らしさを発揮。

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個人的にはどちらも好みなので、とにかく熱望したものの、高額で手が届かず、憧れの存在だった。安価な中古車として出回った時には、手のかかる不健全な個体ばかりでスルー。そんな中、知り合いの業者が買い取ったこの個体は、機関系が健全ながらも、内外装にダメージがあり、販売するには微妙な状態としてくすぶっていたため、自分の愛車にと譲り受け、その後同じ価値観の現オーナーに譲渡した。ナインティーズのアメ車ではありがちのクリアーコートがカサカサに剥がれ落ち、ウッドのカスレやボディに凹みもあるが、不思議とみすぼらしくは感じず、むしろアイランド系にも通じるいい雰囲気を醸し出している。


フルサイズならではのボディサイズは、大きな操舵角の確保で、全くといっていいほど苦にならず、燃費も市街地で7km/ℓと実にフレンドリーなのである。

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アメリカでは“ヒックリ返したバスタブ”といわれる曲線基調なフォルムが魅力的。カプリスにはないルーフガラス&専用設計のキャリアによって、より丸みが強調されているため、個人的には“ 業務用マヨネーズ”と呼んでいる。ボディの凹み、モールディングの欠損、ウッド部や塗装のダメージはあるものの、アイランド系にも通じる雰囲気で◎!


ワゴンでは主流となっている350ci/L05エンジンは、パワーこそ170hp程度ながら、車重が2トンを超えていることを全く感じないほど、スムースなフィーリングが魅力。低回転域でのトルクがリッチなので、市街地から高速巡航まで安定感がある。

1993 BUICK ROADMASTER ESTATE WAGON

時間の経過によって、90'sカーもコレクタブルな存在になっているだけに、現在流通する販売車両はクリーンにリフレッシュした状態が主流。そんな中で、自分のライフスタイルや身の丈にマッチした状態として愛されているこんなラフな個体こそ、リアルにアメリカ的で魅力的に映える。

1993 BUICK ROADMASTER ESTATE WAGON

撮影時に装着していたホイールは、KAOTIKの17インチ、装着タイヤはF:245/45ZR17、R:275/40ZR17。この他にもう1セット社外アルミと、ストックのスチールとで、計3セットをTPIに応じて履き替えている。

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搭載エンジンは、5.7ℓ/350ciのLO5。ハイパフォーマンスなLT1に比べて地味な印象ながら、RVやトラックに多く採用される安定感のあるトルクと信頼性の高さがポイント。車重の思いワゴンとの相性が良く、燃費の面でも優れている。

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彫りのの深いダッシュなど、姉妹車のカプリスよりも全体的にクラッシックでリッチな印象のデザイン。シートのスキンにダメージはあるものの、質感&座り心地の良さは、高級ブランド、ビュイックならではといったところ。ムーンルーフによって高い居住性と開放感が得られる。


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

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