見た目はカジュアルながら機関は良好なカマロIROC

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アメマガ2021年8月号

ヤレこそ粋なラットスタイル

IROC-Z

カマロ IROC-Z

1989 CHEVROLET CAMARO IROC-Z

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル


1989 CHEVROLET CAMARO IROC-Z

身の丈に合った愛車とのスキンシップを満喫

ビンテージの領域に突入した3rdカマロは、人気が高いわりに現存数が少ないのが実情。ドナーとして大半が廃車となってしまうなか、リアルなサバイバーとして、3rdカマロを最も理想とするオーナーのもとで活躍する貴重な個体。

気兼ねなく日常使用できる、今や希少な存在のIROC

アメ車の中でもとりわけポピュラーな存在の第三世代カマロも、もはやビンテージカーとしてオリジナルでレストアされる時代に突入。国内でも相当数が存在したものの、安価な中古車時代には、旧車に移植するためのパワートレインのドナーとして大半が廃車となった…。


この個体も、筆者の友人がドナーとして入手したのもので、機関系の状態が良く、稀に見るほどオリジナルをキープしていたのでした。そんな個体は貴重な存在ではあるものの、内外装のダメージをクリーンにするには手間もコストもそれなりにかかるため、結局はドナーとなってしまうのが実情。そうこうしているうちに、その希少性がより高まり、「モッタイナイ」の一心から、筆者が里親会として引き上げたのだった。機関系の状態は問題なかったため、即路上復帰。そして、里親募集の情報を聞きつけた知人がオーナーに。

1989 CHEVROLET CAMARO IROC-Z

最も理想とするモデルとして3rdのIROC‐ZのTバールーフを、いつかは所有したいと考えていたが、確認した販売車両の殆どが、外観はきれいにリフレッシュしながらも、機関系に不安を抱えていた。外観にダメージがあっても、機関が良好であれば、気兼ねなく日常使用できるのでむしろ理想的と考えていただけに、この個体とのめぐり合わせをチャンスと受け止め、予定外ながらも入手。


当初はフードやフェンダーなどはサフェーサー状態で、ルーバーも外れていたが、今回の撮影前に、自宅でローラー塗りし、ルーバーも装着。おかげで、一見するとそれほど悪くないようにも見えるが、塗りムラなどもありDIY丸出しの状態。それはいい加減な対応ではなく、オーナーの身の丈に合った付き合い方であり、愛車とのスキンシップでもある。素性が悪くない個体なだけに、将来的にはクリーンなストック状態にフィニッシュすることも可能なのだから。

1989 CHEVROLET CAMARO IROC-Z

ファイナルレシオが3.27とスポーツモデルとしては平均的な数値なだけに、特別なパンチは感じ無いが、オーバードライブ4速ATとの組み合わせによって、最高速度は230km/hを超える。十分なトルクがあるだけに、ストリートでは扱いやすく、日常使用にも問題なし。

1989 CHEVROLET CAMARO IROC-Z

ストックのIROCホイールは、メーカー純正ホイールの中でもとりわけ人気が高く、ビッグインチの社外品もリリースされている。後期型のデザインはよりシャープな印象。現在ではマイナーな16インチとあって、タイヤはサイズありきでのチョイスとなってしまう(F:225/60R16、R:245/50R16)。安価な中古車時代に、ほとんどの個体がカスタムやモディファイされたり、パワートレインを旧車のドナーとするために廃車になったため、ストックの状態を保持した個体はアメリカとて希少。そんな価値を十分理解する、IROC-Zこそが理想のモデルというオーナーのもとに収まったという意味で、オーナーにとってもこの個体にとってもラッキーなめぐり合わせだ。

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エンジンは、87年から92年にラインナップされた5.7ℓ(350ci)L98。最高出力は225hp。エンジンの前方にスロットルボディがレイアウトされる特徴的な形状のインジェクターによる、TPIこと“ チューンドポートインジェクション”。

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元々サフェーサー状態だったフードやフェンダーは、撮影前に自宅にてローラーでペイント。IROC-Z&ストライプのステッカーが残った状態なだけに、一見するとスッキリとしたストックに見えるのが◎!しかし、実際のペイントの状態は艶もなくムラだらけだが、そんな状態も含めて、アメリカの西海岸にいそうなリアリティが感じられていいのだ!

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入手当初はステアリングが社外品にアレンジされていたが、それ以外はストックを保持。筆者がカマロファンの友人から譲り受けたストックのステアリングに戻した。年式相応のヤレもあるが、BOSEのオーディオシステムや脱着ガラスのケースも含めてファクトリーオリジナル。近年では内装の細かなレストア用のパーツも続々とリリースされている。


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載

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