塗装よりも着地が先!コンストラクションで乗り倒す!

SUV

シボレー

アメマガ2021年8月号

ラットスタイル

C1500

ヤレこそ粋なラットスタイル

サバーバン

1988 CHEVROLET C-1500
1995 CHEVROLET SUBURBAN

RUSTY ヤレこそ粋なラットスタイル


1988 CHEVROLET C-1500
1995 CHEVROLET SUBURBAN

塗装よりも着地が先!コンストラクションで乗り倒す、リアルUSな乗りこなしが粋なブラザーインロー!

ラットにも色々存在して経年劣化でヤレや錆を楽しむ者もいれば、サフ状態の未塗装、いわゆるコンストラクションスタイルで乗りこなす者もいる。彼らはその後者。見てくれよりもスラムドに魅了された若きオーナーたちに迫る。

やれることは自分でやる! 自分でやるから面白い!!

奈良県某所でナイトミーティングを企画するTAKUMAさんのサバーバンをSNSで見て、今回のラット企画にピッタリだと思い連絡をしたところ、「実はつい最近嫁の弟もラットなC1500に乗り初めたんです!」と朗報を受けて2台纏めて取材を決行することとなった次第。待ち合わせ場所のコンビニで待っていると、TBI特有のドロドロとしたエギゾーストサウンドを轟かせて2人が登場。年齢を聞くと27歳と21歳。あまり歳の変わらないサバーバンと、自分より年上のC1500に乗るという心意気は実に好印象。

1988 CHEVROLET C-1500 1988 CHEVROLET C-1500

元々はTAKUMAさんがラットにカスタムしたBb、義弟のSEIGOさんはVIP仕様のレクサスLS460をを愛用しており、TAKUMAさんがサバーバンに乗り変えたのに影響を受けて、SEIGOさんもC1500に乗り出した。しかし、ここで問題発生。サバーバンは余裕で家族を乗せられるけれどC1500は3人乗り。


若くして2児の父であるSEIGOさんは思い立ったら即行動なスタンスなので、乗車定員とかあまり考えずにノリと勢いでサクッと乗り変えてしまった。幸いにも1歳と0歳の乳幼児なので、まだ考える余裕がある。いずれはファミリー用にもう1台用意するつもりだが、現状はこのベンチ一列シングルキャブのC1500がファミリーカー。


購入した当初は白サフ状態でドアも朽ちかけていたが、さすがにラット過ぎてキツイと購入直後にTAKUMAさんや仲間と共にマットブラックにペイント。そのままドアサイドシルカットに4インチボディドロップ、工程わずか1週間で完全着地スタイルへと仕立てた。

1995 CHEVROLET SUBURBAN 1995 CHEVROLET SUBURBAN

一方兄のTAKUMAさんは、根っからのUSフリークで、Bbをサイオン仕様にコンバートしつつラットカスタムに勤しんでいた。サバーバンへのステップアップは今から5年ほど前、先輩たちの乗るアメ車やSNSを通じて本国のカスタムカルチャーに影響を受けて乗り換えを決意したと言う。


ベースの状態で4輪独立エアサスはインストール済だったが、スラムド具合が物足りず仲間たちと一緒に潔くボディを切り刻み、4インチカットのボディドロップを敢行。サイドシルまでしっかりカットして完全着地をDIYで実現させた。着地がキマったところで次に着手したのは前後バンパーだ。フロントは純正を加工して一段落とし込み立体的に造型し、リアは一枚物の鉄板を曲げて溶接してデザイン。行き場を失ったナンバープレートは本国のSNSで同じようにゲート部分へ斜めに取り付けているタホを見つけてスマホの画面越しに真似て施工。


さらにはフェントムグリルの両サイドコーナーマーカー部分を埋めるなど随所にマニアックなカスタムが際立つ。元々黒ベースだったボディは独特な色味のイエロー系とリアルにパテで補修中のグレーサフを織り交ぜたコンストラクション。


製作途中でも乗り回す本国のカーカルチャーに魅せられて、コツコツと週末に製作を進めては、そのままピットに眠らせることなく自宅へ乗って帰ってそのまま平日に乗り回す。何でもプロ任せじゃ面白くない。クルマを製作するプロセスも含めてカスタムカーカルチャーであることを、若き2人から教わったのは言うまでもない。ラットと一言で片づけられないストーリーとは、まさにこの事だ。

1988 CHEVROLET C-1500

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白サフのラットからマットブラックへ兄や仲間と塗装したボディは、屋根をはじめ所々が大雑把な仕上げとなるが、それもいい風合いを醸し出すアクセントとなる。1988年型のフェイスは角目4灯のK5譲りの硬派な表情で、クリーンなライトやレンズ類が精悍さを際立たせる。ボンネットダンパーは存在せず、代わりにワンオフのポールを製作して固定するワイルドさも粋。

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着地すべくベッド部分は潔く剥き出しのスタイル。ベースのエアサスはそのままにCノッチフレームのワンオフ加工やガソリンタンク移設というよりも仮設状態ではあるが、こうした工夫を凝らしつつも製作途中のまま乗り回すのがコンストラクションの醍醐味。いずれはキッチリとレイアウトして完成させていく。その過程も楽しむのが粋。

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6:4分割式のモケットベンチシートに旧インパネのアナログな雰囲気がクールなインテリア。妻と子供1人なら何とかイケそうだけど、さすがに子供2人はキツイ(笑)。

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OWNER : SEIGO

1995 CHEVROLET SUBURBAN

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のっぺりとした表情になりがちなファントムグリルは両サイドコーナー部分をスムージングしつつ、バンパーアンダー部分をえぐって立体的にデザイン。どことなく昔のハイラックスのメッキ部分をモチーフにしたような、新鮮なのにどこか懐かしい雰囲気が個性的。ホイールは現状クロームの22インチだが、いずれはビレットホイールに変更したいとのこと。

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ビレットスペシャリティーズのステアリングは革巻きなしの剥き出しスタイル。夏は暑く冬は冷たくて握りにくく滑るため、専用グローブを常に愛用。日本では珍しいが本国では割とメジャーなアイテムで今となっては貴重な当時物のビレットパネルも特筆物。ちなみにバドワイザーのシフトノブは友人が渡米した際にお土産として買ってきてくれた思い出の品。

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OWNER : TAKUMA


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 8月号掲載


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