C7コルベットは伝統のFRとしては最後のモデル
2016y CHEVROLET CORVETTE Z51
THE PICK UP TEST DRIVE
2016y CHEVROLET CORVETTE Z51
ファントム秘蔵のお宝C7を公開!
2014年に第7世代のコルベットとして登場したC7コルベット。ミッドシップエンジンの新型C8の登場で、伝統のFRとしては最後のモデルとなった。それだけに、今後C7の価値が上昇することは間違いない。今回は、ファントムが秘蔵する僅か1600km走行のC7を試乗紹介しよう!
コルベットファンから賛否両論のC8、伝統最後のC7が今後注目される
GMの現行フルサイズバン、ピックアップトラックをメインに販売する埼玉県春日部市のファントム。当然ながら今回も、それらのモデルが登場するかと思いきや、ショップから提案されたモデルは16年型シボレー・コルベット・Z51。たまたま下取りで入庫した車両と想像してしまうが、実はこのC7、代表・岡田氏が趣味で3年前に購入した個人所有車両。自宅ガレージに保管され、驚くことに走行距離がなんと1600kmたらずの超極上車だ。
C7コルベットは、2014~2019年に生産された第7世代モデル。正式なネーミングとして、68年型C3以来となるスティングレイの名前も付けられるなど、コルベット伝統のエッセンスを残しながら、革新的にリニューアルされた。ただ、伝統の丸形テールレンズがカマロをイメージさせる角型デザインになったことが、ファンからは少々不評だったようだが…。
そして2020年、8世代目となるC8が登場。大きな話題となったのは、66年間守り続けてきた伝統のFRを廃止し、ミッドシップ化したこと。世界のスーパーカーに対抗するスタイリングになったワケだが、コアなコルベットファンからは批判的な意見も多いのも事実。そうしたことから、コルベットの伝統を残す最終モデルとして、C7の価値が見直されている。つまり、ファントムの低走行C7は、まさに秘宝。お宝の詳細を、じっくりと見ていこう!
IMPRESSIONS 一般道では能力は発揮できず…走行安定性は恐ろしく高い
466hpのC7 Z51を一般道で試乗とは、なんとも物足りないシチュエーション。案の定、アクセルの半分も踏んでいない。にもかかわらず、クルマはどこまでも加速していくから、楽しくもあり、ちょっと怖い。やや速度を落とし突入した大きなコーナーでは、なんの車体ブレもなくビシっと突き進む。これぞ注目のC7のボディ剛性。自分の運転が上手くなった感覚を持ってしまうが、もちろんこれはC7だからこそ。今ではC7よりも馬力が高いスポーツモデルが多く存在するが、それでもC7は別格な走行を見せてくれる。
REVORIXフルエアロを組み込んで刺激的なフォルムへ
ファントム秘蔵のC7コルベットは、ガレージ保管されて走行距離が1600kmという、コンディション的には新車に近い。さらにREVORIXのフルエアロを装着し、刺激的なフォルムへ仕上がっている。
ガレージ保管で最近は観賞用だった!?
今回の16年型シボレー・コルベット・Z51は、ファントムの岡田氏曰く「購入した後、数百km走ったきりで、最近は観賞用としてガレージに置いたまま」と、購入後の3年間のほとんどはガレージ中で過ごされた。それ故に、5年落ちで1600kmという走行距離は、もしかしたら日本のC7のなかで一番低走行かもしれない。外装には飛び石などの傷一つなく、内装をくまなく見ても傷やヘタリを見つけることはできない。
Z51は、スタンダードモデルに対し、CPUチューンや専用の強化ブレーキ、強化サスペンション、マグネティックライドコントロール、ドライサンプシステム、電子制御LSDなどが装備されたチューニングモデルだ。ホイールは前後ともに1インチアップされ、F/19、R/20インチとなる。エンジンはスタンダードと同型の6.2ℓ V8のLS1。C7の初期モデルはミッションが6ATとなるが、撮影車両は16年型であるため8ATを搭載する。
ホイールこそ純正を装着するが、C7用エアロでは代表的なREVORIXのエアロパーツ(フロントリップスポイラー、サイドスカート、リアディフューザー、トランクスポイラー)を装着する。 コルベットを愛する、ファントムの岡田氏が大事に保管してきたC7。「大切に乗ってくれるなら…」を条件に、初めて車両に価格を付けてくれた。我こそはと思う方は、ファントムに問い合わせしてみよう。
CPUチューニングが施され、スタンダードエンジンと比べて6hp、0.6kg-mパワーアップしているZ51。C7の発売当初は6ATが設定されていたが、15年イヤーモデルからは8ATへと改良された。6ATでは低速からのトルクが太く発進加速が大きかったが、8ATによってスムーズな加速が行えるようになった。
REVORIXのフロントリップスポイラー、サイドスカート、リアディフューザー、トランクスポイラーを装着する。Z51のホイールはスタンダードモデルと比べ、1インチアップ(F/19・R/20)されている。 撮影車両はディーラー車となり日本語対応。ウェザー、エコ、ツアー、スポーツ、トラックの5種類のドライブモードを選べる。ソフトトップの幌は電動でシート後方に収納される。コンバーチブルに必需品のシートヒーター、シートクーラーは標準装備。中央に配置されるコルベットエンブレムは、コルベットファンにはたまらないデザインだろう。
SPEC 全長×全幅×全高● 4510×1880×1230mm ホイールベース● 2710mm エンジン● V8 排気量● 6.2L 最高出力● 466hp/6000rpm 最大トルク● 64.2 kg-m/4600 トランスミッション● 8AT
試乗SHOP:PHANTOM【ファントム】
所在地/埼玉県春日部市金崎656-1TEL/048-745-4446
URL/http://www.phantom.co.jp
営業時間/10:00~20:00
定休日/年中無休
埼玉県春日部市の国道16号沿いにあるファントム。エクスプレスやサバナの高年式モデルに加え、近年ではハイエースにもチカラを入れている。フルサイズバンのほかにもGM 系トラックも多くそろえ、多様なグレード展開を行なっているのがポイントだ。豊富なパーツ販売も行なっているので、そちらも注目したい。現在本国で唯一販売されているフルサイズバンのシボレー・エクスプレス、GMC・サバナに加え、現行のシルバラード、シエナの4車種がファントムのメイン販売車種となっている。
写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 9月号掲載
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