無我夢中で寝る間を惜しんでシボレーC-10に傾けた情熱を密着レポート!

ピックアップトラック

シボレー

大阪府

アメマガ2022年3月号

ナオキモータービルド

C-10

AMERICAN CUSTOMS

1970 CHEVROLET C-10

AMERICAN CUSTOMS


1970 CHEVROLET C-10

平成生まれの若きビルダーが担う Next Generation C-10 Kustom!

平成5年生まれの28歳、1993年と言えばO.B.S全盛期のTBI世代。そんな若いビルダーが遥か年上のスクエアボディを相手に奮闘。結婚して第一子が産まれようとするなか、無我夢中で寝る間を惜しんでC-10に傾けた情熱を密着レポート!

事故をキッカケに一念発起、寝る間を惜しんで没頭!

2019年にトラックマスターズ会場へ向かう道中、お客さんがシェベルへ乗り換えるタイミングで受け継いだ1970年型のC10で事故を起こしてしまい、右フェンダーと足回り、ホイールにフレームまでダメージを喰らったナオキモータービルドの若きビルダー藤本氏。通称〝フジモン〟で親しまれる彼が、お調子者と揶揄される一方で、ひた向きに真面目に2年かけて取り組んできたのが紹介する次世代C10カスタムだ。

 

20代後半に差し掛かり、代表の宮田氏と二人三脚だった同社にも、ジュン君と言う二十歳そこそこの後輩が増えた。いわば中間管理職として「俺もやったらできるんや! といった所を見せつけてやらねば!」そんな想いか否かはさておき、通常業務はしっかりとこなした上で、勤務時間外となる休日や深夜、早朝に時間を作っては黙々と作業に勤しんできた。

 

その間、結婚して子宝にも恵まれ、目標である横浜のホットロッドカスタムショーの開催時は既に臨月。もういつ生まれてもおかしくないタイミングで気が気じゃない中でも、やると決めたら中途半端じゃ終われない。「恥ずかしい姿でエントリーするのはダサい!」と、爽やかなルックスとは裏腹に昭和の頑固オヤジ的なスタンスで、無我夢中になってイメージするC10へと製作していく姿を、夜な夜な家でビールを呑みながらSNS越しに見ていた筆者は、凄く感化された次第。

1970 CHEVROLET C-10

それはさておき、彼の製作イメージはズバリプロツーリング仕様。今までに見てきたエアサスによるドロップドスタイルとは異なる、コイルオーバーのライドテックによる生足でストリートを走るイメージだ。見た目にエアサス導入車両のようなロワードフォルムではあるが、アッパー&ロアアームをGSIに変更してエンジンと路面のクリアランスを確保したフロント純正フレームに、後方のGSIフレームをドッキング。

 

四駆業界で言うアプローチアングルの逆転的発想で、リアバンパーへ向けて傾斜を付けることで路面との干渉を巧みにかわすアルミガソリンタンクの加工や、リアドラムからフロント同様にディスクブレーキ化して制動力を強化。さらに6速マニュアル化と走りに特化した仕立てが際立つ。

 

本国ではこの手のクルマでジムカーナなどを楽しむオーナーも多く、日本ではあまり馴染みのないプロツーリング仕様に敢えて挑むことで、他のビルダーとは異なる独自の需要が見いだせるのではと情熱を注ぐ。

DSC_5776

ちなみにラックアンドピニオンのクィックなステアリング動作を想定してマスタング2用を導入。TREMECでオーダー中のプロペラシャフトが本国から届けば、テストドライブも可能となるので、この辺りの効果も是非聞かせてもらいたい。まだまだアンフィニッシュ状態ではあるが、意図するイメージは充分に感じ取れるまでに進化したC10。

 

逆に今だからこそしっかりとフレームや足回りを紹介できる。ある意味、このタイミングで本誌に登場することが、彼の労力が報われる一番の評価ではないだろうか。

DSC_5778 DSC_5777 DSC_5783 DSC_5786

フロント側はC-10純正フレームでベッド部分がGSIのフレームと、異なるフレームをドッキングさせたワンオフオリジナルフレーム。色味は青に合うようにガンメタリックで塗装を施し、リーフスプリングからライドテックのコイルオーバーサスペンションへと変更。純正に比べてナローな骨格となったことで装着するホイールの選択肢も大幅に広がる。

 

ガソリンタンクは既存のアルミタンクにブラケットを新調、フレームに合わせて溶接をやり直して、下側のクリアランスをリアバンパーに向けて大きく取れる様に計算してインストール。寸法を測って直接本国オーダーしたTREMEC のプロペラシャフトが届けば、いよいよ自走可能な状態へ一歩前進する。早く走らせてみたいと到着を待ち望んでいるそうだ。

DSC_5765 DSC_5771 DSC_5791

バドニックの20インチはフロント8J、リア10Jで宮田氏が大切に保管していたモノを譲り受けたモノ。リアドラムブレーキから12インチローターの4ポッドブレーキキャリパー化することで、もう二度と事故を起こさない様に、多少豪快に走らせてもしっかり止まれるように配慮する。

DSC_5827 DSC_5828 DSC_5830 DSC_5832 DSC_5821

エンジンは前オーナーがしっかり手を入れてグッドコンディションを誇る350を搭載。ウィルウッドのブレーキマスターシリンダーや大型アルミラジエター、電動ファンによるクーリング対策も万全。ビレット削り出しのボンネットヒンジがそそる! また、この年代には珍しいカウルボンネットフードもプロストリート仕様には映えるシルエットとして好印象。

DSC_5803 DSC_5815 DSC_5804 DSC_5809

IDIDITのコラムを入れてステアリングの角度調整もクイックかつベストなドライバーズポジションへ。TMI PRODUCTSのシートは購入当時6速マニュアル化を想定していなかったのでベンチタイプをインストール。いずれシフト周りからナチュラルな造形でセンターコンソールを製作する予定だ。

OWNER:Shoki Fujimoto


Naoki Motor Build【ナオキモータービルド】

TEL:072-236-7300
HP:https://naoki-mb.co.jp
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2022年3月号掲載

関連記事

RELATED


ナオキモータービルド流の走りに特化した仕立てでアレンジされたC-1500

1997 CHEVROLET C-1500

デューリーに魅せられたコレクターのコレクション

ポリス仕様を筆頭に、過去に何度もマニアックなOBSカスタムをナオキモータービルドと共に手掛けてきたコレクターの鈴木さんが遂にデューリーカスタムへ。そのこだわりっぷりと魅力を一挙公開!

【エルカミーノ】クーペのごとき流麗なスタイル、いかにもアメ車らしいセダンピック

ピックアップ大国であるアメリカが生んだセダンピックアップの代表格であるエルカミーノは、1959年の誕生から1987年まで生産された名車。その中でもSSの称号を持つビッグブロック搭載モデルの1970年型は特別な存在だ。

やり尽くしたOBSで令和の時代を走る贅沢!

シンプルにオリジナル志向で乗っても、ガッツリカスタムして乗っても様になるOBS。中でも当時のカスタムカルチャーを色濃く残した個体は、マニアの間でも人気急上昇中。紹介するC-1500ファントムデューリーはまさに、1990年代のカスタムシーンを彷彿とさせるマニア必見の個体だ。

シンプルながらもワイルドなストリートリフトスタイルを具現化させたシルバラード

AMERICAN 4X4 & TRUCK
CHEVROLET SILVERADO

 

最新記事


2025/04/30

【スーパーアメリカンガレージ2024】アメ車に囲まれて過ごす有意義な時間は格別

イベントレポート

SUPER AMERICAN GARAGE 2024
7th Apr 2024
朝霞の森

2025/04/28

プロ仕様の仕上がりを 手軽に実現するアイテム!CMXシリーズの洗車革命!

ボディワーク

OTHER

ショップ

CMXシリーズはマザーズ社が提供する革新的なセラミックコーティング技術を駆使したラインナップで、愛車をより美しく保つためのアイテムを用意している。洗車から保護、そして磨きまで、すべての工程に対応する多機能な商品となっており、手軽にプロフェッショナルな仕上がりを体感できる。

2025/04/26

いつまでも走り続けていたい!ロックな人生にアメ車は不可欠

クーペ

ビンテージ

シボレー

ポンティアック

アメ車の魅力に引き込まれ、複数台所有する人も少なくない。でもマッスルカーばかり…と言う人はレアなケースだろう。

2025/04/25

【チャレンジャーSXT Plus】アウトドアへの相棒はアゲ系のマッスルクーペでアプローチ!

クーペ

ダッジ

好きな映画に出てくるマッスルカーに魅せられて、ソト遊びのクルマにSUVではなく、チャレンジャーを選択。地元関西を中心にダート系のフィールドにも積極的に出掛ける。マッスルアゲ系な仲間がいれば、一緒にキャンプしませんか?

ランキング


2025/04/30

【スーパーアメリカンガレージ2024】アメ車に囲まれて過ごす有意義な時間は格別

イベントレポート

SUPER AMERICAN GARAGE 2024
7th Apr 2024
朝霞の森

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2025/04/26

いつまでも走り続けていたい!ロックな人生にアメ車は不可欠

クーペ

ビンテージ

シボレー

ポンティアック

アメ車の魅力に引き込まれ、複数台所有する人も少なくない。でもマッスルカーばかり…と言う人はレアなケースだろう。