完全ノーマルの4thマスタング、今もなお現存するのは奇跡だ!

オープン

フォード

アメマガ2022年3月号

マスタング

ガレージジョーカー

千葉県

THE PICK UP TEST DRIVE

マスタングGT

1994年に第4世代として生まれ変わったフォード・マスタング。デビューと同時に日本でも販売され、爆発的な人気を得たモデルだ。そんな初期モデルの95年型が、完全ノーマル状態でガレージジョーカーで販売されている。恐らく日本で、完全ノーマルで販売しているのはこの1台のみ。これは本当にラストチャンスだ!

完全ノーマルの4th、今もなお現存するのは奇跡だ!

THE PICK UP TEST DRIVE


1995y FORD MUSTANG GT

高い人気を誇った4代目マスタング、ノーマルの価値は今後も上昇していく!?

バブルに湧いた90年代中頃、輸入車も続々と日本で正規販売され、94年から4代目に生まれ変わったフォード・マスタングも販売が開始された。資本提携を結んだマツダ系列店でも販売され、同クラスの日本車と同程度の価格帯もあって、爆発的な人気を得た。そして04年までマイナーチェンジを繰り返し、05年には新世代マスタングへ生まれ変わる。

4thマスタングは、10 年間新車ディーラー車として販売され続けたので、長い間全国のカーショップには新車同然のノーマルモデルが並ぶ光景も見られたが、さすがに2022年ともなればその姿を見ることはほとんどない。まして初期型ともなれば、朽ち果てた状態か、コレクションとして保管しているオーナーの手元にあるかだろう。

しかしガレージジョーカーには、完全ノーマルの95年型マスタング・GTが、驚くべきコンディションを保ちながら販売されている。しかも、初期型でもたった2年だけ販売された5.0ℓ V8・OHVエンジンという、レアエンジン。もっといえば、ワンオーナー車で、走行距離は約7万kmだ。

 

ガレージジョーカーがこんなレアマスタングを手に入れて販売するワケは、4thマスタングが代表の小川氏の20代の思い出のクルマということに尽きる。

 

販売はしていないが、カスタムされた4thマスタングは今も大切に保管しているほど。そんな小川氏が「この状態を保っているのは奇跡」と語る今回のマスタングは、本当に希少性が高い。27年前の最高に輝いていた時代のマスタングを、ビカビカの状態で乗る最後のチャンスかもしれない。

IMPRESSIONS
マスタングはスポーツカーではない、あくまでもカジュアルに乗る

現行型などに慣れていると、どうしても加速感などは物足りなさを感じてしまう。が、マスタングは元来スポーツカーではなくスペシャリティカー。気持ちよくカジュアルに走るモデルということを、再確認してから乗ることをオススメする。かと言って、ストレスを感じるほどパワーが無いわけではなく、中速域からは流石の速さを体感できる。サスペンションやブレーキ制動も気になる点もなく、27年前というネガティブな印象は感じられない。やはりオープンは気持ちがいい。でも、できれば冬じゃなく、温かい時期に走りたかった…。

当時では希少な存在だった4人乗りコンバーチブル

当時高い人気を誇った4thマスタングのなかでも、4人乗れるコンバーチブルの人気が断然高かった。94~95 年の初期モデルだけに設定された5.0ℓモデルは、丈夫でメンテナンス性が高い知る人ぞ知るエンジン。この組み合わせだけでも狙い目な上に、完全ノーマル、ワンオーナー、走行距離7万kmは本当にレアだ。

初期のみ設定された5ℓ V8・OHV

マスタングの黎明期とも呼ばれる先代からモデルチェンジし、1994年に第4世代となったマスタング(初代の扱いで第5世代とも呼ぶこともあるが)。クーペとコンバーチブルの2つのボディタイプがあり、2シーターが一般的だった当時、コンバーチブルで4人乗りは画期的だった。

 

日本でも正規販売がされ、3.8ℓV6、5.0ℓ V8 OHVエンジンがラインナップ。しかし正規モデルでは、5.0ℓが95年を最後に消滅し(本国では継続)、4.6ℓ V8・DOHCに置き換わった。つまり今回のモデルは、2年だけ存在した5.0ℓモデル。最高出力は4.6ℓと変わらないが、メンテナンス性でいえば圧倒的に5.0ℓが優れているとされる。99年型でビッグマイナーチェンジがされ、フェイスデザインが変更。年々改良がされ、第4世代は04年まで続く。

今回のマスタングの特徴は、希少なエンジンもさることながら、完全ノーマル(ヘッドユニットのみ変更)のディーラー車というところだ。流石にフロントシートには経年劣化が見られるが、これは使用レベルだし、内外装ともに大きなキズもない。ベージュの幌は、わずかな汚れこそあるものの、新品同然の色合いを保っているのに驚く。もちろん機関系も良好だ。

 

27年前のクルマがワンオーナーで、走行距離が7万kmということから、本当に大事にされていたのがわかる。実際に生で見れば、その状態の良さに納得するはずだ。

ボディカラーは純正のディープフォレストグリーンメタリックで、ソフトトップも純正のベージュ。大きな傷や汚れもなく、27年の経年劣化はまったく感じない。当時、並行輸入された前期型4thマスタングもあるが、外観上での違いは、可倒式サイドミラー、サイドマーカー、オーバーフェンダー、テールライトウインカーオレンジが日本正規モデルならではの装備だ。

第4世代の日本正規モデルの初期エンジンは、グレードのSとGが3.8ℓ V6、GTが5.0ℓ V8・OHV(215hp) を搭載する。96年にGTは4.6ℓ V8DOHC に置き換わり、5.0ℓ V8 は正規モデルから消滅した。ホイールは純正の17インチ。ホイールは社外に交換されやすいパーツなため、しっかり純正を履いているのは本当に価値が高い。

当時コンバーチブルで4人乗りは珍しく、販売台数もクーペよりもコンバーチブルが上回った。ソフトトップの開閉は電動で、サイドブレーキを掛け、サンバイザー上のロックを外し、ボタンONで作動する。99年にビッグマイナーチェンジが行なわれたが、基本的に外装部分が変更されたのみで、内装は94~04年型でほぼ同じデザインだ。今回のマスタングは完全ノーマルと謳うが、唯一交換されているのがオーディオヘッドユニット。これは大目に見て欲しい…。


SPEC

全長×全幅×全高● 4615×1860×1390㎜ ホイールベース● 2570㎜ エンジン● V8 排気量● 5.0ℓ 最高出力● 215hp/4200rpm 最大トルク● 39.4㎏ -m/3400rpm トランスミッション●4AT


試乗SHOP:GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】

所在地/千葉県銚子市四日市場町238
TEL/0479-25-7740
URL/https://www.garage-joker.com/
営業時間/10:00~19:00
定休日/火曜日

高品質なアメ車販売、本国仕入れのアメリカン雑貨でお馴染みのガレージジョーカー。車両展示&雑貨販売するショールーム、鈑金塗装・整備を行なう工場に分かれていたが、ショールームを工場に集約移転してリニューアル。雑貨が並ぶ店内はアメ車ショップであることを忘れさせる雰囲気。


写真&文/相馬一丈
アメ車マガジン 2022年3月号掲載

関連記事

RELATED


後悔のない人生を送るため、ずっと憧れていたマスタングの購入を決断。

たった一度の人生、後悔なく生きる。よく聞くことのある言葉だが、一度死を覚悟し生還した人の口から聞くと、その言葉の重みは全く違う。生存確率40%という大手術を乗り越えたTAKAさんは、後悔のない人生を送るため、ずっと憧れていたマスタングの購入を決断する。

リバイバルカスタムした4thマスタング

1995 FORD MUSTANG

マスタングは人生の原動力、そして人と人の絆も紡ぐ

新しい事を始める時は期待と不安が交錯するが、その一歩を踏み出さないことには、違う世界は見えてこない。この春、初めてアメ車を手にする女性オーナーたちを紹介しよう。

【インフィニティQX56】手頃な価格で購入できるプレミアムSUV

90年代を中心に高品質な車両を扱うガレージジョーカーだが、近年は2000年代の車両も多く扱う。今回紹介する08年型インフィニティ・QX56もその一台で、手頃な価格で乗れるプレミアムSUVとして注目だ。

【フォードマスタングGT】派手さの中に垣間見える、繊細な拘りも見逃せない

日本のカスタム技術をフルに取り入れ、SEMA SHOW出展を果たしたジェットシティのマスタング。その雄姿に触発され、「世界基準」のマスタングに乗るべくジェットにカスタムを依頼したオーナーさん。その全貌が遂に公開された!

 

最新記事


2025/08/15

アメ車マガジン2025年10月号 絶賛発売中!

雑誌

アメ車マガジン2025年10月号 絶賛発売中!

2025/08/14

カマロと出会ったことで人生がより鮮やかになった【カマロLT RS】

クーペ

シボレー

クルマを選ぶ時に、エクステリアデザインは一番気になるところ。もちろんそれも重要だけど、カマロの名前の由来を知ったことで、俄然愛着が湧いたという心尋(みひろ)さん。クルマは移動手段でなく「相棒」のような存在だと語る。

2025/08/12

一度は諦めかけたが夢を追いかけ理想の家に辿り着く

HOUSE

某ハウスメーカーでサーファーズハウスの建築を目指していたが、理想の形を追い求めていくと建築費用は膨れ上がっていった。現実を知り諦めかけたが、インスタで見たハウスメーカーにダメもとで電話すると…。再び理想の住宅計画が動き出す!

2025/08/07

マスタングは人生の原動力、そして人と人の絆も紡ぐ

クーペ

アメマガガールズ

フォード

新しい事を始める時は期待と不安が交錯するが、その一歩を踏み出さないことには、違う世界は見えてこない。この春、初めてアメ車を手にする女性オーナーたちを紹介しよう。

ランキング


2025/08/14

カマロと出会ったことで人生がより鮮やかになった【カマロLT RS】

クーペ

シボレー

クルマを選ぶ時に、エクステリアデザインは一番気になるところ。もちろんそれも重要だけど、カマロの名前の由来を知ったことで、俄然愛着が湧いたという心尋(みひろ)さん。クルマは移動手段でなく「相棒」のような存在だと語る。

2020/06/28

クーダはプリマス・バラクーダの中でも尖ってるモデル

クーペ

ビンテージ

プリマス

1971 PLYMOUTH 'Cuda 383 & 1970 PLYMOUTH 'Cuda 440

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger