サブライムグリーンの74年型チャレンジャーと72年型チャージャーラリーパッケージ
1972 Dodge Charger Ralyle Package
1974 Dodge Chalelnger R/T
THE VINTAGE 色褪せることなく魅せる、その風合いがたまらない!
1972 Dodge Charger Rallye Package
1974 Dodge Challenger R/T
モパーの魅力を体現する超絶人気車!
最近のクルマにはない個性的なスタイリングや、ダウンサイジングとは無縁な大排気量エンジンなど、ビンテージアメリカンの魅力は語り尽くせない。そんな中でもマッスルカーは、映画の影響もあって、世界的に見ても人気が沸騰中だ。
オリジナルにこだわるかパフォーマンスを求めるか
アメ車やUSトヨタなど、国産車にはない個性的なクルマを積極的に販売するオートギャラリー東京。どちらかと言うと現行モデルを数多く扱う印象があるが、実はビンテージモデルも扱っていない訳ではない。今回のビンテージアメリカン特集に合わせた訳ではないが、まさにベストタイミングでカリフォルニアからこのチャレンジャーとチャージャーが上陸したので、紹介しよう。
まずはサブライムグリーンが目にも鮮やかな、1974年型のチャレンジャー。一見すると車高を下げているだけで、スタイリングはほぼノーマルの様に思うかもしれない。だがホイールの奥を覗いてみると、前後共にドリルドスリットローターが! 実はこのチャレンジャーには、バイパーSRT10のブレーキユニットが移植済み。しかも、リアサスペンションはリーフから独立懸架へアップデートが図られている。
「ビンテージカーが欲しいけど、現代車の走りを知ったらやはりブレーキはちょっと弱いし、毎日乗るのは疲れてしまいそう…」と言う声が聞こえなくもないが、しっかりしたブレーキや、リーフとは桁違いに高い路面追従性を実現しているので、前述した様な不安はまったくないと言えるだろう。
往年のスタイルや、良い意味でのバイブレーションはそのままだが、クルマとしての安全性を向上させたのがこのチャレンジャー。ビンテージモデルと現代車の良いところを組み合わせた、ちょっとズルいクルマかも知れない。
そんなチャレンジャーに対してチャージャーは、ちょうど半世紀前に製造された1972年型。50年も経過していたら走行距離はさぞ…と思うかもしれないが、まさかの6.9万kmとのこと! まさにタイムスリップしてきたかの様な低マイレージ車で、よくぞまぁ、こんな個体が見つかったもの。オートギャラリー東京も「奇跡の1台」と言うだけのことはある。
チャージャーは、映画のせいでコンシールドタイプの人気が高いが、保安基準の変更で70年型からは丸目4灯にフェイスリフトを実施。モパーらしいワルな顔からどことなく愛らしいスタイルに変わったので、この辺りは好みが分かれるところだろう。ちなみにエンジンフードにはパフォーマンスペイントが施されており、ラリーパッケージという装備も備わる。
ほんの10年ほど前までなら、ちょっと頑張れば手が届いたプライスであったビンテージマッスル。だが今や、高嶺の花と言ってもおかしくない存在へとシフトしてしまった。残念ながらここから価格がダウンすることはまずあり得ないので、本当に欲しいなら今がラストチャンスと言えるかも知れない。しかも、同じコンディションの個体は2台と見つからないだろう! それらを考慮するなら、取るべき行動は1つだけ!さぁ、どうする?
1974 Dodge Challenger R/T
フロントフェイスは71年モデルへとコンバートされ、タイヤはミッキートンプソンで、フロントは26×10.0R18、リアは28×12.0R18を装着。バイパーのブレーキを移植するため、大径ホイールに変更。バイナルトップやフロントリップなども装備。オーソドックスなスタイルだが、中身はまるで別物のクルマだ。
フロントサスペンションはオリジナルのままだが、リアはリーフリジッドから独立懸架式コイルに変更。現代的な乗り味に進化しており、マッスルカーに恥じない走りを実現。
エンジンは340・V8エンジンを搭載。MOROSOのヘッドカバーだけでなく、キャブレターやインテークはエーデルブロック製に交換。K&Nのエアクリーナーにロングチューッブのへダースも装着しており、エンジンのポテンシャルを引き出すカスタムは、ほぼ一通り施されていると言えるだろう。
インテリアはオリジナルをほぼキープするが、ハンドルロックなどを装備。またインテリアはブラックとウッドのコンビとなる。シートもリフレッシュ済みで、新車同然と言える。
1972 Dodge Charger Rallye Package
1970年のモデルチェンジ以降は、固定式のヘッドライトを採用。これによりフロントマスクの印象が大きく変わったと言える。ボンネット中央の盛り上がりを強調する、パフォーマンスペイントを施す。
サスペンションは当時としては一般的な方式。フロントは独立懸架方式、リアはリジッド式リーフスプリングとなる。乗り心地が良いとは言い難いが、味はある。
チャレンジャーと同じく、340を搭載。ラジエーターは26インチサイズを装備しており、熱対策も万全。エーデルブロックのキャブやTAYLORのプラグコードに交換済み。さりげなく、一通り手が加えられている。
インテリアはフルオリジナルをキープ。727トルクフライトトランスミッションを組み合わせる。当初は6 連メーターを採用していたが、1971年以降はこの車両のように、大型の4連メーターに変更されている。
AUTO GALLERY TOKYO【オートギャラリー】
TEL:042-799-5222HP:https://www.autogallery.co.jp
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2022年4月号掲載
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