リンカーンコンチネンタルマークⅣはスーパーリッチ感に溢れた、アメリカらしい2ドアクーペ

クーペ

リンカーン

アメマガ2022年6月号

フォードで駆けろ

コンチネンタルマーク4

パーソナルラグジュアリーカーの頂点としてアメリカを象徴する存在のリンカーン。中でもコンチネンタルMark IVは、スタイリング、装備など、総合的に現代の基準でも通用する極めてゴージャスなモデル。

美しいスタイリングが眩しい、フルサイズパーソナルクーペ

フォードで駆けろ!輝きを放つブルーオーバル


1973 LINCOLN CONTINENTAL Mark Ⅳ

前後のオーバーハングが長く極端にロングノーズ&ショートデッキなフォルム

リンカーンはフォードの最上級ブランドとして、エイブラハム・リンカーン大統領にちなんで名付けられたアメリカを象徴する存在。

 

GMのキャデラックとは創設者が被るなど密接な関係にあり、現在でもライバル同士である。ニーズの多様化、利便性や経済性など、総合的な性能を追求する中で、現代のライフスタイルやトレンドにマッチするSUVはとにかく人気。97年にはリンカーンからフルサイズSUVであるナビゲーターをリリースし、ヒットとなった。それを機に、近年ではどのブランドも最上級モデルは高級SUVというのが完全に定着している。

 

しかし、90年代以前のフラッグシップモデルといえば世界的に箱型セダンが主流だった。中でもコンチネンタルに代表される1970年前後のフルサイズパーソナルクーペは、スタイリングの美しさ、現代でも通用するスペックや快適性を備えている点や、アメ車ならではのラグジュアリーなテイストが再評価されている。

元々はリンカーンよりも上級ブランドとして独立していたコンチネンタルは、59年にリンカーンに統合され、オリジナルから派生したコンチネンタルタイヤ・トランクリッドのデザインは、コンチネンタルマークⅡから最終のリンカーンマークⅧまで各世代でさまざまな形で採用されている。時代が反映されたリッチなデザインのフルサイズ2ドアクーペは、マッスルカー同様にアメ車らしさに溢れていてスバラシイのだ。

最上級モデルとして最先端の技術とトレンドが導入された憧れの存在

フルサイズにして2ドアのパーソナルクーペは、現在の日本では馴染みが薄いかもしれないが、絶頂期の70年代では、最上級モデルとして最先端の技術とトレンドが導入された憧れの存在。日本車と比較すると圧倒的な大サイズながらも2ドアというのがアメリカらしいスーパーリッチ感に溢れている。それでいて、その大きさや車重からは想像できないほどの運動性能を備えているのがポイント。

 

そうした魅力を踏まえて、現車オーナーは当初はマークVまたは78年型サンダーバードを思案する中、並行新規で販売されたこの73年型マークIVと巡り合った。V同様にIVにも魅力を感じていたので即購入。車種からするとオーナーはミドルエイジと想像してしまうが、意外にも20代の若者だったりする。当初はカマロなどのスポーツモデルが好みだったが、アメリカ映画を通してフルサイズ2ドアクーペの魅力にはまったのだ。

現車は73年型とあって、廃ガス規制の影響で200hp程度に抑えられているが、総合的な運動性能では同世代のベントレーやメルセデスにも引けを取らない。7500ccの大排気量V8ならでのスーパーリッチなトルクはドライブする楽しさに大きく貢献している。スタイリング、装備、走りの全てにおいて贅沢さが溢れたセブンティーズフルサイズ2ドアクーペは、最も「アメリカらしい」モデルであることが再認識され、現在は人気、バリューともに高騰している。

5.7mを超える長い全長ながらも2ドアということで、極度のロングノーズ&ショートデッキなスタイリング。ドアの後部から1段上がってトランクリッドとつながるラインによって、ルーフの低さとグラマラスなボディラインが強調される。保安基準に伴ってボリュームを増すバンパーによって全体的に迫力が増している。

 

202hpという数字からすると、巨漢なマークIVには物足りない感じを受けるが、7500ccの大排気量がもたらすリッチなトルクでスイスイと軽快な走りが味わえる。ラグジュアリーカーなだけに排気音も抑えられ、機密性の高い室内は至って静か。車重がもたらすフワッとしたリッチな乗り心地の良さと、スムースで軽快な走りを味わえる。

搭載エンジンの460ci(7.5ℓ)は廃ガス規制によって圧縮比8.1:1、202hp とかなりスポイルされている。ちなみに規制前のマークⅢでは、同じ460ciでも最大365hpを発生する。トランスミッションは3速ATのC6。シートはベンチスタイルなのでシフトはコラム式。

ホイールは純正のスチールリムにハブキャップの組み合わせ。前年のデザインを引き継ぎながらもよりシンプルでモダンな印象。装着タイヤはストックに準じた細みのホワイトリボンで、P225/75R15 のサイズによってオリジナルの乗り味を確保。

一見して分かるアメ車ならではのラグジュアリー感溢れる内装は魅力大。ゴージャスなルックスとリッチな座り心地のシートは明らかにコストのかかった良質なもの。直線基調のメータークラスターのデザインは今見るとレトロフューチャーを感じる。


PHOTO & TEXT:石橋秀樹

アメ車マガジン 2022年6月号掲載


関連記事

RELATED


中学3年でアメ車購入を決意、マスタングを購入してから免許取得を目指す

初々しい初心者マークが貼られるマスタング。オーナーは今春高校卒業を迎える現役高校生のnomustangさん。中学3年のときにアメ車に乗ることを決意し、高校卒業を前にマスタングを購入。しかも免許取得をする前に…。

正規ディーラーと同水準のアフターサービスを誇るFLCなら、安心のフォードライフを送ることが可能だ。

フォードが欲しい!でも正規販売店がないのは不安で、他ブランドにしよう…と決断するのはまだ早い。正規ディーラーと同水準のアフターサービスを誇るFLCなら、安心のフォードライフを送ることが可能だ。

マスタング専門店とも言えるほど、多くのマスタングを販売するガレージダイバン

マスタング専門店とも言えるほど、多くのマスタングを販売するガレージダイバン。様々な世代やグレードを販売していくなかで、積極的に導入しているのがMT仕様。その理由はただひとつ。マスタングで走りを楽しむオーナーが増えているからだ。

F-150をベースに、ラプターマスクにチェンジ!

FORD F-150 RAPTOR STYLE CUSTOM

Fシリーズトラックと兄弟関係にあるブロンコⅡが注目の的

Jeepを意識したコンパクトSUVとして誕生したアーリーブロンコから派生しながらも、ブレイザー、ラムチャージャーに対抗するフルサイズSUVとなったブロンコⅡ。コレクタブルカーとなった初代に続いて、ブロンコⅡはフルサイズトラックに便乗して人気急上昇!

 

最新記事


2024/04/19

老若男女、誰からも愛される、お店のマスコットとして活躍【アーラキッチン】

バン

198号線(河内長野美原線)から一本離れたローカルロードに店舗を構えるアーラキッチン。田園風景に馴染む様に佇む黄色いスクールバス、そして大きなどんぐりの木は、メインストリートからでも一際目を引く!

2024/04/18

自然な流れのボディパーツにカナードを追加で進化を遂げる【エッジカスタムズ チャレンジャー F】

クーペ

ダッジ

日本はもちろん、世界中のチャレンジャーカスタムを牽引するLUXZ。2021年に登場した初のフルバンパー仕様となる「CHALLENGER F」。そのエボリューションモデルが完成したので、早速紹介しよう!

2024/04/17

63年型フォードギャラクシーはホットロッドのシーンでもとりわけ人気の高いモデル。

ステーションワゴン

ビンテージ

フォード

レースのフィールドで活躍した63年型ギャラクシーはホットロッドのシーンでもとりわけ人気の高いモデル。中でもステーションワゴンは、ハイエンドでありながらSUVとしての魅力を備えて西海岸ではサーフ&ロッドのアイコンとしてお馴染み!

2024/04/16

フェイススワップカスタムに新たな息吹を吹き込む

ボディワーク

シボレー・アストロにはGMC・サファリという兄弟車がいたのと同じく、シボレー・C/K、タホ、サバーバンにはGMC・シエラ、ユーコン、サバーバンという兄弟車がいる。その特性を活かしてフェイスを交換することはテッパンだが、さらに別のアプローチが登場!

ランキング


2024/04/18

自然な流れのボディパーツにカナードを追加で進化を遂げる【エッジカスタムズ チャレンジャー F】

クーペ

ダッジ

日本はもちろん、世界中のチャレンジャーカスタムを牽引するLUXZ。2021年に登場した初のフルバンパー仕様となる「CHALLENGER F」。そのエボリューションモデルが完成したので、早速紹介しよう!

2024/04/17

63年型フォードギャラクシーはホットロッドのシーンでもとりわけ人気の高いモデル。

ステーションワゴン

ビンテージ

フォード

レースのフィールドで活躍した63年型ギャラクシーはホットロッドのシーンでもとりわけ人気の高いモデル。中でもステーションワゴンは、ハイエンドでありながらSUVとしての魅力を備えて西海岸ではサーフ&ロッドのアイコンとしてお馴染み!

2024/04/16

フェイススワップカスタムに新たな息吹を吹き込む

ボディワーク

シボレー・アストロにはGMC・サファリという兄弟車がいたのと同じく、シボレー・C/K、タホ、サバーバンにはGMC・シエラ、ユーコン、サバーバンという兄弟車がいる。その特性を活かしてフェイスを交換することはテッパンだが、さらに別のアプローチが登場!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】