426HEMIエンジン搭載の偽りなしのリアルマッスルカー【1968 プリマスロードランナー】

セダン

プリマス

アメマガ2022年11月号

ロードランナー

アローズ

新潟県

THRILL RIDES

ワーナー・ブラザースの人気キャラクターをモデル名に採用したロードランナーは、標準でビッグブロックエンジンを搭載する若者向けマッスルカー。コストを抑えるために快適装備をスポイルしたピュアなマッスルカーの中でも、ベーシックなクーペに426HEMIを搭載した最強コンビネーション車!

THRILL RIDES


MOPARマッスルの中でもトップセールを誇った人気車

1968 PLYMOUTH Roadrunner

レアマッスルの象徴的な存在のMOPARの中でも、消滅してしまったプリマスのモデルながらも取り分けポピュラーな存在の「ロードランナー」。ワーナー・ブラザースの人気アニメのキャラクターをそのままモデル名に採用した若者向けのマッスルカーとして1968年にデビュー。

アニメのキャラクターから真っ先に連想するのは、とにかく素速く走リまくる姿。宿敵ワイリーコヨーテがありとあらゆるアイデアと道具を駆使してロードランナーを捕まえようとするが、ぶっちぎりで逃げられてしまう。

 

実車のロードランナーもアニメキャラ同様に、速さに特化した純マッスルカーとして、標準でハイパフォーマンス仕様の383ci(6.3ℓ)を搭載しているのがポイント。圧縮比10.5:1、ラジカルカムを組み込んで335hpを発揮する。アニメキャラのキュートなイメージに反して、快適装備をスポイルすることで車重と価格をおさえた走りのポテンシャルに特化したピュアなマッスルカーなのだ。Bピラーのあるベーシックな2ドアピラードクーペのみで、ハードトップは後になって追加された。

オプションエンジンとしては、アメリカンV8最強である426HEMIのみがラインナップ。こうした設定からも走りに特化したモデルであることが伺い知れる。ちなみにエアコン装着車は同じ383でも圧縮比10.25:1で330hp仕様となる。メーカーの予想に対して倍以上のセールスとなり、MOPARマッスルでは実売でもトップクラスとなっており、現存率も高い。

大のNASCAR ファンのマッスルマニアが所有するアニアックな個体

当時のカタログから飛び出したようにストックを保持する撮影車は、4万4599台出荷されたオリジナルロードランナーのうちの1台。ハードトップは1万5359台、ピラードクーペは2万9240台。426HEMI搭載車は1109台。68年型ロードランナーのピラードクーペに426HEMIを搭載するAT車であるこの個体は、1/391台となっている。アメリカのクライスラー・レジストリーにも正式に登録された正真正銘のファクトリーオリジナルカーなのである。

 

68年型の純正色は、どれも地味なトーンばかりだが、このミディアムゴールドメタリックも渋い色調でいかにもといった印象。ルーフ、ホイールも含めたモノトーンペイント。全体的に地味で質素な仕様にして、最強の426HEMI搭載車という点で、ロードランナーの本来のキャラクターが最も突出した組み合わせで魅力的!

走りのパフォーマンスありきのチョイス、販売店がペンシルベニアだったり、ファイナルレシオが3.23:1という高速向けな点から、新車時の購入者はNASCAR好きのハードコアなスピード狂(?)と想像してしまう。そして、現在のオーナーも大のNASCARファンで、NASCAR参戦モデルであるロードランナー&チャージャーを複数台所有。

 

工場出荷時のいわゆる“Day1”状態の希少でマニアックなこんな個体なだけに、価値の分かるオーナーのもとに収まっている。

ホイールも含めてモノトーンでまとめられたシンプルなルックス。オプションのフードのブラックペイントによってHEMI がフォーカスされたマニアックな仕様。いわゆる“Day 1” 状態を保持する素晴らしいコンディション。

全体のデザインは地味ながら、こだわりが感じる凝ったディテールがいかにもMoparらしい。写真では分かりにくいが、リアガラスは独創的な湾曲したデザイン。

武骨にして強固なピラードクーペ車でHEMI搭載なのが実質剛健でクール!Bピラーにはオプションのステンレス製のカバーを装備。クォーターガラスはレギュレーター無しで開閉可能な固定式となっている。

工場出荷状態の“Day 1”としてポイントとなる装着タイヤは、標準装備されたレッドストリーク・タイヤ(Firestone SuperSports wide oval/F70-15)。カラードホイール&ハブキャップとの相性も抜群。

NASCAR、NHRAにおいて圧倒的な強さをもたらした426HEMIストリートバージョンは、カーター製シングル4バレルキャブ×2機による8バレル仕様で最高出力425hpを発揮する。大トルクを俊敏なレスポンスで発揮するため、比較的ハイギヤの3.23:1のAT 車であっても、暴力的な加速を味わえる!

ビッグブロック搭載に伴って、トーションバー、スウェイバーはヘビーデューティ。リアエンドは純正品では最大かつ最強の8.75リアエンドに、LSDを組み込んだ“シュアーグリップ”。ファイナルレシオは3.23:1を選択。

歴代RRにおいても取り分け質素な68年型は、オプションも含めてベンチシートのみ。ベーシックグレードにあたるベルベディア用を採用。クラスター内の小径タコメーターと8トラックカセットは純正オプション。


THANKS:アローズ【ALAWS】

TEL:025-250-7391


PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2022年11月号掲載


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