【プリマスロードランナー】マッスルカーナショナルズの引き継ぎがターニングポイント!

クーペ

ビンテージ

プリマス

アメマガ2024年2月号

ロードランナー

AMERICAN VINTAGE

69年型シェベルを愛用してきたオーナーさんがこのロードランナーを手に入れたのが2019年。マッスルカーナショナルズを若い世代に委ねると、お声がかかったタイミングでの乗り換えはある意味、運命!

AMERICAN VINTAGE CAR HEAVEN -米国的旧車天国-


“Ride or Die” 走るか死ぬか?のスピリットで向き合う姿勢

1970 Plymouth Road Runner

2019年にマッスルカーナショナルズの発起人である岡本さんから引き継いだ後、10周年を盛大に盛り上げ、先日12回目の開催を実現させた翔さん。イベント主催者として相応しい愛車が紹介する70年型のロードランナーだ。

 

レモンツイストのボディカラーにスーパーコマンドの383エンジンを搭載、4速マニュアルのナンバーズマッチは自身がアメリカのイリノイ州で見つけて直談判して輸入した思い入れの深い個体。オリジナルの雰囲気を崩さない様に配慮しつつもマグナム500の17インチにインチアップして、車高を2インチローダウン。ダコタデジタルメーターやテールライトのLED化などさり気ないアップデートも実に好印象。

また、NOSロケットに乗ったワイリー・コヨーテをモチーフにM&Kの誠さんに描いてもらったウィンドーのイラストや、本国のマッスルカー乗りたちが愛用するヒットメンバーに感化されてワンオフで装着するなど、本場の雰囲気を色濃く導入する濃厚なアクセントも特筆物だ。

 

内装はサーキット走行時のホールド性を考慮して、ベンチシートからV36スカイラインの純正シートへ換装するなど、飾って眺めるビンテージモパーマッスルではなく、スパルタンに走って楽しむ姿勢が彼の向き合い方である。実はこのロードランナー、2年ほど前に82CUPにエントリーした際にはサーキット場でひっくり返るアクシデントに見舞われている。それでも諦めることなく行きつけのショップ「ハードオン」に持ち込み、ルーフやフェンダーにリプロパーツを使用して切り貼り、フェンダーも板金叩き出しで見事に復元している。

 

周回を重ねていくごとにブレーキが熱を帯びて効かなくなってコーナーへ落下…という恐ろしい体験をしたが、それも経験と前向きな姿勢。街を走らせる時はもちろんセーフティドライブだけど、サーキットは攻めてなんぼの世界。ひっくり返っても蘇生するロードランナー同様、事故しても攻めの姿勢は抑えるどころか、むしろもっと攻めていきたいと旺盛だ。

ちなみに同年モデルのロードランナーといえば、ワイルドスピードのドミニクが愛用することでも有名。劇中ではドミニクがブライアンやレティに度々“Ride or Die”と口にする。走るか死ぬか? そんな彼らの生き様を象徴するかの言葉が、その名のまま日本でミュージック、クルマ、ファッションなどのストリートカルチャーを融合させた新感覚の屋外イベントとして発展しており、その主催者としても翔さんが活躍している。

 

生き様や姿勢、そして色や仕様は異なれど70年型ロードランナーまで同じ。点と点が線で結びつくとはまさにこのこと。映画の様にはいかないまでも、リアルの世界観の中で共感できる点は多い。若い世代がもっとマッスルカーに興味を持つキッカケ作りもしかり、そして乗って楽しむ場を設けることもしかり。次世代のマッスルカーシーンを盛り上げるキーマンとして、彼の存在が多くの若者に与える影響は計り知れない。

モパーマッスルカーの定番であるマグナムホイール。MOPER純正が14インチに対して17インチと大きめの履きこなしと、2インチダウンした車高のバランスはリアフェンダーの被り具合が最高にクール。ワンオフで装着したリアヒッチのユニークなアクセントやテールのLED加工など、細部までこだわりが詰まる。

ワーナーブラザーズのキャラクターがそのままモデル名に採用されたロードランナーは、標準でスーパーコマンド383cuiの4バレル、ビッグブロックを搭載。イエロートップのオプティマバッテリーを合わせるセンスもさすが!

元々はベンチシートだったインテリアにはスカイラインの純正シート2脚に換装。4速マニュアルのスティックシフトは操作性の良い角度と長さでクイックなシフトチェンジが可能。走りに徹した姿勢が随所から感じ取れる。

愛知県でアンティーク、ビンテージ、骨董品のリペアを趣味でやっているOLD FREAKのジュンヤさんと親交も深く、そのロケーションの素晴らしさに撮影場所として提供いただいた。

OWNER:SHO SUGIYAMA


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2024年2月号掲載


関連記事

RELATED


【ダッジチャージャー】ダッジブランドを牽引したイメージリーダー

過去のアメリカ車のほとんどは、市場投入にあたってはコアな理由を持っている。そのなかでも空力とスタイリング、そして兄弟車を持たないという意味では、ダッジ・チャージャーほどマニアックかつ独自の道を歩んだ存在はほかに例がなかった。

半世紀の時を経て熟成された、魅力を放つファーストカマロ

アメリカンビンテージマッスルの中でもっとも知名度の高いメジャーモデルであるカマロ。その初代モデル最終である1969年型をベースとしながらも、絶妙に現代版へとアップデート!

【シェビーⅡノバ】製作途中のまま10年間寝かせていた車両を1年かけて蘇生

旧車道楽とは面白いもので、長い間放置していた個体が原石の様に映ることも多々ある。手つかずのまま放置され続けた個体は、目覚めるキッカケを静かに待ちわびていたかの様に再び息吹を吹き込み、颯爽と駆け抜ける。

歳相応の姿ながら細部まで、綺麗なオリジナル志向【シボレーカマロベルリネッタ】

Z28を筆頭にマッスルカーの代名詞としても捉えられ、プロスピード仕様などにカスタムされた個体が多い1979年型カマロのオリジナルストックを発掘!

やっぱりカマロが大好き!その中でも69カマロが1番かな?

アメ車専門店の中でも、とくにビンテージを豊富に取り揃える東海カーズ。代表の細井さんはプライベートでも複数台所有するほどカマロが大好き。なので今回も、今まで紹介していない個体の登場だ。

 

最新記事


2025/11/06

統一感が生む独自の世界は近未来な印象を抱かせる【ハマーデザイン】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ショップ

ハマーデザインの濱岡氏がアメリカ滞在時に出会ったダニーD氏。彼に亡き今、その遺志を継承し後世に広める者として、様々な作品を濱岡氏は生み出し続ける。

2025/11/04

【FIELD STYLE JAPAN 2025】450社以上が出展するアジア最大級のアソビの祭典

イベントレポート

FIELDSTYLE JAPAN 2025
AICHI SKY EXPO(愛知国際展示場)

2025/10/30

【マッスルカーナショナルズ14】イベントの主役は、1960~70年代のアメリカンマッスルカーたち

イベントレポート

MUSCLE CAR NATIONALS 14
18th May 2025
名古屋港ガーデンふ頭ひがし広場

2025/10/28

夫婦でアメ車!しかもマッスルカー2台という贅沢な選択肢【チャレンジャー&マスタング】

クーペ

ダッジ

フォード

一台はマッスルカーやトラック、そしてもう一台はミニバンやSUVと、夫婦でアメ車2台を所有する方たちの大半はどちらか一方がファミリーカーとして成立するパターンが多い。そんな中、どちらも2ドアクーペのマッスルカー2台を所有する強者夫婦を発掘!

ランキング


2024/12/31

【FORD F-150 LIGHTNING】公道は走行できないですがビジネスのために投入!

ピックアップトラック

フォード

チャレンジャー専門店のラグジ・島澤社長から「F-150のライトニングを、ディスプレイ用として購入したお客様がいますよ」と連絡が。展示するためのクルマってどういうこと? とモヤモヤしながら取材に向かった。

2020/08/31

魅惑のマッスルカー黄金時代:1960年代と70年代の誇り高き車両たち

ビンテージ

人気のあるマッスルカーであるマスタング、カマロ、チャレンジャーに焦点を当て、1969年のシボレー・カマロ、コルベット、フォード・マスタング・ボス429を紹介。性能やコストパフォーマンスだけでなく、美しさや運転の喜びにも注目。

2018/03/27

スラムドは不向きとされるラムバンを極限まで落とし込む

バン

ダッジ

足回り

アストロやシェビーバンなどのGM系バンでは着地スタイルも珍しくはないが、ベースがラムバンとなると車高調でローダウンが限界…。だが、その一歩先を目指し、アキュエアーを駆使してボディメイクを敢行!

2021/01/22

【アメリカNo.1売上】本場が認めるキャンピングトレーラーJAYCOの内外装とは?

キャンピング

キャンピングトレーラーがあれば、あれもこれもとキャンプ道具を積み込むことなく、必要な時だけ連結して、いつでも贅を尽くしたトリップが可能!

そして切り離せば現地でも気軽に周辺の観光スポットを探索できるメリットもある。さぁ、キャンピングトレーラーを始めてみませんか!

Text & Photos|アメ車MAGAZINE