【プリマスロードランナー】マッスルカーナショナルズの引き継ぎがターニングポイント!
69年型シェベルを愛用してきたオーナーさんがこのロードランナーを手に入れたのが2019年。マッスルカーナショナルズを若い世代に委ねると、お声がかかったタイミングでの乗り換えはある意味、運命!
AMERICAN VINTAGE CAR HEAVEN -米国的旧車天国-
“Ride or Die” 走るか死ぬか?のスピリットで向き合う姿勢
1970 Plymouth Road Runner
2019年にマッスルカーナショナルズの発起人である岡本さんから引き継いだ後、10周年を盛大に盛り上げ、先日12回目の開催を実現させた翔さん。イベント主催者として相応しい愛車が紹介する70年型のロードランナーだ。
レモンツイストのボディカラーにスーパーコマンドの383エンジンを搭載、4速マニュアルのナンバーズマッチは自身がアメリカのイリノイ州で見つけて直談判して輸入した思い入れの深い個体。オリジナルの雰囲気を崩さない様に配慮しつつもマグナム500の17インチにインチアップして、車高を2インチローダウン。ダコタデジタルメーターやテールライトのLED化などさり気ないアップデートも実に好印象。

また、NOSロケットに乗ったワイリー・コヨーテをモチーフにM&Kの誠さんに描いてもらったウィンドーのイラストや、本国のマッスルカー乗りたちが愛用するヒットメンバーに感化されてワンオフで装着するなど、本場の雰囲気を色濃く導入する濃厚なアクセントも特筆物だ。
内装はサーキット走行時のホールド性を考慮して、ベンチシートからV36スカイラインの純正シートへ換装するなど、飾って眺めるビンテージモパーマッスルではなく、スパルタンに走って楽しむ姿勢が彼の向き合い方である。実はこのロードランナー、2年ほど前に82CUPにエントリーした際にはサーキット場でひっくり返るアクシデントに見舞われている。それでも諦めることなく行きつけのショップ「ハードオン」に持ち込み、ルーフやフェンダーにリプロパーツを使用して切り貼り、フェンダーも板金叩き出しで見事に復元している。
周回を重ねていくごとにブレーキが熱を帯びて効かなくなってコーナーへ落下…という恐ろしい体験をしたが、それも経験と前向きな姿勢。街を走らせる時はもちろんセーフティドライブだけど、サーキットは攻めてなんぼの世界。ひっくり返っても蘇生するロードランナー同様、事故しても攻めの姿勢は抑えるどころか、むしろもっと攻めていきたいと旺盛だ。

ちなみに同年モデルのロードランナーといえば、ワイルドスピードのドミニクが愛用することでも有名。劇中ではドミニクがブライアンやレティに度々“Ride or Die”と口にする。走るか死ぬか? そんな彼らの生き様を象徴するかの言葉が、その名のまま日本でミュージック、クルマ、ファッションなどのストリートカルチャーを融合させた新感覚の屋外イベントとして発展しており、その主催者としても翔さんが活躍している。
生き様や姿勢、そして色や仕様は異なれど70年型ロードランナーまで同じ。点と点が線で結びつくとはまさにこのこと。映画の様にはいかないまでも、リアルの世界観の中で共感できる点は多い。若い世代がもっとマッスルカーに興味を持つキッカケ作りもしかり、そして乗って楽しむ場を設けることもしかり。次世代のマッスルカーシーンを盛り上げるキーマンとして、彼の存在が多くの若者に与える影響は計り知れない。



モパーマッスルカーの定番であるマグナムホイール。MOPER純正が14インチに対して17インチと大きめの履きこなしと、2インチダウンした車高のバランスはリアフェンダーの被り具合が最高にクール。ワンオフで装着したリアヒッチのユニークなアクセントやテールのLED加工など、細部までこだわりが詰まる。

ワーナーブラザーズのキャラクターがそのままモデル名に採用されたロードランナーは、標準でスーパーコマンド383cuiの4バレル、ビッグブロックを搭載。イエロートップのオプティマバッテリーを合わせるセンスもさすが!


元々はベンチシートだったインテリアにはスカイラインの純正シート2脚に換装。4速マニュアルのスティックシフトは操作性の良い角度と長さでクイックなシフトチェンジが可能。走りに徹した姿勢が随所から感じ取れる。

愛知県でアンティーク、ビンテージ、骨董品のリペアを趣味でやっているOLD FREAKのジュンヤさんと親交も深く、そのロケーションの素晴らしさに撮影場所として提供いただいた。

OWNER:SHO SUGIYAMA
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2024年2月号掲載
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