2ドアセダンをベースにルーフを延長した「ワゴン」

ヨーロッパのシューティングブレークに対するアメリカ西海岸的なスポーツワゴンとしてアレンジされたファントムワゴン。趣味のサーフィンやカメラマンとしての機材も積めるフレンドリーな存在にして、唯一無二のクールなファントム2ドアワゴン。
アメ車を10倍楽しむ方法!
スポーティなセダンの要素とロングルーフならではのスタイル
'64 Chevy Nova Sedan Phantom 2door Wagon
かつてはフォルクスワーゲン・タイプ2の11wバスを愛車にしていたり、サーフィンを趣味にしていたりと、アメリカ西海岸的なテイストが好みとあって、アメ車においてはコンパクトでカジュアルなシェビー・ノバに興味を抱いた。
そんな中で、日本国内で製作したこの2ドアワゴンが売りに出たので入手。Bピラーのある2ドアセダンをベースにルーフを延長した独自のフォルムによる「2ドアワゴン」。
リアガラスはセダンのものをそのまま使用。複雑な設計のヒンジを製作し、2段階で開閉するトランクを構築。自然な仕上がりで、まるで純正かのようだ。ヨーロッパのシューティングブレークに通じるスタイルであると同時に、往年のノマドやセダンデリバリー的なクールなスタイル。
純粋に利便性を追求するなら純正の4ドアワゴンが存在する。よりカジュアルでホットロッド的なスタンスなら2ドアが望ましいが、ライバルのフォード・ファルコンには存在しても、ノバには存在しない。
そこで、4ドアワゴンを2ドア化するケースは珍しくないが、2ドアセダンをベースにするケースはアメリカでも稀。乗用車をワゴン化するスタイルはまさにシューティングブレークと同じでも、このファントムワゴンはベース車のキャラクターを活かしてホットロッド的にまとめたシルエットが魅力的。
コンパクトでスポーティなセダンの要素と、ロングルーフならではのスタイリングと長物を積めるラゲッジスペースが1台で得られることで、趣味と仕事の両方のフィールドで活躍できていいのだ。サーフボードを積んで海に出かけたり、キャンプをしに淡路島までロングトリップしてみたり、カマラマンの仕事では長物の機材を運搬したりと大活躍。
ベース車はBピラーのある2ドアセダン。2ドアワゴン化するうえで、4ドアワゴンがベースだとドアが短いためバランスが悪いが、2ドアセダンだと自然。ステーションワゴンにしては若干短めなルーフの長さが絶妙で、シューティングブレーク的でスポーティな印象。
当初はハイテック調だったが、その後オーナーがかわりこのブルーメタリックでリペイント。現オーナーが所有してからは、グリルを純正に、フードはカウルタイプに変更、ホイールはアメリカンレーシングをチョイス。
このクルマのイメージにマッチするホイールは、AR製ソルトフラットスペシャル。装着タイヤは定番のBFGラジアルT/A(F:187/60R15、R:225/60R15)。スタッドレスタイヤを組んだラリーホイールも用意してオールマイティに活躍!
マイルドパフォーマンスの350ciエンジンに換装。それにともなってトランスミッションも3速ATのTH350でアップグレード済み。コンパクトなNovaには必要にして十分なポテンシャル。
ベーシックなベンチシートがワゴンにマッチ。内張などはストック。室内の居住性は完全にワゴン状態。後部座席も広々として◎!社外のエアコンを装備している点でも快適。
瓜生 真さん
カメラマンを生業とする中で、機材を運搬できるロングルーフ車を乗り継いでいる。このNovaは約7年所有しているが、近年41年型ウィリスセダンを追加。ウィリスも十分なラゲッジスペースがあるだけに、Nova ワゴンの代わりを果たせるが、Novaワゴンのスタイリングの美しさは特有なだけに手放せずにいる!
カメラマンという仕事柄、長物の機材を運べるラゲッジスペースが必要。趣味のキャンプやサーフィンを楽しむうえでもロングルーフ車は何かと都合が良い。荷物のボリュームは大量ではないので、この2ドアワゴンで問題なし。運転時の感覚的にも実際のベース車である2ドアセダンと変わらないため、ワゴンながらもフットワークが軽くて◎。日常使用から趣味でのロングトリップまで、気兼ねなく楽しんでいる。
PHOTO&TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2023年1月号掲載
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