歳相応の姿ながら細部まで、綺麗なオリジナル志向【シボレーカマロベルリネッタ】

Z28を筆頭にマッスルカーの代名詞としても捉えられ、プロスピード仕様などにカスタムされた個体が多い1979年型カマロのオリジナルストックを発掘!
AMERICAN VINTAGE CAR HEAVEN -米国的旧車天国-
綺麗に取り繕うことなくありのままの魅力に触れる
1979 Chevrolet Camaro Berlinetta
1979年型のカマロ・ベルリネッタ。トランスフォーマーの劇中車として同年モデルのZ28をカスタムした個体をはじめ、最新作のビースト覚醒ではオフロード仕様にカスタムされたバンブルビーとして登場するなど、洋画好きに馴染みの深いモデルであるが、紹介する個体はどちらかというとマニアックで、ターミネーター2でサラ・コナーが収監されていた時、息子のジョン・コナーを代わりに育てていたトッド&シャネル夫妻の愛車に近い。色やグレードは異なるが、劇中の夫妻同様にアグレッシブに峠を攻めたりすることなく、カスタムとは無縁の平凡な日常車として大事に乗られてきた雰囲気が随所から感じ取れる。
とくにファーストの大森さんが絶賛している点が、白いバイナルトップの状態である。44年の経年劣化を想定してみても驚くほどコンディションが良い。また、オリジナルのゴールドラインも多少のかすれがあるものの健在で、ほんのり色褪せたオリジナル塗装のホワイトも錆がまわるほどのダメージはなく、このままのコンディションを維持して乗っていくことも前向きに検討できるレベルだと太鼓判を押している。実際に別の色へ全塗装してしまうのは簡単なこと。しかしゴールドのラインを復元するのは難しい。そして何より新車時からリペイントされていないことも、旧車道楽の醍醐味の一つだ。
これはオリジナルエンジンも然り。20年前に同年モデルの黄色いカマロを所有、30年前にも赤いカマロに乗っていた大森さんにとって、ハイパフォーマンス化させることはたやすい。しかし純正の良さがここまで体感できるからこそ、それ自体に価値があると言う考え方もある。余談ではあるが、今までビンテージ系の個体を取材してきて、ロケ場所に登場する時にここまで静かなエギゾーストサウンドは体験したことがなかった。驚くほどシルキーでジェントル。V8でドロドロ言わせる系も魅力的だが、その数が多いが故にこのカマロの個性が際立つ。
あえて手を加えた点といえば、長年ストックしていた同年代のカマロオプションホイールであるZ28用にBFグッドリッチのラジアルタイヤに履き替えたことくらいだ。それも同色ホワイトにリペイントを施しつつ、トリムリングまで良い状態で残しておいた掘り出し物を惜しげもなくこのカマロに継承させている。
後部バンパーの色褪せやインテリア後部座席付近の補修など、多少気になる点は補修も可能。もちろんどうしてもこの個体でサーキットを走らせたいみたいな要望にだって対応できる。歳相応の魅力を堪能するか、それともアンチエイジングに徹してスパルタンな走りに挑むか、選択肢はこのカマロを手にするオーナー次第。ちなみに筆者は同世代なのでメンテナンスに気を配りながら歳相応に老いていきたい。


1979年にデビューした2代目モデルは大きく分けて73年までの前期、74年から77年までの中期、そして78年からの後期と3つに分かれ、ウレタン製バンパー一体型のマスクや新デザインテールを採用。全長が2.2インチ伸びて5019mmとなった。
唯一の変更点であるホイールは、F.A.S.Tの大森さんがコレクションしていた同年代の純正オプションZ28用ホイール。装着する際に同色ペイントを施してBFグッドリッチのラジアルタイヤをマウント。もちろんクロームのトリムリングも当時物で大変貴重な逸品だ。
1979年型のベルリネッタは、そのほとんどが5.0ℓのV8エンジンを搭載する中、この個体は珍しくZ28同様に5.7ℓV8を搭載。もちろん見た目通りのオリジナルストック。5.0ℓが130hpに対して5.7ℓは170hpと、何不自由ない加速感も特筆物だ。トランスミッションはTH350の3速AT。






1979年から一新されたインテリア。スティックシフトに変更され、メーター周りも一新。ブルーグレー基調のファブリックインテリアの状態も悪くない。カーステレオまで当時物をストックする。ちなみにこの年代はステアリングフィールが非常によく、軽くて運転もしやすい。
THANKS:F.A.S.T【ファースト】
TEL:06-6784-1976
HP:https://fast1976.jp/
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2024年2月号掲載
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