一見しただけで見分けるのが難しいこの当時のセダン【シボレーベルエア】
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ビスケイン、ベルエア、インパラと、シボレーがラインナップするフルサイズセダンは同じ顔でも様々なモデルが存在しており、1965年にはカプリスも加わってより一層ややこしくなった。筆者もパッと見ただけじゃ瞬時に判断できず、バッジやエンブレムを見て気が付くといったレベルだ。そんな67年型フルサイズセダンが現在、ある人気海外ドラマの劇中車として注目を浴びている。
AMERICAN VINTAGE
見た目はビンテージでも350エンジン&4速AT換装で快適仕様へアップデート
'67 CHEVROLET BEL AIR
ベルエアに210、その後にインパラが加わり、さらにはスペシャルパッケージのカプリスカスタムセダンも追加、そしてビスケインも含めると同年代のフルサイズセダンは非常に似た雰囲気の車体で名前が異なる個体が多く見分けるのが難しい時代。過去にインパラワゴンだと思っていた個体がベルエアだったり、逆にベルエアワゴンだと思っていた個体が210ワゴンだったりと、イベント会場で一目見ただけでは判別し難いのが本音。
紹介するベルエアセダンだって運転座席と後部座席の間に存在する窓枠のピラーが存在することやエンブレムのおかげでインパラじゃないって確信できたが、素人目にしたら何が違うのか正直気が付かない方も多いのでは? なんて感じる程だ。
そんなことを思いつつ、撮影当日は大阪の都心部である大阪城公園から堀江、港区とこの車両と共に走らせたが、歩道を歩くギャラリーがスマホをかざしてこのベルエアを撮影する姿もチラホラ。偶然窓が開いていたので撮影していた人の声が聞こえたのだが、「あれ! スーパーナチュラルのクルマやん!!」とテンション高めで喜んでいた様子が実に印象深い。
AMT製プラモデルの劇中車仕様が発売されるなど、スーパーナチュラル仕様の同年代インパラは思っている以上に認知度が高いことに驚いた。むしろ購入者がファンなら、ベルエアをスーパーナチュラルの劇中車仕様へとカスタムすることにも前向きだと話すブルーリバーの山倉氏。
350エンジンを4速ATで操る感覚は2世代くらい上のアメ車を転がすくらい快適な感覚で、クラシックオートエア―エアコンにビンテージエアーによる空調の充実や、アルミラジエーター&電動ファンの追加でクルマも人も冷却効果抜群。夏場こそ気を遣う旧車道楽に配慮したおもてなしはお見事である。
その他、ビレットパーツを多数導入してダコタデジタルメーターの換装に前後ディスクブレーキ化に加え、ウィルウッドブレーキマスターシリンダーによる制動力強化なども抜かりない。ちなみにホイールはムーンディスクのセンターキャップレスを敢えてチョイス。スチールライクな装いにホワイトリボンをマウントしたぬけ感的な演出が実に好印象。また、17インチのアメリカンレーシングもストックしており、要望があればガチのスーパーナチュラル仕様にも仕上げてくれるとのこと。
一方で大人が快適に乗れるジェントルなフルサイズセダンとしても粋な個体だけに、どう仕上げるかが悩みの種ではあるが、どちらに転んだとしても魅力的であることに違いない。
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コークボトルラインのフォルム造型美が際立つリアエンドとフロントフェイス両サイドの立ち上がりが特徴的な67ベルエアセダン。フェンダーアーチの造型も後方の巻き込み具合が当時らしく、個人的にはテールレンズの造型も実に味わい深くて好みだ。このビジュアルで安心快適な350エンジンの4速ATってところも堪らなくそそる。
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350エンジン&4速ATにアップデートされた程度の良いベース車両をもとに、本国から可能な限り新品パーツを取り寄せてレストアされた、グッドコンディションのベルエアセダン。ヘダース交換で奏でるサウンドも心地よく、ビレットバルブカバーとタフスタッフクロームオルタネーターにアルミラジエターで魅せるエンジンルームも特筆物だ。
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オリジナルの雰囲気を色濃く感じさせるインテリア。メーターはダコタデジタルメーターで夜間の視認性もバッチリ。ビレットアクセル&ブレーキペダルやヘッドライト& ワイパースイッチも新調され、リアガラス越しにはパイオニアのウーファーをインストール。スピーカーはキッカーで揃えてアルパインのアンプをトランクスペースにレイアウトするなど音響システムも抜かりない。
THANKS:BLUERIVER
TEL:0725-56-6400
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年4月号掲載
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