マニアックなF150SVTライトニングの初代と2代目が琵琶湖湖畔でコラボ!

ピックアップトラック

フォード

アメマガ2023年7月号

ハイライン

滋賀県

F150 SVT ライトニング

華麗なるフォード

もはや絶滅危惧種と言えるレベルで滅多にお目にかかれない初代ライトニング。そしてライトニングと言えばこのモデルとばかりに、ワイルドスピード劇中で赤いライトニングを乗りこなす姿を見てファンになったという人も多い2代目。EV中心の現行車両とは別次元の“良き時代”の名車はオーラが凄まじい。

華麗なるフォード


ニッチでマニアックでも刺さる人に刺さるクルマを!

FORD F-150 SVT LIGHTNING

車とお店について詳しく知る

滋賀県と福井県の県境に位置する滋賀県長浜市。例年ドリフトイベントやアメ車ミーティングなども開催される奥伊吹スキー場よりも、さらに北上した木ノ本ICを降りて10kmほど走らせた国道沿いに店舗を構えるハイライフ。

 

お店に到着すると、2000年代初期のエクスカージョンや90年代のF-150エディバウアーにNVパッセンジャーなど、いわゆる普通のアメ車屋さんとは一線を画す個性的なラインナップに驚くとともに、今回の取材車両である初代ライトニングなどマニアックな個体が当たり前に店頭に並んでいることにワクワクが止まらなかった。

 

実は撮影日程を決める際、偶然電話越しに2代目ライトニングをハイライフから購入した小林さんがお店に来ていたこともあり、「せっかくならライトニングを2台並べて撮影しませんか?」とトントン拍子に話が進んで今回の新旧コラボ取材が実現した。

 

ちなみにハイライフ代表の廣西さんはニッチなアメ車、とくにフォード車が好みだそうで、小学生の頃からヒップホップなどの海外ミュージックビデオ。現在のPV的なあの映像に登場するクールなアメ車に刺激されたことがキッカケでアメ車に特化した専門店を開業。

 

どこにでも在庫する人気のアメ車ではなく、スペシャルで刺激的な個体をできる限りオリジナルの良さを生かした状態で厳選して本国より仕入れる姿勢は、マニアやニッチなアメ車好きを虜にしており、今回取材に協力してくれた2代目ライトニング所有のほか、複数台のアメ車をコレクションする小林さんもその一人だ。

F-150をベースにフレームやサスペンションに変更を加え、軽量化を施したボディにイートンM112スーパーチャージャー&インタークーラーを搭載。380hpを発生させるモンスタートラックに相応しいミッションとしてF-350スーパーデューティーに採用される4R100の強靭な4速ATを組み合わせたライトニング。

99年から04年まで生産された車両で現車は2代目のラストイヤーモデルだ。ちなみに出荷台数はわずか2万8124台となるだけに、コレクションするに値する稀少性と価値のある一台。基本的にはオリジナルを忠実に守りながらも、純正デザインのインチアップ版18インチのクロームホイールへの換装やフロントグリルエンブレムの多車種流用など、玄人好みのアレンジが粋な個体。

一方、現在在庫車両としながらも、小学生の頃から憧れ続けていたという廣西さんが本国で探し当てた個体が93年型のライトニング。オリジナル塗装を残した赤色もモデルイヤーの割に色褪せがほとんどなく、純正ホイールやフロントバンパー、同色グリルも綺麗な状態でストック。

お店から撮影現場まで向かう際、琵琶湖湖畔を初代、2代目ライトニングを目の前に眺めながら、ジミーで追いかけて移動する感覚は、まさにカリフォルニアやハワイのソレだった。

 

量産型の現行車はお金を出せば手に入る。しかし希少性の高い旧車は現存する程度の良い個体の中からしか選べない。だからこそ安易な社外品換装やカスタムに手を染めることなく、オリジナルの良さを残していきたいと語る廣西さん。“ニッチでマニアック”はむしろ、彼にとっては褒め言葉みたいなものだ。

'04 FORD F-150 SVT LIGHTNING

搭載するエンジンは同年代のF-150と同じ5.4 ℓのSOHC V8がベースとなるが、イートンM112スーパーチャージャーとインタークーラーを搭載することで380hpを発生。SVT製特別仕様車に相応しい名機だ。

バケット形状のセパレートシートに見えてセンターコンソール部分は可倒式のベンチとなるSVT刺しゅう入りのファブリック×レザーインテリア。ヘビーデューティーサスのビルシュタイン製に純正デザインのインチアップ18インチの履きこなしも粋。

'93 FORD F-150 SVT LIGHTNING

351エンジンをベースに圧縮比の変更など+αのモディファイチューンが加わり、210hpから240hpのハイパフォーマンス化を施した初代ライトニング。数値だけで語ることのできない、アクセルを踏んだ時のダイレクトな感覚は病みつきになるレベルだ。

筆者の弟が同年代のブロンコに乗っていたこともあってインパネ周りはどことなく懐かしい雰囲気。同年代のF-150との違いは、ライトニングの刺繍が加わった専用シートや専用ホイール。そして同色グリルにフロントアンダースポイラーがライトニング特有の個性となる。


Hi Life【ハイライフ】

所在地★滋賀県長浜市西浅井町祝山642
TEL:0749-56-0327
HP: https://www.hilife0701.com/


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン2023年7月号掲載


関連記事

RELATED


【2005 FORD F150 HARLEY-DAVIDSON】全米No.1同士の奇跡のコラボ

長らく全米No.1の新車販売台数を誇るフォードのFシリーズ。そのF150には過去に数多くの限定モデルが存在し、中でも絶大な人気を誇ったのが、ハーレーダビッドソンとコラボしたモデルだ。

【シェルビーF150スーパースネーク】より低くオンロードに特化したスーパースネーク

ハイパフォーマンストラックと言うジャンルを築いた、フォード・SVTラプター。そしてフォードは、そのラプターをも凌駕するシェルビー・F150スーパースネークを登場させた。最高出力は、なんと770馬力。並みのスポーツカーでは太刀打ちできない加速を備えた、まさにシェルビーの名に相応しいモデルとなっている。

【F150ラプター】迫力とパフォーマンスでピックアップの頂点を極めるラグジュアリーワークホース

ピックアップトラッカーの永遠の憧れとしてタンドラとともに双璧をなすF-150。そのパフォーマンスラインに君臨するのがF-150ラプターである。その2023年モデルの新車が福島県のビークルラインに入庫したぞ!

VW TYPEⅡの対抗馬に相応しいCalでVintageなルックスを継承【フォードエコノライン】

61年にファルコンをベースに誕生した初代エコノラインは、エンジンを床下にレイアウトしたキャブオーバーワンボックスバン。当時のVWタイプⅡに対抗すべくリリースされたとの噂。その二代目となるのが68年よりモデルチェンジを果たしたこちらの個体だ。

黄色のカマロには興味なし一目惚れしたのは悪役マスタング

小学生の頃に見た映画「トランスフォーマー」。誰もが黄色のカマロに夢中になる中、オーナーさんは悪役のポリスカー・マスタングに目を輝かせた。そして19才で憧れのマスタングの購入を果たすのだが、徐々に芽生えてきたのがV8サウンドとモアパワーだった。

 

最新記事


2025/06/13

【2008 トヨタ セコイア プラチナム】逆輸入車を代表するプレミアムSUVの大本命

SUV

OTHER

かつては逆輸入車のムック本が発行されるなど一世を風靡した逆輸入車。中でもセコイアは当時のSUVシーンにおいてエスカレードやナビゲーターと肩を並べるプレミアムSUVの大本命だった。

2025/06/11

【WORK VS XV】圧倒的な多交点メッシュによる最新トレンドとクラシカルの融合

セダン

ダッジ

ホイール

2025/06/09

【CROSS FIVE OSAKA】小春日和の晴天に恵まれた大阪ライトミーティング

イベントレポート

CROSS FIVE OSAKA
23th Mar 2025
北港マリーナ

2025/06/06

【フォードマスタングGT】派手さの中に垣間見える、繊細な拘りも見逃せない

クーペ

フォード

日本のカスタム技術をフルに取り入れ、SEMA SHOW出展を果たしたジェットシティのマスタング。その雄姿に触発され、「世界基準」のマスタングに乗るべくジェットにカスタムを依頼したオーナーさん。その全貌が遂に公開された!

ランキング


2025/06/13

【2008 トヨタ セコイア プラチナム】逆輸入車を代表するプレミアムSUVの大本命

SUV

OTHER

かつては逆輸入車のムック本が発行されるなど一世を風靡した逆輸入車。中でもセコイアは当時のSUVシーンにおいてエスカレードやナビゲーターと肩を並べるプレミアムSUVの大本命だった。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2019/05/07

【リアデザインの至宝】エルカミーノが誇る最高の魅力、そのリアフォルムとは?

ピックアップトラック

シボレー

魅力的なビンテージ・アメリカンカー「1987年式シボレー・エルカミーノ」の乗り心地と実用性を紹介。カスタマイズされた信頼性の高いデイリードライバーとしての魅力や写真家にとっての理想的なクルマとしての魅力に迫る。オリジナルの内装とユニークなデザインをご紹介しよう。

2021/10/13

ライバル達が生産終了するなかエクスプレスは今も現役販売される

バン

シボレー

2017 Chevrolet Express 2500 LONG EXPLORER CONVERSION