VW TYPEⅡの対抗馬に相応しいCalでVintageなルックスを継承【フォードエコノライン】

バン

フォード

アメマガ2023年7月号

華麗なるフォード

アクセントガレージ

大阪府

エコノライン

エコノライン クラブワゴン

61年にファルコンをベースに誕生した初代エコノラインは、エンジンを床下にレイアウトしたキャブオーバーワンボックスバン。当時のVWタイプⅡに対抗すべくリリースされたとの噂。その二代目となるのが68年よりモデルチェンジを果たしたこちらの個体だ。

華麗なるフォード


当時らしさはそのままに快適に乗れる様にアップデート!

'71 FORD ECONOLINE CLUBWAGON CUSTOM

パンプキンやアーリーブロンコなど、当時のフォードは丸目で愛嬌のある表情のモデルが多く、GMとは異なる独特の魅力なるものがある。なかでもこのエコノラインは、シェビーバンやラムバンではなくVWタイプⅡの対抗馬として誕生したというヒストリーから、そのルーツが非常に興味深い。紹介する車両はその初期モデルからモデルチェンジを果たした2代目に当たる。

この世代は68年よりエンジンをフロント搭載に変更してボディサイズを拡大。FR駆動ではあるが運転席と助手席の間に大きなエンジンカバーを設けてセミキャブ的なレイアウトとなっているのが特徴。気持ち程度のボンネットフードを開けたとて心臓部へのアクセスは不可能で、ほとんどの整備が室内のエンジンカバーを開けて行うのがセオリーだ。これはラムバンなども同様に当時のフルサイズバンが室内空間の拡張を確保するための策だったと見て取れる。

 

ちなみに71年型エコノラインは映画007にも登場しており、科学者のメッツ教授が密輸ダイヤを研究所に運ぶ際、ボンド役のショーン・コネリーがエコノラインの荷室に隠れて研究所に潜入するシーンに、チョイ役ではあるが登場している。主役級の劇中車ではないところも、マニアックでニッチなビンテージバンフリークたちを虜にする理由の一つだ。

さて、気になる現車のスペックへと話を移していこう。オリジナル重視の程度の良い個体といった第一印象ではあるが、室内へと目をやるとシートレイアウトがフルフラット可能な状態へとアップデート済み。インパネ周りの雰囲気は崩さない様に現代的なオーディオは存在感を消しながらもブルートゥース音源に対応。

 

また、旅先や車中泊、小さなお子様連れの必須アイテムとなるモニターはフリップダウン式のモニターひとつで賄うなど、快適な装備は加えつつもできるだけ当時らしさを損なわない様な配慮が好印象。また、シート一式張り替えのほかカーペットまで新調しており、クリーンなインテリアに仕立てている点も特筆物だ。

 

昨今ではビンテージランタンやコットンテントといったアンティークなアウトドアギアを愛用するキャンパーたちも増加傾向であり、バンライフにおいてもビンテージへの関心は高まっている。快適に乗れる半世紀前のビンテージバンなんて、まさに理想形ではなかろうか。

この年代ならでは丸目のファニーな表情。センターキャップが大きく張り出した純正ホイールはツートンボディに合わせてクリーム色にリペイント済み。ヒッチキャリアも完備しており、その気になればトーイングも可能だ。

エクステリアのミントグリーンと色合いを合わせて総張り替えされたインテリア。全席リクライニング機能付きでフルフラットが可能。これら作業は日本人の好みに合わせてアクセントガレージが施工したものだ。3列目より後ろにはスペースに余裕があるのでアイデア次第でより快適な車中泊仕様を作り込む事も可能だ。運転席と助手席を仕切る様に存在感のある大きなエンジンカバーやオリジナルのステアリングも味わい深い。


AXENT GARAGE【アクセントガレージ】
TEL:06-6991-9006
HP:https://www.alinks.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン2023年7月号掲載


関連記事

RELATED


【2005 FORD F150 HARLEY-DAVIDSON】全米No.1同士の奇跡のコラボ

長らく全米No.1の新車販売台数を誇るフォードのFシリーズ。そのF150には過去に数多くの限定モデルが存在し、中でも絶大な人気を誇ったのが、ハーレーダビッドソンとコラボしたモデルだ。

【シェルビーF150スーパースネーク】より低くオンロードに特化したスーパースネーク

ハイパフォーマンストラックと言うジャンルを築いた、フォード・SVTラプター。そしてフォードは、そのラプターをも凌駕するシェルビー・F150スーパースネークを登場させた。最高出力は、なんと770馬力。並みのスポーツカーでは太刀打ちできない加速を備えた、まさにシェルビーの名に相応しいモデルとなっている。

黄色のカマロには興味なし一目惚れしたのは悪役マスタング

小学生の頃に見た映画「トランスフォーマー」。誰もが黄色のカマロに夢中になる中、オーナーさんは悪役のポリスカー・マスタングに目を輝かせた。そして19才で憧れのマスタングの購入を果たすのだが、徐々に芽生えてきたのがV8サウンドとモアパワーだった。

単なるマスタングGT350じゃないRこそが本気の証

一般的なショップでは二の足を踏むハイスペックのモデルすらも、堂々と入庫させてきたカーボックス。そんなショップにして、仕入れの勇気を持てず、そもそも購入のチャンスすら巡ってこなかった幻のモデルがある。それがシェルビー・GT350Rだ。

【ウイングオート】ベース車選びからカスタムまでマスタングのすべてを託せるお店

半世紀以上にわたり世界中で愛され続けるマスタング。フォードの顔と言うよりも、アメ車を代表するクルマと言える。ウイングオートではフォードのグローバルサブディーラであるが、もっと走りを楽しめるように様々なカスタマイズにも対応する。

 

最新記事


2025/12/18

若い世代にも手が届くチャレンジャーR/Tをベースにカスタム

クーペ

ダッジ

独創的なボディパーツを提案し、唯一無二の世界観を創造するLUXZのEDGE CUSTOMS。13年間掛けて現在の境地に辿り着いたが、その始まりとなるのがこのM-LINE となる。

2025/12/16

【キングオブカスタム2025】2日間に及ぶ大イベント!北海道最大級のカスタムショー!

イベントレポート

KING OF CUSTOM 2025
北海道 えべつRVパーク
2025.08.23.24

2025/12/11

【ジープオーナーズミーティング】Jeepがあるから楽しい。仲間といればもっと楽しい!

イベントレポート

Jeep owner's meeting in SAGA vol.3
佐賀空港グランド

2025/12/09

【WHAコーポレーション】ユーザーと一緒になって、ジープを楽しむ専門店!

SUV

ジープ

ショップ

日本国内でジープは正規販売されているが、アメリカ仕様は日本にないボディ色やエンジンなどがラインナップされる。正規輸入車は確かに乗りやすいが、それを差し引いてもUSモデルに乗りたい人たちが、WHAコーポレーションの扉を叩く。

ランキング


2022/07/25

フルモデルチェンジしたタンドラは常識を覆す快適な乗り味を手に入れている

ピックアップトラック

逆輸入車

IMPRESSION
2022 TOYOTA TUNDRA 1794 Edition TRD Off-Road Package

2022/06/02

モデル史上最大のボディサイズとなるフォードサンダーバード

クーペ

ビンテージ

フォード

1974 FORD THUNDEBIRD

2025/12/18

若い世代にも手が届くチャレンジャーR/Tをベースにカスタム

クーペ

ダッジ

独創的なボディパーツを提案し、唯一無二の世界観を創造するLUXZのEDGE CUSTOMS。13年間掛けて現在の境地に辿り着いたが、その始まりとなるのがこのM-LINE となる。

2022/06/06

究極の選択!トヨタのSUV&トラック「タンドラ vs セコイア」魅力対決

ピックアップトラック

SUV

逆輸入車

トヨタの”アメ車”といえば、二大巨頭である「タンドラ」と「セコイア」。このSUVかピックアップは甲乙つけがたく、どちらを購入するか迷ったことがある人も多いのではないだろうか。そこで、今回はタンドラ&セコイア専門店であるコロンブスに協力を得て、二つの魅力をしっかり検証していこう!
Text & Photos|アメ車MAGAZINE編集部