長年愛用するフェアレディZとスクエアボディなファミリーカー【1987y シボレーK-5ブレイザーシルバラード】
24歳から33年間変わらず愛用するのはK5!ではなく、何とフェアレディZ。しかも国産旧車を愛するオールドタイマーなスタンスではなく、US志向のレストモッドカスタムが気分。そんなオーナーさんが5年前に迎え入れたファミリーカーが、K5ブレイザーだ。
SQUARE BODY
購入の決め手は直観、インスピレーションで即決!
'87 CHEVROLET K-5 BLAZER SILVERADO
合法ではないが30年ほど前はストリートでゼロヨンが流行しており、紹介する梁井さんも20代の頃はフェレディZでゼロヨンにハマっていたと言う。しかし年々規制が厳しくなり、当時の仲間たちはサーキットにステージを移していった。もちろん梁井さんもサーキットへと移行して優勝などを経験するも、細かいクラス分けやタイムを競うことに情熱を注ぐスタンスが性に合わず、フェードアウトしていったそうだ。
そこからアメリカ本国でレストモッドなるジャンルのカスタムに魅了されて現在に至る。彼の生い立ちを掘り下げていっても、まったくスクエアボディの匂いがしないので、「このK5は?」と聞くと、実は下の娘が小学校に上がるタイミングで国産ミニバンからアメ車の四駆に乗り変えたいということから、ネットで色々検索して手に入れたファミリーカーとのこと。当初はタホやサバーバンを候補に調べていたが、内装が好みじゃなかったのでもっと硬派な雰囲気の“これぞアメリカンSUV”みたいな個体は無いかと検索し続けて見つけたのがK5ブレイザー。
これまでアメ車に興味があった訳でもないので辿り着くまでに多少時間はかかったものの、熊本のハーツライジングがこの手のクルマに特化しているとの情報を受けて、仕事で熊本入りした時に寄り道して訪問。現車を見ると「やっぱりカッコいい!」と虜になったが、見せてもらった個体は残念ながら買い手が決まっていた。その際お店側から普段使いするならインジェクションが良いとアドバイスを受けて、87年型以降のTBIエンジンを条件に良い個体が出てくるまで気長に待つことに。それから頻繁に在庫情報をネットで検索するも希望に見合う個体が出てこなくて諦めかけたタイミングで入庫したのがこのK5。
見つけて即連絡して、その週末には熊本入りするほど好みの雰囲気だったそうで、到着するや否や運転席に座り、イグニッションキーをオンにしてステアリングを握った瞬間に「コレだ!」と即決。あまりにトントン拍子の展開だったので家族は何も聞かされないままファミリーカーがエルグランドからK5に変わったのだが、娘2人はK5がお気に入り。中学3年生の長女は免許を取得したら乗ってみたいと話すほどだ。独身時代からフェアレディZに情熱を注ぎ続ける父のクルマ道楽には一切興味を示さなかったのに、K5がキッカケで初めてクルマに興味を持ってくれたことは嬉しい誤算。
梁井さん自身もZとは異なる価値観で、K5の硬派な四駆たる走りに魅了されている。売って欲しいと言われても売る気はないけど、娘から譲ってほしいと言われたらまんざらでもない様子。4年後、長女が免許を取得した頃合いを見計らって、また取材に訪れてみたらガールズオーナー企画が成立しそうな予感だ。
フロントダブルショックのヘビーデューティーな足と、センターライン15インチとBFグッドリッチ・オールテレーンタイヤの組み合わせ。前後デフカバーも換装済みでマフラーは排気の匂いを逃がす様にサイド出しレイアウトへ変更。視認性向上を見据えたヘッドライトやグリルインナーに忍ばせたLEDバーのアクセントもクール!
エンジンはTBIのインジェクションモデル。基本はエアクリーナーも含め整備の行き届いたオリジナルエンジン。熊本まで整備に持ち込むのはなかなか大変なので、整備やメンテナンスなどは、大阪のナオキモータービルドに一任していると言う。
比較的くたびれた内装の多いK5ブレイザーだが、この個体は純正シートのコンディションも良く、メーター周りやダッシュもクリーン。ステアリングは当時物の純正品をストック。オーディオはレトロサウンドで雰囲気を損なわない様に配慮。強いて変更点を挙げるとすればオーダーメイドのマットくらいで、オリジナルインテリアのイメージを色濃く残している。
こちらが24歳から33年間乗り続けているフェアレディZ。ゼロヨン仕様からレストモッドへと方向性が変わり、日本国内よりもアメリカをはじめとする海外からの評価が高く、SNSに投稿すると海外からの反響が大多数。そんな兄のクルマ道楽に魅せられて10年前に弟さんもハコスカを購入。兄弟でレストモッドなフェアレディZとハコスカなんてめちゃくちゃカッコいい!
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年8月号掲載
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