【ラングラースポーツ】クルマをファッションの一部として、捉えたらもっと自由になる
ドアは4枚、座席やラゲッジ容量も多いに越したことはない。いつからか、そんな物差しでクルマを選ぶ様になってきた昨今。モノ選びに長けた古着マニアから、クルマとの向き合い方を考察。
ジープとなら人生はもっと愉しい
日常の足だからこそ、気分が上がるクルマを選ぶ
紹介する立花さんは既に一生モノの愛車として、自分と同じ年に製造された1979年型のK5ブレイザーを所有しており、現在オリジナルエンジンからボーテックへ換装するビッグプロジェクトを敢行中ということで長期間ショップに預けており、つい最近までは国産軽自動車を仕事兼プライベートカーとして愛用していた。このラングラーは2023年6月に迎え入れたばかりの新たな相棒である。
話を伺うと最初はジムニーなんかも視野に入れて探していたそうだが、遠方の中古車販売店にマニュアルのオレンジ、それにソフトトップのTJが販売されているのを見つけて弾丸で現車確認をしに行き、そのまま潔く即決。
途中テストドライブを兼ねて千里浜なぎさドライブウェイのサンドアタックに挑み、そのままハイウェイを走らせて大阪まで自走するなど、直感で良いと思ったモノに対する行動力が凄まじい。その姿勢はヴィンテージブーツや革ジャン、アンティークな軍用腕時計などのウェアにも通じており、モノ選びは価格や性能よりもルーツや巡り合わせ、そしてタイミングを重んじる。それにしてもセカンドカーまで2ドア、しかも幌車でマニュアルを選ぶところが、彼のこだわりと癖の強さを物語っているだろう。
お気に入りの古着を着て軽自動車じゃ味気ない。ちょっとフラッと出掛ける時でも、腕時計やジャケット、ブーツと同じ様に身嗜みの一つとしてクルマを捉えるからこそ、日常の足選びにもこだわりが生まれる。ギアを入れるタイミングは自分で決めるマニュアル車、手動でオープンエアーを嗜む幌、どれも一手間余分にかかるがゆえに愛着が湧く。カッコつける本当の意味を理解する大人が好むジープとしてTJは最良の選択と言える。
'06 JEEP WRANGLER SPORT
2006年型のTJラングラーは4ℓ直6を搭載。175hpで滑らかな回転フィールを6速マニュアルで操る感覚が古典的で気分が上がる。購入時は開閉が難しかった幌も既にリフレッシュ済みでフルオープンも快適そのもの。
購入時から装着されていたマットブラックの16インチホイールも、定番のリムデザインで悪くない。タイヤはBFグッドリッチのマッドテレーンKM3を装着する。リフトアップを施したり過剰なカスタムは施さず、オリジナル志向で乗る辺りも粋。
極太ロールバーにファブリックシートがSPORT の名に相応しいカジュアルなインテリア。ジープに豪華装備なんて不要。幌車でマニュアルが気分だ。
革の風合いや、長年愛用してできたシワまでも愛して止まないヴィンテージレザージャケット。革の手入れを怠らずに良い状態をキープして育てていくことも楽しみの一つだ。
デニムジャケットに関しても革ジャン同様、色落ちやシワに気を付けながら育てていく感覚。流行り廃りでモノ選びをしないことも彼のこだわりである。
ハイブランドの高級腕時計よりも、本物の軍隊が使用していたリアルミリタリーのアンティーク腕時計が気分だ。
探しても中々見つからない激レアな年代のレッドウィングブーツを発掘するのも、古着マニアの楽しみの一つ。
Tetsuya Tachibanaさん
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2023年10月号掲載
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