ファミリーカーの在り方をミニバンが変化させた!【ラムバン&アストロ】

バン

シボレー

ダッジ

アメマガ2023年12月号

アストロ

アストロ CS

ラムバン

素晴らしきバン生活

東海カーズ

愛知県

日本に限った話ではないが、今やファミリーカーのマーケットで、セダンは風前の灯と言える様な状況。紛れもなくその地位を奪取したのはミニバンで、流行りの言葉で言うならばゲームチェンジャーだと言えるだろう。

Wonderful VAN Life -素晴らしきバン生活-


買い物やカスタムだけでなく使いこなせば魅力を実感する

1990 CHEVROLET ASTRO CS
1990 DODGE RAM VAN

高速道路サービスエリアやショッピングモールの駐車場を眺めると、ほとんどの家族がミニバンかSUVに乗っている様に思える。人はもちろん、荷物もたくさん載せられるので、1台で何通りもの使い方ができ、人気が出ると言うよりもスタンダードな選択になるのも至極当然と言える。もっとも、黎明期のミニバンは商用バンに毛が生えた程度でもあり、お世辞にもスタイリッシュとかファッション性が高いとは言い難かった。

そんな流れを最初に変えたのは1983年に登場したダッジ・キャラバン&クライスラー・ボイジャー。その対抗馬として、今なお不動の人気を誇るのが、1985年に誕生したシボレー・アストロ。アメ車=日本で乗るには大きすぎるというそれまでのイメージを払拭。幅こそあるが全長は意外と短く、取り回しは良好。1990年代後半に日本で空前のアストロブームが沸き起こり、その大きな波が本誌を誕生させた原動力でもあった。

 

今ではオールジャンルのアメ車を紹介しているが、それぞれのお店に専門性がある様に、アメ車のミニバンだけを積極的に扱うお店も多い。またそれとは真逆で、「クルマは飾って楽しむ物じゃなく、走らせてナンボ!」と提唱する東海カーズは、マッスルカー専門店的なイメージが非常に強い…ハズなんだけど、バン特集に合わせ、初代アストロと2代目ラムバンを採り上げる。

まずはアストロ。2WDのショートモデルがベースで、これにローダウン&エアロパーツを追加。一見するとブラックの様に見えるボディーカラーは濃いグリーンにペイントされており、存在感を強調している。テールゲートは観音開きタイプ。リアウインドーの枠は思ったほど後方視界を妨げないし、何より今の日本車から見れば、特別大きいとは思えないほどで、非常に扱いやすいと言えるだろう。

一方のダッジバン。フルサイズなだけにさすがに長い。しかもカーゴバンということで運転席側のサイドウインドーは皆無ということでに「後方視界は最悪か…」と思ったが、意外と見切りは良好。しかもバックカメラ&モニターが備わるので、車庫入れに困る様なことはない。セカンドシートをそのままにしていても十分すぎるほどのラゲッジスペースがあるし、しかもウッドパネル施工&ダウンライトも埋め込み済み。流行りのキャンプはもちろんのこと、自転車なども車内に積み込むことが可能だ。

 

クルマをどう使うかはユーザー次第であるが、バンもマッスルカーと同様で、「使いこなしてナンボ」と言えるだろう。その種類は異なるかもしれないが、間違いなく「楽しいクルマ」であることに変わりはない。


今のクルマみたいな装備はないが自分の仕様にアレンジが可能!

1990 シボレー アストロ CS

モール類はレスにし、エアロパーツの装着で全体のイメージを一新させている。本文でも述べているが、ストロボの強い光が当てることで、濃いグリーンが浮かび上がるが、曇天ではブラックの様にしか見えない不思議なペイオンと言える。

2WDモデルなので、フロントサスはダブルウィッシュボーン式コイルスプリングを採用。リアはリジッド式リーフで、耐久性を追求した設計。ホイールはデイトナで、BFグッドリッチのラジアルT/Aを装着。意外とミニバンにもホワイトレターが似合う。

エンジンは4.3ℓのV6を搭載。コンパクトなボディサイズに大きなエンジンを押し込んでいる関係で、本体はほとんど見えない状態。もちろんオイルなどのレベルゲージは確認可能で、メンテナンス性も決して悪くはない。

現代のクルマと比較すると、非常にシンプルというか質素とさえ思えるインパネ周り。運転席&助手席はバケットタイプになっており、ホールド性も良好。セカンドシートは必要にして充分な仕様だが、モニターなどの追加で、快適性を向上することも可能だ。

1990 ダッジ ラムバン

5.2ℓのV8エンジンを搭載。アストロと比べると、エンジンルームのゆとりを感じされる。直線基調のデザインは、力強い印象を受ける。またリアバンパーの汚れは、今までのオーナーたちが実際に使っていた証しで、エイジングと言えるだろう。

こちらもホイールはデイトナで、タイヤはかつて販売されていたBFグッドリッチのラジアルロングトレイルT/Aをセット。サスペンションはフロントはダブルウィッシュボーン式で、リアはコンベンション、リーフリジッドを採用する。

車内はウッドとレザーを組み合わせた雰囲気に変更。元々カーゴバンだったものにセカンドシートを追加。それでもラゲッジは非常に広々している。なおセンターコンソールの中にはエンジンが入っており、なかなか大胆なレイアウトと言えるだろう。

ウッドパネルで雰囲気を一新させた車内後方部分。天井部分にはLED のダウンライトが埋め込まれており、ムーディな雰囲気を演出できる。運転席側の側面に窓がないので運転しにくい様に思うが、バックモニターなど安全装備も充実している。


THANKS:東海カーズ
TEL:0533-86-8890


PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野陵
アメ車マガジン2023年12月号掲載


関連記事

RELATED


アストロを通じて娘の旦那との距離感がグッと縮まる

愛する娘もいつかは嫁ぐ。娘を持つ父親なら、その時平然とした顔をしながらも内心複雑な心境であることを察する。コレは娘を持つ父親誰しもが通る道であり、避けては通れない。しかし、アメ車という共通項があれば上手くいく!?

一番可愛いアストロに乗りたいそれが旧マスクのショート

子供が増えるにつれ、手狭になってきた愛車。もっと大きなクルマを探しているなか、目を付けたのがアストロ。なかでも一番可愛いくて惹かれたのが旧マスクのショートボディ。ボロボロだった状態から見事復活させ、最高に可愛いアストロが完成した。

手に入れたラムバンは世にも珍しい四駆

ネットで何気なく購入した「四駆」のラムバンは、後に世にも珍しいモデルだと知る。これをベースにカスタムしていけば、オンリーワンになれるかも?しかし、素性の知らない足回りの車両を敬遠するショップも多く困り果てた馬場さん。そこで向かった先は…。

激レア!フルウィンドーのダッジスポーツマンの愛らしさ

いつかはウェストサイドなローライダー!そんなイメージを抱きがちなDJではあるが、本国では意外とそうでもなかったりする。現地で見たリアリティ溢れるカーカルチャーを、日本でサラッとこなすナイスガイを直撃!

【GMCラリーSTX】真鍮&ウォールナットとGMCラリーのコントラストが映える

モノ選びは直感。既製品で存在しない物は作ってでも納得のいくモノを愛用したい。そんなこだわりの強いオーナーに好まれるビンテージバン。飾り過ぎはナンセンス。ありのままを受け入れる余裕が魅せる“濃い目のバンライフ”。

 

最新記事


2025/09/25

【F-BODY MEETING EAST】F-BODY愛好家たちが日本一の山の麓に集合!

イベントレポート

F-BODY MEETING EAST
26th Apr 2025
ドライブインもちや駐車場

2025/09/23

数々のアメ車を乗り継いできた義父とアメ車デビューした娘婿

ピックアップトラック

バン

シボレー

初めてのアメ車にアストロを購入した娘婿のYuuriさん。一方ナビゲーターに始まり、C-1500、タホ、アストロ、そしてC1500とアメ車を乗り継いできた義父であるAtsushiさん。人生の先輩として、アメ車乗りの先輩として伝えたいこと、そしてその先へと紡ぐ将来の夢を語る。

2025/09/18

【ウイングオート】車両の購入やメンテだけでなく クルマを走らせる楽しさも提供

クーペ

フォード

ショップ

愛車のポテンシャルを引き出して走るは、技術や知識が必要となる。ウイングオートではドライビングアカデミーを開催し、それらを提供する機会と場所を提供する。

2025/09/16

【モーターファンフェスタ 2025】様々なクルマを身近に感じられる日本最大級の「体験・体感」イベント

イベントレポート

MOTOR FAN FESTA 2025
in 富士スピードウェイ
20th Apr 2025

ランキング


2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2025/09/25

【F-BODY MEETING EAST】F-BODY愛好家たちが日本一の山の麓に集合!

イベントレポート

F-BODY MEETING EAST
26th Apr 2025
ドライブインもちや駐車場

2019/02/09

エレノアらしい“走り”を磨き上げた珠玉の一台、シェルビーマスタング

クーペ

ビンテージ

フォード

クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。

AMERICAN DAILY VINTAGE CAR
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!