自由気ままにアレンジ それがマイスタイル【1970 シボレーC-20】

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ビンテージ

シボレー

アメマガ2024年1月号

C20

EARLY MOUNTAIN WORKS

働くアメ車ってカッコイイよね

アクションラインのニックネームで親しまれているC/Kシリーズのセカンドジェネレーション、1970年型C-20を愛車とするオーナーさん。手に入れるや否や「ワークトラック」という方向性を定め、躊躇することなく思いを形に仕上げていっている。

働くアメ車ってカッコイイよね


1970 CHEVROLET C-20 CUSTOM CAMPER

群馬で開催されたイベントを訪れた際、その会場にはピックアップトラックとSUVしか並んでいなかったのだが、その中でも異彩を放つピックアップトラックに目を奪われた。そのトラックは70年型のシボレー・C-20。愛くるしいフェイスに程良くヤレたボディ、それにベッドやベッドサイドにはオーナーである金子さんが施したというギミックもあり、そのスタイルはまさに“ワークトラック”。

 

ワークホースを取り上げることはイベントに訪れる前から決まっていたため、対象となる車両を探していたところだったこともあり、これは運命的な出会いとさえ感じたほどだ。そして後日改めて連絡を取り合いご自宅に伺った次第である。

 

そもそも金子さんが乗り物、さらにカスタムにのめり込むようになったのは高校生の頃。すぐさま中型二輪の免許を取り、最初に買ったバイクがホンダ・GB250クラブマン。当時流行っていたカフェレーサーを目指してカウルなどを自作するなど、カスタムにどハマり。さらに大学生になると、どうせやるなら大きな舞台に挑戦したいと思い立ち「Tomo Tune Design」という名で活動をはじめ、所有していたクラシックミニにアメリカンカスタムを取り入れて2021年のホットロッドカスタムショーに出展。2022年にはエドロスに感化され、Cキャブトライクを製作してエントリー。

アメリカのカルチャーに魅かれ、さらにそれっぽいことをし続けてきただけに、やはりアメ車に乗りたいという思いが強くなった彼の目に留まったのが現愛車のC-20。当時は大学3年の夏休みで時間があると物件を検索。するとこのC-20が愛知県で売りに出ているのを目にした瞬間に惚れ込み、我慢できずに現車を確認しに行った。

 

しかし、学生だったこともあってローンが通らなかったこと、ほかに買い手がすぐ決まってしまったこともあって泣く泣く諦めたものの、大学4年になって就職先が決まった頃に再び物件を検索していると、あのC-20が再び売りに出ており、今度は同じ県内ということですぐさま現車確認へ。さらに試乗もできたことで思いは募るばかり。今度はローンもしっかりと通ったことで大学を卒業する前に納車された。思い続ければ実を結ぶとはまさにこのことを言うのだろう。

晴れて金子さんの元へとやってきたC-20。「車高を落として煌びやかなホイールを履いたスタイルもいいとは思うが、ピックアップトラックはやはり使ってなんぼ。錆びてていいし、汚くていい。タフで、ワイルドこそが真骨頂だと思っている」ということで、C-20はワークトラック路線で仕上げていくことを決めた。

 

ワークトラックといえばのユーティリティベッドは好きだけれど、バイクの趣味もあることから荷台の面積が減るのは困るということで、フリートサイドのままボディの外側とベッドの内側の空間を収納として使おうと考え、購入して1カ月も経っていなかったが迷うことなく切断して製作。「こういう思い切った造り込みができるのも、ピックアップトラックの良さだと思う」と満足げ。

 

さらに長物を積む機会もそれなりにあるということで、友人のお父さんがやっている鉄工所から鉄材を分けてもらい鳥居を製作。バイクを積むことも考慮して、リアの鳥居は上部のみ簡単に外せる仕掛けを施したそうだ。これで完成形かを尋ねてみたところ、まだまだ思い描く姿がありそうななので、今後どの様に変貌を遂げていくのか楽しみである。

 

ちなみに金子さんの実家はオリジナル皮革製品の企画・製造・販売をしている「アーリーマウンテンワークス」。同社は金子さんの父である友弥さんが起こした会社で、レザーシャツにライダース、バッグに財布など、高品質なレザークラフトを取り扱っている。こういった製品を扱っているとあればもちろん乗り物が好きであろうと思い伺ってみると、友弥さんもこれまでに数多くのクルマやバイクを所有してきており、アメ車を所有していた時期も数多いとか。

 

そんな環境下で育ってきただけに下地は整っていたと言っても過言ではなく、大学を卒業して一旦は運送業に身を置いたものの、父の会社で自身のブランドを立ち上げて製造・販売してみたいという思いが勝り、仕事を辞めて家業に専念することに。

そして立ち上げたブランドが「ダイナーレーサー」。50~60年代のアメリカ文化を存分に取り入れたアパレル雑貨ブランドで、「もう歳だから…」「その時代はよく知らないし…」と、憧れだけあるものの実行はためらう気持ちをぶっ壊して欲しいという思いから「カッコつけたいならカッコつけろ。カッコつけたやつがカッコいい」をコンセプトに掲げている。

丸目の愛くるしいフェイスとカラーで魅了するC-20。純正のタイヤ&ホイールは16.5インチだが、16インチの鉄チンに履き替え、タイヤにホワイトレターを施すもあえて擦れさせている。エンジンはすこぶる好調でロングドライブも渋滞でもわがままを言うことはない。

ピックアップトラックのベッド収納といえばアルミのボックスをイメージしがちではあるが、金子さんが考えた収納はベッドサイド内部の空間を有効活用して収納を作りだそうというものだ。こういった思い切った作り込みこそアメリカンなテイストを漂わす。ベルトにチェーンを使用しているのも洒落ている。

ワークトラックをテーマに掲げているだけにベッドをどの様に使うか、仕上げるかがポイントとなる。そこでまず友人のお父さんが営む鉄工所から鉄材を分けてもらい鳥居を仕上げ、長尺物の積載も可能とした。さらにバイクも積載できるようにとリア側が着脱式としている。ちなみにこの方法はアメリカのワークトラックを調べまくって知った手法。

インテリアもエクステリア同様に素の状態をそのまま維持しながら、ステッカーやミニカーなどをデコレートしてビンテージ感漂う雰囲気としている。

OWNER:金子朋嗣


自宅横にある建物の1階がショールームで、2階が工房となっている。ショールームには完成したライダースや財布などが並ぶ。そして2階にお邪魔すると、まさにこれぞ工房と言わんばかりに道具や生地で埋め尽くされているといった中で高品質なレザークラフトが生み出されている。

Diner Racer Pompadour Wallet

50~60年代のアメ車のテイストを取り入れて製作された、金子さんのデビュー作となる「Diner Racer Pompadour Wallet」。前面に施したクロームのモールをイメージしたオリジナル刺繍だけでなく、カラフルなカラーバリエーションからもテイストが漂ってくる。ポイントは財布の内側に仕込まれたコームケース。そしてヤレたアメ車をイメージした「Junk Skin」。ラットな見た目の革で、これは金子さん自身が染色した革だ。ウォレットチェーンとベルトにつけるキーホルダーを付属。


EARLY MOUNTAIN WORKS
SHOW ROOM & FACTORY
神奈川県厚木市飯山4872-7
TEL:046-242-0942
※訪問の前にはお電話を!
HP:https://earlymountain.works/

神奈川県厚木市にショールーム&工房を構える「EARLY MOUNTAIN WORKS」。これまで全国各地の百貨店などでポップアップショップを展開。


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2024年1月号掲載


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