【シボレーC-10】スクエアなクルマの時代が、再来した今こそ乗りたい

アメ車のフルサイズトラックのイメージは、とにかくデカいけどヘビーデューティでタフなイメージ!確かにデュアルキャブなどはその通りだが、意外にもシングルキャブは「カワイイ」イメージがなくもない。最新モデルからオールディーズまで幅広いカスタムを行なうクアートが、シンプルだけど現代的なセンスでC-10をモディファイしたゾ。
AMERICAN VINTAGE CAR HEAVEN -米国的旧車天国-
オリジナルをキープしつつも、22インチリムで個性も主張
1974 Chevrolet C-10
1973年に登場し、ちょうど半世紀という月日を迎えた第3世代のC/Kトラック。70年代の象徴と言えるスクエアなボディラインを持ち、フロントマスクだけでなくボディサイドに至るまで角張ったラインが非常に特徴的と言えるだろう。
今回クアートが仕上げたこの車両は1974年型で、ヘッドライトは丸目2灯の可愛らしい雰囲気が特徴。1981年には角目4灯に変更され、後の「シボレー顔」へと発展をしてゆくことになるが、その登場前夜と言えるだろう。ちなみにライトはレンズカットタイプをキープ。ついついマルチリフレクターなどに変更しがちだが、妙にチャラチャラしておらず好印象に思える。
さて、カスタムのメインとなるのは圧巻と言える22インチのアルミホイール&タイヤ。ある意味ほかの部分を極力変更していないので、むしろ足もとを強調することに成功したと言える。タイヤはライオンハートのLH-TEN(265/35R22)と、かなりオンロードを重視した偏平タイヤに変更。ピックアップの働くクルマという先入観を完全に払拭し、ストリート的なスタイルを強調しているが、敢えて手を加えすぎないように心掛けており、そのことでファニーなテイストを醸し出していると言えるだろう。
エンジンは5.7ℓのV8を搭載しており、キャブレターはホーリーをチョイス。モデルイヤーを考えるとしっかり整備が行き届いているのが分かるが、この時代らしく良い意味でエンジンルームは隙間が見られるし、今の様な電子制御やコンピュータは皆無。
ある意味、ガソリン/冷却水/エンジンオイル/電気だけをしっかりメンテしておけば、普通に乗れると言っても差し支えない。サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リアはリーフリジッドを採用。シンプルな構造なので、へビーデューティーなトラックには最適と言える。またベッド部分にはチッピング塗装を施してあり、重い荷物を積んでもボディが傷つかない様に配慮。スタイルだけを重視するのではなく、ピックアップとしての機能もしっかり追求している。
さて車内を見てみよう。ベンチシート&コラムレバーなので、一応3人が乗車可能だが、シングルキャブの宿命というか、リクライニング機構やシート背後には荷物を置く場所もあらず、決して居住性が高いとは言い難い。それでもこの包み込む様なデザインは落ち着きすら感じさせてくれる。
ラジオチューナーは当時のものがそのまま残されている様に見えるが中身は最新で、各メディアプレーヤーに対応。オリジナルの雰囲気を崩すことなく満喫することができる。まさに個性的だけど、扱いやすいサイズ。手当たり次第にギラギラさせるのではなく、シンプルなアメ車はいかがかな?


前後バンパーのメッキも美しく、ホイールと相まってクローム部分の美しさを強調する。ベッドの内側にはチッピング塗装を施しており、大きく重い荷物を気にせず積載することが可能。古いクルマだから大事にガレージに保管するのでなく、日常的に乗って使えるビンテージカーだと言えよう。


ホイールは放射上に広がる10本のスポークが美しい、U.S.MAGSのU110をチョイス。まさにこのC-10にとって唯一?と言えるカスタムポイント。マフラーはサイド出しで、シンプルさを強調する。


ヘビーデューティ性を重視して、フロントはダブルウィッシュボーン式独立懸架。リアはリーフリジッドを採用。フロントに採用する独立懸架方式やワイドトレッドの恩恵で、安定感ある走りを実現。
現代のギチギチに詰まったエンジンルームとは異なり、かなりゆとりのあるエンジンルーム。もちろん、この隙間がエンジンの冷却には必要。今のクルマと比較すると遥かに軽いので、軽快な走りも楽しめる。




メインの大型メーターと、その左隣に並ぶ4つのメーターがシボレーらしさを感じる部分。リクライニング機構などは皆無だが、3名乗車が可能。メーター類も製造当時のままで、現代車の様な液晶モニターは一切見当たらない。ちなみにラジオは当時風に見えるが中身は最新。
THANKS:QUARTT【クアート】
TEL:0583-81-9167
HP:https://www.quartt.jp/
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2024年2月号掲載
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