【シェビーバン】思い切って内張りを剥がす!インテリア改装は悩む前に行動

バン

シボレー

アメマガ2024年3月号

シェビーバン

DIY

AMERICAN CUSTOM COOL RIDES

天井&サイドをフェイクレザーに張り替え、さらに600個のボタンをレザー張りして手作業で打ち込む。途方もない作業も「楽しい」と語る、生粋のDIY好きなKさんだ。

AMERICAN CUSTOM COOL RIDES


子供から不人気なのが少し悲しい…

'90 CHEVROLET CHEVY VAN

若い頃に特攻野郎Aチームを見て、「いつかはこんなアメ車のデカバンに乗りたい」と夢見ていたKさん。だが気が付けば、長年所有するハイエースのカスタムに没頭する日々。そんな折、同じハイエース仲間であった鈴木さんが突然シェビーバンに乗り換えたと聞く。「一度も相談はなかったですね。アメ車は俺の方が乗りたいと思っていたのに先を越された。もう我慢できずに俺も買いましたよ(笑)」。

手に入れたのは、ショートモデルに限定して本国から直輸入した90年型シェビーバン。映画の劇中車(バンデューラ)の姿に思い入れがあったため、フロントバイザーやオーバーフェンダーもしっかり装着して再現。3本出しサイドマフラーは自身でワンオフ製作したもの。そして鈴木さん同様に、ハイエース時代の「クセ」であるインテリア改装に着手。これは鈴木さんのクルマを見てやり始めたワケではなく、各自がそれぞれ内緒で作業を進め、しばらくぶりに会ってお互いが改装を進めていることを知ったとか。

「ちょっと怪しい大人のバー」がテーマとなるKさんのシェビーバンのインテリアだが、やはり鈴木さん同様に内張りを剥がしてからどんなテーマにするか熟考したと言う。「悩む前にまず剥がすこと。そうすれば、後戻りできませんから(笑)」。それぐらいの意気込みが無ければ完成できないとも言えるだろう。

 

悩んだ末、ホームセンターで目に留まったというフェイクレザーを全面に張ることを決め、そのまま張るのではなく、より高級感を出すためにボタン締めにすることを決める。言葉では簡単だが、そのボタンひとつひとつを手作業でレザー巻きにし、約600個のボタンを打ち込んでいった。

 

そうして出来上がった室内の雰囲気が、バーの雰囲気だったことから方向性が決まり、バーにある装飾を購入し飾っていった。細かい部分は100円ショップ等で材料を買ってハンドメイド。しかしここまで仕上げると、どうしても気になったのが前列の普通のインパネ周り。それならばと、FRPでインパネの型を取り、そこにもボタン締めしたフェイクレザーを貼りこんでいった。さらにナビ画面を隠すように、スチームパンクと呼ばれる造形をこれまた100円ショップアイテムを使って製作。

 

こんな手の込んだ作業が出来るKさんは、もしかしてその道の職人かと思ってしまうが、「その辺にいる普通のサラリーマンです」と笑う。全てが見よう見まねでチャレンジし、トライ&エラーの繰り返し。「出来上がって眺めるのも楽しいですが、やっぱり作っている時間が一番楽しい」。カーショップに行くよりも、ホームセンターや100円ショップに行く時間が多いKさんである。

シェビーバンでは珍しいショートボディをアメリカから直輸入。車中泊を行なうため、購入直後にルーフに穴を空けて換気扇を設置。ホイールはアメリカンレーシングの15インチ(F15×8J、R15×10J)。サイド3本出しマフラーは、Kさん自らが製作したもの。

室内を張り替え改装していくと、インパネ周辺との差が浮き彫りになる。そこでKさんは、インパネをFRPで型取り、そこに室内同様のフェイクレザーを貼りこんでいった。さらにナビ画面を隠すように、スチームパンクと呼ばれる蒸気機関の造形を製作。材料は100円ショップで売っているストロー、芳香剤の蓋、ボタンなどを駆使。そこにアイアンペイントを施した。

壁に設置した球型ライトはピンポン玉をくり抜いて加工

ホームセンターで見付けたブラックフェイクレザーを全体に貼り、600個のクルミボタンにレザーを巻いてボタン締め。苦行のような作業だが、「気が付いたら終わってました」とサラリ。この段階で初めてテーマをバーにすることを決め、それに似合う調度品をセッティング。さらに、壁に配置した球型ライトはピンポン玉をくり抜いて加工するなど、細かい部分はKさんらしい「節約DIY」が駆使されている。トータル費用は約7万円ほど。


OWNER K さん
ハイエース時代からインテリア改装に没頭し、自称「普通のサラリーマン」でありながら、DIYのために専用工具や機器を揃え日々作業に励む。奥様&愛犬と一緒に車中泊も楽しんでいる。最近は「エコカー」として07年型ユーコンを購入。もしかしたら今後、ユーコンがインテリア改装の標的になるかも。


PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2024年3月号掲載


関連記事

RELATED


【シェビーバン】一番愛着を持てるから、自分のクルマは自分で作り上げる

極太タイヤを履き大胆にケツ上げしたシェビーバン。その迫力ある姿だけでも見応えがあるのだが、一番の見どころは、木の温かみを感じるDIYで製作したインテリアだ。

【マグナムSXT】目指すスタイルが明確なので半年間で一気にカスタム!

カスタムは若い時にするもの。そろそろ落ち着いたら…という話をよく耳にするが、タバコとかと同じで簡単にやめられるものでもない。しかも自分より若い世代が頑張っていたら刺激を受けないワケがない。まさに眠れる獅子が目覚め創り上げたのが、このマグナムだ。

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

WORKも認める品質に加え豊富なバリエーションを展開【EKROW WXW C1M】

愛車の個性を引き出すために、必要不可欠なアイテムと言えばアルミホイールが最有力候補。国産ホイールメーカーの雄、WORKでは自社製品以外も扱っており、それがここで紹介するEKROWだ。

目立つスポーティなクルマでカマロを選ぶが、今ではアメ車の魅力を満喫中

他人と被らないという理由でアメ車を選ぶ人は多いが、今回紹介するオーナーさんもその1人。パーツをただ追加するのでなくアレンジも施している。

 

最新記事


2024/10/12

キリっと引き締まった新顔がチャームポイントの新型モデル【ジープラングラー】

SUV

ジープ

アメリカ本国ではすでに発表されていた新型モデルを、2024年5月10日から全国のジープ正規ディーラーで販売を開始した。今回はあまり大きな変更は実施されていないものの、アイデンティティであるグリルをデザインしなおしていることが一番のトピックだ。

2024/10/11

カリフォルニアハウスには国産車よりも断然アメ車が似合う!【1978y シボレーC-10】

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

赤いC-1500で一度本誌にも登場したことのあるオーナーさん。実はその後ハイエースへと乗り換えて数年間は便利で快適なカーライフに身を置いていた。しかし、自宅に停めたその雰囲気がシックリこない。セカンドカーのジムニーでも何か違う。ってことでC-10を停めてみたら完璧!

2024/10/10

直線基調のロングホイールベースで魅せる【カプリスワゴン】

ステーションワゴン

ビンテージ

シボレー

故きを温ね新しきを知る。いわゆる“温故知新”ということわざがあるが、若者たちのアメ車事情は新しきを知ってから古きを知るという逆転現象も珍しくない。2000年以降に生まれた若者たちを魅了してやまない80's Classicに迫る!

2024/10/09

VW TYPEⅡの対抗馬に相応しいCalでVintageなルックスを継承【フォードエコノライン】

バン

フォード

61年にファルコンをベースに誕生した初代エコノラインは、エンジンを床下にレイアウトしたキャブオーバーワンボックスバン。当時のVWタイプⅡに対抗すべくリリースされたとの噂。その二代目となるのが68年よりモデルチェンジを果たしたこちらの個体だ。

ランキング


2024/10/11

カリフォルニアハウスには国産車よりも断然アメ車が似合う!【1978y シボレーC-10】

ピックアップトラック

ビンテージ

シボレー

赤いC-1500で一度本誌にも登場したことのあるオーナーさん。実はその後ハイエースへと乗り換えて数年間は便利で快適なカーライフに身を置いていた。しかし、自宅に停めたその雰囲気がシックリこない。セカンドカーのジムニーでも何か違う。ってことでC-10を停めてみたら完璧!

2024/10/10

直線基調のロングホイールベースで魅せる【カプリスワゴン】

ステーションワゴン

ビンテージ

シボレー

故きを温ね新しきを知る。いわゆる“温故知新”ということわざがあるが、若者たちのアメ車事情は新しきを知ってから古きを知るという逆転現象も珍しくない。2000年以降に生まれた若者たちを魅了してやまない80's Classicに迫る!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2016/12/08

ただでさえ渋いポンティアック中でもカタリナは最上級の渋さ!!

セダン

ビンテージ

ポンティアック

1965y PONTIAC CATALINA
マルセロ