カマロSSはベーシックなスタイルで愛されるアメリカンマッスルの代表格。【SPEED RESEARCH】

ビンテージ

アメリカンビンテージvol.01

カマロ

カマロSS

スピードリサーチ

1st カマロ


伝統を踏襲しながら力強さとスピード感を表現する

王道ホットロッドを表現する定番の1台といえば1stカマロ。仰々しい過度なカスタムではなく、長く愛用するために。クルマの本質を理解し、必要だと考えられるレストアとカスタムを実施。クラシックアメリカンを楽しむための、成功例のひとつがこれだ。

 

カマロSSはベーシックなスタイルで愛されるアメリカンマッスルの代表格。やはり走っている姿こそが最も格好良さを感じさせてくれる。

1969y Chevrolet CAMARO SS

スピードリサーチの技術力やセンスが結集した1台。このカマロをシンプルに表現するとすれば、こんな言葉が頭に浮かぶ。

 

このカマロは、スピードリサーチと10年以上付き合いのあるユーザーが長年大切に愛用している1台で、当初にもスピードリサーチによるレストアが施された。そして、10年の時を経てさらに豊富なノウハウと技術力を身につけたスピードリサーチにより、再度手が加えられたという謹製の1台である。ショップの歴史やプライド、そしてもちろんクルマへの愛情が込められた傑作品だと言っても良いだろう。

 

この1台に対し、10年ぶりに施されたレストアにおける最大のテーマはエンジンルームのリフレッシュだった。内外装はすでに完成しており、またオーナーが大切に愛用してくれていたことがその背景である。しかし「リフレッシュ」と簡単に言っても、極めて大規模なもので、大型プロジェクトと呼ぶに相応しい盛りだくさんの内容となっている。

 

エンジンルームは一度フレームをむき出しの状態にし、エンジン各部へのペイントも施された。インナーフェンダーは一旦取り外し、ブラックにペイントしつつ、内部に配線やオイルクーラーラインを通せるように加工。そして、10年前に一度レストアしたとはいえ、フレームや足回りにはサビや汚れが出ている。それらをすべて取り外し、丁寧にひとつひとつサンディングで綺麗にしていく。

 

クルマに対するこだわりが徹底的に施されまくっていて、正直ここで書き切ることはできない。詳細はスピードリサーチのブログにて、プロジェクト「Blue Bullet」として詳しい様子が6回に渡って紹介されている。読み応えのある内容であるため、是非Webサイトから辿って読んでみてほしい。「BlueBullet プロジェクト」で検索しても見つかるだろう。

 

かくして、この1台は2012年12月に開催されたYOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOWで、「BEST AMERICAN CAR」アワードを受賞した。スピードリサーチが追求した王道スタイルが、素晴らしい1台だと評価されたのである。

1969y Chevrolet CAMARO SS タイヤ

ノーマルフェンダーに加工なしで目いっぱいに収まるタイヤサイズと、絶妙な車高の加減。カスタムのスタイルは色々あれど、こうした王道のスタイルが似合うのはカマロならではの魅力だ。

1969y Chevrolet CAMARO SS ハンドル

シンプルで機能美を感じさせるインパネまわり。手へのフィット感に優れたレーシーなステアリングを筆頭に、運転したい気持ちにさせてくれる佇まい。

1969y Chevrolet CAMARO SS バケットタイプのシート

ホールド性に優れたバケットタイプのシートは、長年オーナーが丁寧に愛用し、状態をキープ。クルマへの愛情が感じられるワンカットだ。

1969y Chevrolet CAMARO SS 搭載するエンジンはGM製ZZ-383

1969y Chevrolet CAMARO SS 1969y Chevrolet CAMARO SS

搭載するエンジンはGM製ZZ-383。セッティング次第では425hpを発揮するモンスターユニットだ。優れたパフォーマンスながら熱量は高めであるため、ラジエーターやオイルクーラーなどで熱に配慮したアレンジがスピードリサーチにより施されている。エンジンルームの見た目にも配慮がなされており、見た目の派手さはなくとも、美しくまとめられた配線類と色味のバランスにより、機能美を感じさせる仕上がりになった。

1969y Chevrolet CAMARO SS 配線やホース類

配線やホース類が熱で劣化しないようフェンダーの裏に通すなどの配慮がなされている。できるだけ長くメンテナンスフリーで乗れるようにと工夫されたアレンジが各部に施されており、安心して乗れる状態だ。

1969y Chevrolet CAMARO SS シフトレバー

スパルタンなイメージを感じさせるシフトレバーは、カバーなどを取り付けないレーシーなスタイル。ブラックの内装とメタリックなレバーの組み合わせは、シンプルでいて素直に格好良い。


取材協力:SPEED RESEARCH
http://www.speedresearch.net/


Text & Photos|AMERICAN VINTAGECAR magazine
アメリカンカンビンテージ vol.01


関連記事

RELATED


【シボレーカマロ】オリジナルへのこだわりを棄てることで手にした悦楽

シボレー・カマロといえばアメリカン・マッスルカーの象徴。その誕生は1966年。フォード・マスタングに勝つために生まれたのは有名すぎるストーリー。その初代モデルの中でもSSグレードが、三重県のバーニーズの店頭に並ぶこのクルマである。

〝ヴィンテージカーに安心して乗れる〟その楽しさをしっかり教えてくれるお店。【東海Car's】

1968y Chevrolet CAMARO 1969y Chevrolet CAMARO Z28 大事なコレクションとして扱うのもアリ。敢えてガンガン乗りこなすのもアリ。どちらのカーライフにも対応できる姿勢。

コルベットの2代目にあたる通称C2は、1963年から1967年に生産された紛うことなきクラシックカーだ 【SPEED RESEARCH】

休日のアシに活躍する〝惚れるカマロ〟1970y Chevrolet CAMARO RS【TDO MOTORING】

TDOモータリングの手により現代風のアレンジが施されている。エアコンやラジエーターなど快適性や安定性を左右するパーツについては適切なカスタムが施され、タイヤ&ホイールは18インチに大型化。そしてローダウンだ。

【RickTreworgy's Muscle Car City】GMマッスルカー&コルベットが充実している驚異のレアモデルコレクション

Rick Treworgy`s Muscle Car City Museumを訪ねて

 

最新記事


2025/04/21

【ティフィン アレグロ ブリーズ 33BR】異次元の存在感と質感、究極のアウトドアカー

キャンピング

OTHER

アウトドア

自由気ままなクルマ旅がしたい。それを実現するにはトレーラーかモーターホームの二者択一となる。取り回しを考えるとトレーラーに軍配が上がるが、熊本のワッツが輸入するティフィンは、まさに贅を尽くした1台だ。

2025/04/19

僕たちの自慢のおばあちゃんは黄色いハマー乗り

SUV

アメマガガールズ

ハマー

21年所有したアストロが致命的な故障を負い、泣く泣く手放すことになったオーナーさん。新たな愛車は絶対にアメ車。次に乗るアメ車を相談するためにショップを訪れた際、光り輝いて見えた1台のクルマ。それが黄色いH2だった。

2025/04/18

8年住んで分かったことビンテージ感が生まれてそれもまた好きになる

HOUSE

ジェネラルで建てたのは約8年前。当時は今ほど建築例も少なく任せて大丈夫か不安もあったが、時間が経っても飽きることなく毎日が楽しい日々。家具や壁に多少のキズも増えてきたけれど、アメリカンビンテージみたいに味が出てそれもまたお気に入り。

2025/04/17

雨ニモマケズ風ニモマケズ… アメ車ファンミーティング開催!

アメマガミーティング

イベントレポート

2024年に引き続き2025年度も年4回のイベントを開催していくこととなり、その第1弾となる「アメ車FAN ミーティング」を3月16日に、千葉県のフェスティバルウオーク蘇我にて開催した。

ランキング


2025/04/21

【ティフィン アレグロ ブリーズ 33BR】異次元の存在感と質感、究極のアウトドアカー

キャンピング

OTHER

アウトドア

自由気ままなクルマ旅がしたい。それを実現するにはトレーラーかモーターホームの二者択一となる。取り回しを考えるとトレーラーに軍配が上がるが、熊本のワッツが輸入するティフィンは、まさに贅を尽くした1台だ。

2020/12/23

古き良き時代のアメリカを連想させるファームトラックスタイル

ピックアップトラック

シボレー

1952 CHEVROLET 3100

2023/09/04

【右ハンドルのマスタングが人気な理由】フォード・マスタング右ハンドルの魅力まとめ

フォード

ショップ

フォード・マスタングといえば、アメリカンマッスルカーの代名詞。力強いパフォーマンスと独自のスタイルが特徴的だ。

そんな多くのファンを持っているキング・オブ・アメ車「フォード・マスタング」に、実は右ハンドルが存在することをご存じだろうか?

今回はそんな右ハンドルのマスタングが、いかに魅力的か、ご紹介していこう。

2025/04/19

僕たちの自慢のおばあちゃんは黄色いハマー乗り

SUV

アメマガガールズ

ハマー

21年所有したアストロが致命的な故障を負い、泣く泣く手放すことになったオーナーさん。新たな愛車は絶対にアメ車。次に乗るアメ車を相談するためにショップを訪れた際、光り輝いて見えた1台のクルマ。それが黄色いH2だった。