映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として、世界一有名なデュース・クーペ をオマージュ

ビンテージ

フォード

アメリカングラフィティー

BFグッドリッチ

デュース・クーペ

グラフィティー・クーペ

5ウィンドー・クーペ

アメマガ2018年9月号

STREET ROD ECSTASY
1932 Ford 5 window


1932 Ford 5 window STREET ROD ECSTASY

「アメグラ」の劇中車をオマージュしつつ昇華

1932 Ford 5 window

映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として、世界一有名なデュース・クーペをオマージュしながらも、スタイリング、ポテンシャルの面で、正常進化させた現代版! スーパーチャージャーで武装したV8モーターが露出したルックスは、正にHOT RODを象徴する憧れのスタイル!
ストリートロッドのベース車として、ダントツ人気のデュースこと32年型Ford

30年代のモデルは、とりわけ軽量なため、ストリートロッドとしてアレンジした状態でも1t程度。それだけに、エンジン出力は200hpもあれば、十分な速さを感じられるのがポイント。その点この個体は、スーパーチャージャーで過給するシボレー350に換装されているだけに、トップレベルのマッスルカーを凌ぐ、ホットな体感が味わえる。

しかも、ミッションは4速マニュアルを搭載しており、その体感はATでは得られないほどダイレクトに味わえる。発熱量が多いスーパーチャージャー車なので、渋滞は避けたいが、撮影時も渋滞に見舞われながらも、快調にポテンシャルを発揮していた。

1932 Ford 5 window

日本では、非日常的でマニアックな印象のストリートロッドは、カーショーなどに行かないかぎり、なかなか目にする機会が少ないのが実情。それでも、ストリートロッドそのものが何か分からないという人であっても、映画『アメリカングラフィティー』の劇中車として登場する「グラフィティー・クーペ」は、お馴染みの存在だろう。

それだけに、ダイキャストなどでリリースされたモデルは人気が高く、競争率も高くプレミア価格が付くほど。この個体は、そんなグラフィティー・クーペをイメージして、5ウィンドー・クーペをベースに、かれこれ20年以上前に、日本でアレンジされたもの。 昔からストリートロッドに憧れていた現オーナーが、近年入手したうえで、自身が理想とするスタイルを織り交ぜながら、アップグレードしている。

1932 Ford 5 window

チョップトップ&サイクルタイプにアレンジされたフェンダーによる引き締ったボディは、グラフィティー・クーペ特有のスタイルとして保持しつつも、ストックよりも縦方向に短縮されるラジエター&グリル、はスーパーチャージャーの導入に伴い、熱対策を考慮してストックのスタイルでリメイクしている。

結果として、マッシブなポテンシャルを獲得すると同時に、全体のシルエットは、グラフィティー・クーペ以上にスタイリッシュに纏まっている。劇中でのオーナー、ジョン・ミルナーに思いを馳せながらも、スーパーチャージャーならではのマッシブなV8パワーをマニュアル・ミッションで味わえるという、なんとも贅沢な仕様なのだ! 

1932 Ford 5 window

関東でのイベントに参加するなど、乗って楽しむストリートロッドの奥義を貫くオーナーの心意気が、この個体の魅力を輝かせている! 30年代初頭のモデルでは、ルーフの中央部分はスチールではなく、木材が使用されていたため、レザーシートで化粧されている。

IMG_1627

チョップトップによって引き締ったフォルムは、疾走感があるだけでなく、空力に優れるホットロッドではお約束の手法。映画「アメリカングラフィティー」は1962年の設定となっており、キャッチーなイエローの車体色や、クロームしたスチールホイールの装着など、全体的に50'sスタイルとなっている。特徴の1つであるグリルの短縮は採用していないが、むしろ、その方がルックス的バランスは優れている。

IMG_1630 IMG_1616 IMG_1622

エンジンは、定番的なシボレー350を採用し、ルーツタイプのスーパーチャージャーでモディファイ。3連Vベルト式のクラシックなスタイルが、この個体のキャラクターにマッチしている。

平均的なハイパフォーマンスV8でも、軽量なデュースクーペではホットな走りが味わえるが、スーパーチャージャーを追加したうえに、マンシー製4速マニュアルの組み合せは、トップレベルのマッスルカーをも凌ぐマッシブな仕様!

IMG_1632

インパネのスチール部分はブラックでペイントし、室内全体にマッチさせている。ゲージ類はクラシカルなスチュワートワーナー製。王道のグランツ製ステアリングも良く似合う。“グラフィティー・クーペ” を意識してシフトハンドルはピストンタイプを採用している。

IMG_1618 IMG_1614

タイヤは定番のBFグッドリッチをチョイス。サイズはフロントは155/80R15、リアは235/75R15という往年のスタイルならではのセットアップ。フロントサスペンションはオールドスクールなIビームながら、リアはコイルオーバー式にアップグレード。リアエンドはFord9。


Special Thanks ◆ Deuce Factory
Phone ◆ 045-333-4877
Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2018年 9月号掲載

関連記事

RELATED


29年型フォード・モデルAと、27年型フォード・モデルT、博物館に展示されていてもおかしくない2台。

東海カーズといえば圧倒的な存在のラットスタイルが有名。

四半世紀以上前にアメリカより輸入した 37年型のスラントバック・セダン。トラディショナルなスタイル!

全盛期だったハイテックスタイルでコンプリートされていた個体を、現オーナーが近年入手した際に、トラディショナルなスタイルにリフレッシュ!

アズールモータリングの魅力を凝縮したような1台 / ビュイック・リビエラ

ハイセンスなカスタムカーを世に送り出しているAZRことアズールモータリング。モダンマッスルやSUVなどイマドキのモデルを扱っているイメージが強いが、実はビンテージアメリカンにも力を入れている。シェベル、リビエラ、マスタングエレノア仕様を紹介しよう。

VINTAGE AMERICAN Produced by AZZURRE MOTORING
1966y BUICK RIVIERA / 1967y FORD MUSTANG Eleanor Ver.

ストリートロッドのベース車として、ダントツ人気のデュースこと32年型Ford

乗って楽しむことこそが、ロッダーの流儀なだけに、コスパに優れるピックアップでフレンドリーに楽しむのがオススメ!

ノックダウン生産された車をベースに、レストア必須のストック状態からストリートロッド へと作り替えた個体

国内にてノックダウン生産された右ハンドル車をベースに、レストア必須のストック状態からストリートロッドへと作り替えた個体。

 

最新記事


2024/09/13

【1995y シボレーサバーバン】外装だけでなくエンジンや足回りもアレンジしたい

SUV

シボレー

アメ車専門店のスタッフはどんな愛車を所有しているのだろう?そんな素朴な疑問からスタートしたこのコーナー。チャレンジャー専門店でカスタムやメンテナンスを担当する上原さんに話を聞いてみた。

2024/09/12

愛車復活の儀式フロアカーペットの交換!!防音断熱材も貼って快適車内空間へ生まれ変わる

メンテナンス

経年劣化が進むのは、外装だけじゃなく内装も進行していく。中でも年数と共に汚れが目立ち、悪臭の原因となるのがフロアカーペット。頑張って掃除をしても限界があるため、そんな時は、思い切って張り替えも選択肢。豊富なカラーから選ぶこともでき、車内の雰囲気は一気に変わっていくぞ!

2024/09/11

カスタムのセオリーが別次元、奥深きコルベットC8カスタムの世界

クーペ

シボレー

ミッドシップ化によってC7以前とは勝手が異なり、スーパーカーとしての装いが映える個体へと進化したC8。まだモデルケースの少ないC8カスタムシーンの中でオートメッセ出展を果たした、最旬スタイルに迫る!

2024/09/10

アメ車マガジン主催による2024年三度目のイベント「アメ車ファンミーティング in Aichi」が開催!

アメマガミーティング

イベントレポート

アメ車マガジン主催による2024年三度目のイベント「アメ車ファンミーティング in 愛知」が9月8日(日)、名古屋港ガーデンふ頭ひがし広場で開催された。アメ車マガジンの愛知でのイベントは2023年5月スカイエキスポで開催のamZ以来の1年ぶり。

ランキング


2024/09/13

【1995y シボレーサバーバン】外装だけでなくエンジンや足回りもアレンジしたい

SUV

シボレー

アメ車専門店のスタッフはどんな愛車を所有しているのだろう?そんな素朴な疑問からスタートしたこのコーナー。チャレンジャー専門店でカスタムやメンテナンスを担当する上原さんに話を聞いてみた。

2024/09/12

愛車復活の儀式フロアカーペットの交換!!防音断熱材も貼って快適車内空間へ生まれ変わる

メンテナンス

経年劣化が進むのは、外装だけじゃなく内装も進行していく。中でも年数と共に汚れが目立ち、悪臭の原因となるのがフロアカーペット。頑張って掃除をしても限界があるため、そんな時は、思い切って張り替えも選択肢。豊富なカラーから選ぶこともでき、車内の雰囲気は一気に変わっていくぞ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!
UNDERWOOD BRAND【アンダーウッドブランド】