存在感としては控えめながら、血統の良さでアメリカでは人気のダート
The Golden Age 60’s-70’s
1967 Dodge Dart
1967 Dodge Dart
The Golden Age 60’s-70’s
黄金期のモデルたち
コンパクトなボディに426HEMIを搭載したスーパーストック専用車は、現代でもクラス最強としてアイコン的な存在。そんな血統の良いダートのスタンダードな魅力を味わえる、オリジナルコンディションの希少な個体。
実車を見ないと分かりにくいMoparらしい魅力を持つ
往年のマッスルカーにおいて、様々な面でモパーマッスルは象徴的な存在だ。劇中車を通し広く一般的に知られるようになったが、レースにおける活躍によって証明されたポテンシャルの高さこそが、マッスカーとしての実力。ドラッグレースが浸透していない日本ではピンとこないが、ドラッグレースにおける市販車両クラス最強モデルとして、ダッジ・ダートは揺るぎない存在。
市販車両とはいえ、実際に参戦できる特別仕様のHEMI搭載車は、数十台しか出荷されていないため、国内ではその存在すらあまり知られていない。しかも、それ以外では、コンパクトのAボディ車であるダートには、基本的にビッグブロックの設定がないため、こと日本では一部のマニアックなファンにしか支持されていない。そんなマニアックな存在であることもまた、ダートのキャラクターらしいのだ。
59年デビュー時はフルサイズ、62年1年のみのセカンドではインターミディとしてスーパーストック参戦もあるが、時代的にも最もスーパーストックが盛んだった67年からのフォースこそが、ダートの魅力が凝縮されている。一見すると武骨で地味な箱型車ながら、激しくラウンドするリアガラスや、マスク&テール周辺の複雑なデザインなど、実車を見ないと分からないディテールにMoparならではのこだわりが詰まっている。
内外装ともに、限りなくオリジナルの状態を保持した、いわゆるサバイバー的な個体。ホイールキャップ&リボンタイヤを履く控えめな部分と、GTをアピールするバンブルビーストライプとのミスマッチ感も含め、ダートらしい魅力がステキなのだ。
ハイパフォーマンスかつリッチなGTには、リアガーニッシュやモールディングが標準で装備される。モールの先端部は、ウィンカーのインジケーターを兼ねた凝ったデザイン。バンブルビーストライプの色調が、内装色やオフホワイトのボディーとマッチして魅力大。
最も多い4ドア車などのスタンダードでは、170ciの“スラント6”が主流で、V8のベーシックは318登場前の273ci。この個体はキャブレターをエーデルブロック製にアレンジした4バレル仕様。トランスミッションは3速ATの“ トルクフライト”。
いかにもなリボンタイヤは、そのサイズっぷりからも時代性が感じられる(F:185/80R13、R:195/80R13)。13インチは現在では考えられないが、コンパクトなダードがシャープに映える意味でも、理にかなっている。
ステアリングは入手時より装着されている唯一の社外品なだけに、ストック品を探しているが、内装色と同色のタイプで黒以外は入手困難。オプションカラーはセンターコンソール、シートベルトも含めて統一され、特有の一体感がある。
Special Thanks ◆ Auto Raid
TEL:0766-52-8830
HP:http://www.auto-raid.com/
Photo ◆ Hiroshi Nose
Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2019年 12月号掲載
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