標準で440エンジンを搭載するGTX / 高い運動性を誇るダスター340

1968 Plymouth GTX
1970 Plymouth Duster
INITIAL P PONTIAC & PLYMOUTH
1968 Plymouth GTX
ハイパフォーマンスな4バレル仕様の440エンジンを搭載したベルベディアのマッスルバージョンとして67年にデビューしたGTX。68年からは、モデルチェンジを受け、ボディはロードランナーと共有するが、GTXは標準で440エンジンが搭載され、最上級バージョンとして、セパレートシート&コンソール、ガーニッシュやモールディングによる装飾も標準となる。
ダッジにおけるコロネットに対するチャージャー同様に、マッシブなマッスルにしてラグジュアリーな要素も兼ね備えている。ロードランナーで標準の383が335hpに対して440は375hpと、数値的に大差ないように思えるが、体感的に440はかなり暴力的なのがポイント。ラグジュアリーな要素を持つ割に、軽量な点も、マッスルとしての大きなチャームポイントなのだ。
初代67年型が見事なほどの直線基調だったが、68年型では曲線を取り入れ、真上からのシェイプは、“ 砂時計型” といわれるほどグラマラス。440エンジンは375hpを発揮する4バレル仕様。3速ATのTF727、LSDを組み込んだファイナルレシを3.23:1の標準設定で、1/4マイルを14秒台で駆け抜ける実力。出荷台数は、17,000台程度。
1970 Plymouth Duster
Moparマッスル=ビッグブロックというイメージが強いためか、最強で340ciのダスターは、国内では影が薄い。しかし、アメリカでは、プロストックやファニーカーで採用されまくったことや、ファストバックスタイルのフォルムも人気で、ある意味最もメジャーなMoparマッスルなのだ。
バリアントがベースなだけにコンパクトで軽量なため、275hpの40ciエンジンでもかなり高い運動性を発揮。ただし、4000回転から本領を発揮するエンジンなだけに、この個体のように、4速マニュアル車こそ、その魅力を満喫できる。ATの場合はストリートでは本領を発揮しにくいため、ドラッグレース場では特にメジャーな存在である。そもそもの価格帯が低く、現存数が多いため入手しやすいモデルだったが、年々人気が再認識され、近年では立派なコレクタブルカーとなっている。
ファストバックなフォルムが長いリアオーバーハングによって強調された、いかにもMoparらしいスタイリング。斜め後方からの姿が最もそれらしい。キュートなダスターのマスコットがガーニッシュに入る。
4bbl仕様の340ciは、275hpと、数値的にはインパクトに欠けるが、レスポンスがとても良く、マニュアルミッションの組み合わせは実に楽しい。同じ車格の他社モデルの中では、セールス面では劣るが、実際の運動性能では最も高いのがポイント。
Special Thanks ◆ Auto Raid
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Photo ◆ Hiroshi Nose
Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2020年 1月号掲載
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