次世代とは似ても似つかぬフェイスとスタイリングではあるが、ポニーカーとしての実力はかなりのもの

1999 FORD MUSTANG
THE 90's STRIKES BACK ナインティーズの逆襲
癖のないスマートなフォルム、際立つ原点回帰目前モデル!
1999 FORD MUSTANG
2000年代後半に昔ながらのフロントマスクへ原点回帰を果たしたマスタングの6代目。その直前に当たるのが今回撮影した5代目後期モデル。次世代とは似ても似つかぬフェイスとスタイリングではあるが、ポニーカーとしての実力はかなりのものだ。
リゾート地のレンタカーといえばこれだった!
1993年にデビューした5代目マスタング。当時のスペシャリティカーを象徴する端整な顔立ち、そしてフォルムは多くのフリークたちを魅了し、なかでもコンバーチブルモデルは別格の人気ぶりを見せた。5代目前期のコンバーチブルが登場するPV、ドラゴンアッシュのヒット作「Let yourself go,Let myself go」では仲間を乗せて気持ち良さそうにドライブする姿を今も鮮明に覚えている。
そしてもう一つ、オープンカーが絵になる南国リゾートのレンタカーとしても印象に残っている。イエローやレッドのビビットカラーに身を包むマスタングコンバーチブルと青い海、パームツリーのコラボレーションは昨今でいうところのインスタ映えそのものだ。記憶を書き連ねてみると、比較的派手で軟派な印象を持つキャラクターではあるが、走りの方は意外と優等生で、剛性の良いシャシーの恩恵を受けたコーナーリングの安定感や、3.8L V6の200hpに迫るパフォーマンスと扱いやすいサイズ感も相まって、当時のスペシャリティカーとして充分なスペックを誇っていた。
撮影車両はドルチェ20インチのクロームを履く。賛否両論あるとは思うが、2000年代に突入すると20インチオーバーのクローム履きは車種を問わず一つのトレンドだったので、ある意味時代を知る上では貴重な存在。ホイールを除けば過剰なカスタムを受けていないディーラーモデルなので、オリジナル志向の方は純正ホイールを探して乗るという選択肢もあり。良い個体は年々減少傾向なので、お探しの方は必見の一台と言える。
3.8L V6 OHV搭載で193hpと当時としては優秀なスペックのエンジンを搭載。倍以上の馬力を叩き出し、8速にも及ぶATトランスミッションを誇る昨今のクルマたちとは異なる、4速ATの懐かしいフィーリングは今乗ると新鮮。V8モデルと比較すると燃費も多少は良く、まだまだ現役として活躍させるだけの魅力十分である。
左右対称のインストルメンタルパネルは直接的な祖先ではないものの、どことなくコルベットC2に近い印象。ベージュ基調のモケットシートのコンディションもモデルイヤーの割には綺麗で、経年劣化の進んだ幌を新調すればパリッと仕上がりそうな予感。
Dolceの20インチクロームホイールは、ラグジュアリーブームの名残。当時はSUVやセダンのみならずクーペボディですら大口径履きがカスタムのトレンドだった。
THANKS:BLUE RIVER
TEL:0725-56-6400PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載
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