F150をベースにモディファイされた、マッスルトラック「ライトニング」

ピックアップトラック

フォード

埼玉県

PACIFIC COAST HWY

SVT

SVT Lightning

アメマガ2020年4月号

THE 90's STRIKES BACK

1999 Ford SVT Lightning

THE 90's STRIKES BACK ナインティーズの逆襲


1999 Ford SVT Lightning

世界で最も高セールスなモデルであるF150をベースに、メーカー純正ホットロッドとも言えるアプローチでモディファイした“ ライトニング”。保守的なFordトラックにおいては異端なマッスルトラックとしてコレクタブルな存在。

メーカー純正ホットロッドというアプローチ

GMCがS10をベースにターボチャージャーで武装したサイクロンや、シボレーでは1500のホットバージョン、454SSをリリース。それに触発されるように、フォードは主力のF150をベースのホットバージョンとして、「ライトニング」をリリース。Ford Special Vehicle Team(SVT)が製造する、往年のマッスルカー同様、メーカー純正ホットロッドというアプローチ。

 

93~95年の初代は、ルックス、ポテンシャル共に、もう一つといった感じだったが、3年のブランクを置いてリリーした2代目(99~04) は、ベースのF150が97年で一新した10世代目がベース。それまでの武骨で保守的な直線基調なデザインから、曲線を取り入れたモダンでカジュアルなイメージに一新された。スーパーデューティなF250、F350は独立したモデルとなるのもポイント。

1999 Ford SVT Lightning

特別仕様の ライトニングは、F150をベースとしながらも、フレームやサスペンションに大幅な変更が加えられ、車重も大幅に軽量化されている。搭載エンジンは通常のF150と同じ5.4L SOHC V8だが、イートンM112スーパーチャージャー&インタークーラーを搭載し、最高出力は360hp(01~04年型では380hp)を発生する。トランスミッションは、スーパーデューティなF350の強靭な4速AT(4R100)をモディファイして連結している。

 

リアエンドにはリミテッドスリップデフが組み込まれ、ファイナルレシオは3.55:1。ドライブシャフトには4.5インチのアルミ製を採用。ブレーキは4輪ABS/ディスク。サスペンションもヘビーデューティなモンロー製を採用している。

コレクタブルな存在だが走ってこそのマッスルトラック

1999 Ford SVT Lightning

F150世界一出荷台数の多いピックアップトラックながらも、ハイパフォーマンスに特化したSVT製特別仕様車のライトニングは、99~04年までの出荷台数はわずか2万8124台。そのキャラクターと希少性から、現在ではコレクタブルな存在となっている。それでも、マッスルトラックとしてポテンシャルを発揮させてこそが真価とあって、アメリカではドラッグストリップで目にする機会が多い。日本ではアメリカとは逆に、そもそもF150がマイナーなだけに、ライトニングとなるとかなりマニアックな存在。

1999 Ford SVT Lightning

そのため、この個体しか見たことがない。数年前にツインリンクもてぎで開催されるドラッグレース走行会にて初めて遭遇した。個人的にも実際に欲しいお気に入りのモデルであり、ライトニングのキャラクターに最も見合うシチュエーションでの遭遇に興奮した。

 

その後も、ドラッグレースにはコンスタントに参戦しており、1000フィートで行なわれているストリートシュートアウトでの11秒クラスにおいて、なんと3回も優勝した実績を持っている。ハイストールコンバーターの投入や、よりクイックなファイナルレシオへのアレンジ、ドラッグスリック装着用リヤホイールなど、ドラッグレースに向けたモディファイを施しながらも、ストックとしても魅力が生かされている。そして、ストリート&ストリップとして日常でも活用されているのが素晴らしい。

 

時間の経過に伴って、ナインティーズのモデル自体の希少価値が高まっている中、ルックス、ポテンシャル共に一際魅力的なSVTライトニングは、90年代を代表するハイパフォーマンスモデルとしても外せない存在なのである。

1999 Ford SVT Lightning

上下のグリル、丸型フォグランプ、フロントエアディフレクター、フルカラーリヤバンパー、サイドスカート&サイドマフラーなど、専用パーツによる独自のルックスが魅力大。アメリカンピックアップ伝統のステップサイドのみでラインナップ。ちなみに『ワイルドスピード』の劇中車が近年ダイキャストでもリリースされている。

IMG_0742 IMG_0745

ベンチシートながらも、マッスルトラックに見合うバケット形状のセパレートタイプ。ベージュのファブリックに黒レザー(SVTの刺繍入り)によるコンビで、通常のF150よりもスポーティーカつリッチなイメージ。ステアリングの赤いスイッチはドラッグレース時に発揮するロールコントロール用。

IMG_7485IMG_0794

ホイールは01年の純正デザインにしてインチアップ版18インチを装着。タイヤはNitto Extreme ZR(295/45ZR18)。サスペンションには、モンロー製(99~01) のヘビーデューティサス(02~ 04ではビルシュタイン)が備わる。ファイナルレシオの変更に伴ってアレンジしたアルミ製デフカバーがキャラに見合って◎!

IMG_0740

通常のF150に搭載される5.4L SOHCトライトンV8が260hpなのに対して、スーパーチャージャーで武装するライトニングでは360hp を発生。ハイスペックに応じて、トラスミッションは強靭な4速AT(4R100) をモディファイしてして搭載されている。


Special Thanks ◆ PACIFIC COAST HWY

TEL:048-422-4399
HP:www.pacific-coast.jp/
Photo & Text 石橋秀樹
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載

最新記事


2023/09/29

アメ車と、仲間と戯れる、最高の空間を手に入れた夫婦

ピックアップトラック

SUV

キャデラック

ダッジ

夫婦でそれぞれクルマを所有しているのは珍しいことではないけれど、それが共にアメ車となれば話は別。さらにガレージ、アメ車が10台以上止められる広い敷地、これはもうアメ車乗りの理想形が詰まっている!

2023/09/28

汚して使い倒してこそが、トラック(シルバラード)の正当な乗り方!

ピックアップトラック

シボレー

アメ車のことはまったく知らなくても、乗り出したことでどっぷりとハマるなんていうパターンはよくある。紹介する小野さんもそのひとりで、シルバラードに乗り出してからは充実したアメ車ライフを過ごしている。

2023/09/27

やっぱりGMが好きなので、迷わずシルバラードを選ぶ

ピックアップトラック

シボレー

それがいつのことか、どこだったのかまったく思い出せないが、街を走るアメ車の四駆を見て「カッコイイ!」と思った三河さん。その刷り込みが非常に強く残っていたことで、今にして思えばそれがアメ車ライフの始まりと言える。

2023/09/26

【グランドワゴニア / ラングラールビコン】392ciのV8を搭載する、正反対なキャラクター!

ショップ

ここ数年、アメ車にもエンジンのダウンサイジング化の波が押し寄せている。だが、そんな時代の流れに抗うかのように登場した、ラングラールビコン392とグランドワゴニア。エンジンこそ同じだが、まったく異なる2台を紹介しよう。

ランキング


2023/09/29

アメ車と、仲間と戯れる、最高の空間を手に入れた夫婦

ピックアップトラック

SUV

キャデラック

ダッジ

夫婦でそれぞれクルマを所有しているのは珍しいことではないけれど、それが共にアメ車となれば話は別。さらにガレージ、アメ車が10台以上止められる広い敷地、これはもうアメ車乗りの理想形が詰まっている!

2016/11/04

超レアなマスタング、1969年モデルのBOSS429!

クーペ

ビンテージ

フォード

1969y FORD MUSTANG BOSS 429

2022/07/14

チャレンジャーとチャージャー、実はこの2台は双子の様な存在と言える。

セダン

クーペ

ダッジ

2019 DODGE CHALLENGER R/T SCATPACK WIDEBODY[SUBLIME]
2018 DODGE CHARGER DAYTONA392[YELLOWJACKET]

2021/01/15

洗練されたスタイリングに生まれ変わった、グローバルスポーツカーのC4コルベット

クーペ

シボレー

1994 Chevrolet Corvette