-アメカルにまつわるエトセトラ- #2 『ザ・リアルカーガイ』

コラム

アメマガ2020年4月号

アメカルにまるわるエトセトラ

#2「ザ・リアルカーガイ」

et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-


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-アメカルにまつわるエトセトラ-

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#2「ザ・リアルカーガイ」

話題の「フォードvsフェラーリ」。アメマガ読者諸兄でもかなりの方がご覧になっているのではないかと。私も公開初日に観賞しました。迫力のレースシーンに手に汗握り、ハッピーエンドとはいかないリアルストーリーに胸を熱くしました。自身、劇場と配信を合わせて年間200本近くを観賞する映画好きでもあるのですが…自動車映画はあまり観ません。

「フォードvsフェラーリ」の予告を観た時も「タイトル直球過ぎ」と軽く引いたのですが、その印象はマット・デイモン扮するキャロル・シェルビーの姿を見た瞬間「これ絶対面白いやつじゃん」に変わり、封切りが待ち遠しくなったりするので単純です。

 

さて、キャロル・シェルビー。アメ車好きの皆さんなら聞き覚えのある名前かと思われます。「シェルビーコブラ」や「シェルビーマスタング」などなど、マニア垂涎なモデルに名前を冠されたアメリカ自動車業界の巨星。まだ映画をご覧になっていない、そもそもキャロル・シェルビーについてよくご存じでない方のために簡単に彼の足跡をご説明すると…(映画のネタバレも含みます)

 

第二次世界大戦後、養鶏場経営の傍らに参戦していた草レースで頭角を現した彼は、最終的にルマン優勝にまで登り詰めますが、持病の心臓病によりレーサーを引退。今度はコンストラクターとして伝説のハイパフォーマンスカー「シェルビーコブラ」を誕生させます。

そしてコブラへのエンジン供給で関係のあったフォードに要請され、誕生間もないマスタングのスペシャルモデル「シェルビーマスタング」を制作。さらにレースモデル「GT40」にリメイクを施しフォードが切望していたルマンでの優勝を達成…と、ここまでが「フォードvsフェラーリ」で描かれた時代。

その後、フォードとキャロルのパイプでもあったリー・アイアコッカがフォードからクライスラーに移ったことから、今度はクライスラーのために次々とスペシャルモデルを産み出し、最終的には「ダッジ・バイパー」を誕生させます。「現代版コブラ」とも呼ばれるバイパーですが、正に「そのまま」といっても過言ではない成り立ちだったわけです。

その後、フォードと復縁(?)した彼は共にGT40やコブラのリブートモデル誕生に関わりながら、2012年にその華やかな自動車人生の幕を閉じたのでした。

 

表面をかいつまんだだけでも綺羅星のような彼の人生ですが、自身が心臓病や移植手術で苦しんだことから、自身の名を冠した心臓病財団設立や慈善団体への継続的な寄付も行なうなど慈善家の一面も。

テンガロンハットを好み( テキサス出身!) しわくちゃな笑顔で写真に写っている彼を見るにつけ、「カーガイ」ってこんな人のことを指すんじゃないかと思わずにはいられないのです。


TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2020年 4月号掲載

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Text & Photos|アメ車MAGAZINE編集部