-アメカルにまつわるエトセトラ- #4「偉大なるスペースファンタジー」

コラム

アメカルにまるわるエトセトラ

アメマガ2020年6月号

#4「偉大なるスペースファンタジー」

et cetera about AMERICAN CULTURE -アメカルにまつわるエトセトラ-


et cetera about AMERICAN CULTURE

-アメカルにまつわるエトセトラ-

cap_2001

#4「偉大なるスペースファンタジー」

いよいよお題はクルマから大きく離れます。以前、「アメ車にまつわるエトセトラ」という連載をさせていただいていたのですが、今回は担当編集K君より、「タイトルは“アメ車”じゃなくて“アメカル”でいきましょう」との提案。実はK君も私もクルマと同等以上にサブカルが大好物にて否はありません。そして連載も第4回。いよいよ座も温まってきたところで…スターウォーズ(以下SW) です。

 

SWはご存知だと思いますが、その印象は年代によって結構温度差があるのかなぁと想像します。なにせ1作目である「エピソード4」の公開が40年以上も前ですから、アラフォー以下な世代にとっては「なんか昔っからやってるみたいね」くらいの感覚かもしれません。ところが我々…アラフィフ以上の世代にとっては違います。

プリクエル(前日譚)トリロジー終了から10年後、最後の三部作であるシークエル( 後日譚) トリロジーの一発目である「エピソード7」が公開された2015年。普段は映画の話なんかしない知人より「SW観た?」と聞かれ( それも何人も!)、驚きました。そのくらい、我々の映画魂にインパクトを刷り込んだ作品といっても過言ではないのです。

 

ハリウッドの巨大バジェットによる制作ということで、当時としては画期的な絵作りだった事も熱狂的ファンを生んだ一因ではありますが、軸は練り込まれた様々なアイデアにあったと思っています。それまでの「宇宙映画」というとほとんどが「地球人vs宇宙人」。すると「リアリティ」という障壁が邪魔をして作る側も観る側も「子供向け」というレッテルを貼りがち。

 

ところがSWでは冒頭に挟み込まれる「遠い昔、遥か彼方の銀河系で…」という有名な1行で全ての障壁を取っ払います。場所も時も我々とは全く関係ないので何でもあり。「SW世界」でのつじつまさえ合っていれば良い。つまり「サイエンスフィクション」のSFではなく「スペースファンタジー」のSFなのです。

また、それまでの「宇宙モノ」といえば、体にぴったりとフィットしたラメラメスーツが定番でしたが、SW…特にオリジナルトリロジーでは、道着をベースにしたといわれているルークのコスチュームや、カウボーイ風のハンのコスチュームなど、それぞれのキャラに合ったスタイリングは40年たった今見ても古さを感じさせません。更に、ダースベイダーやストームトルーパーなどヴィランがヒーローに勝るとも劣らない人気を得たのも、その後の映画作りに影響を与えた特徴。

 

そんなこんな、この作品は語りだすとキリがないのもファンをつかんで離さない牽引力です。そういえば、ジョン・ウィリアムスによる音楽が素晴らしいのもSW。オープニングでロゴの登場と共に鳴らされるファンファーレを聞くと、脳内の扉が開かれる気がするのです。


TEXT & ILLUSTRATION : JIN HATTA
アメ車マガジン 2020年 6月号掲載


最新記事


2025/11/06

統一感が生む独自の世界は近未来な印象を抱かせる【ハマーデザイン】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ショップ

ハマーデザインの濱岡氏がアメリカ滞在時に出会ったダニーD氏。彼に亡き今、その遺志を継承し後世に広める者として、様々な作品を濱岡氏は生み出し続ける。

2025/11/04

【FIELD STYLE JAPAN 2025】450社以上が出展するアジア最大級のアソビの祭典

イベントレポート

FIELDSTYLE JAPAN 2025
AICHI SKY EXPO(愛知国際展示場)

2025/10/30

【マッスルカーナショナルズ14】イベントの主役は、1960~70年代のアメリカンマッスルカーたち

イベントレポート

MUSCLE CAR NATIONALS 14
18th May 2025
名古屋港ガーデンふ頭ひがし広場

2025/10/28

夫婦でアメ車!しかもマッスルカー2台という贅沢な選択肢【チャレンジャー&マスタング】

クーペ

ダッジ

フォード

一台はマッスルカーやトラック、そしてもう一台はミニバンやSUVと、夫婦でアメ車2台を所有する方たちの大半はどちらか一方がファミリーカーとして成立するパターンが多い。そんな中、どちらも2ドアクーペのマッスルカー2台を所有する強者夫婦を発掘!

ランキング


2025/11/06

統一感が生む独自の世界は近未来な印象を抱かせる【ハマーデザイン】

クーペ

ビンテージ

シボレー

ショップ

ハマーデザインの濱岡氏がアメリカ滞在時に出会ったダニーD氏。彼に亡き今、その遺志を継承し後世に広める者として、様々な作品を濱岡氏は生み出し続ける。

2020/08/31

魅惑のマッスルカー黄金時代:1960年代と70年代の誇り高き車両たち

ビンテージ

人気のあるマッスルカーであるマスタング、カマロ、チャレンジャーに焦点を当て、1969年のシボレー・カマロ、コルベット、フォード・マスタング・ボス429を紹介。性能やコストパフォーマンスだけでなく、美しさや運転の喜びにも注目。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2016/03/24

ランチェロを毎日乗り回せる、その秘密とは【フォード ランチェロ】

ピックアップトラック

ビンテージ

フォード

Ford RANCHERO
Car-Producer K&G