【メンテナンス マスタング】性能をフルに引き出すには、メンテナンスは必要不可欠

メンテナンス

FLC

マスタング

フォード四日市

マスタングメンテナンス

三重県

アメマガ2020年8月号

MAINTENANCE of MUSTANG


MAINTENANCE of MUSTANG

半世紀以上の長きにわたりマッスルカーを牽引してきたマスタング。その高いパフォーマンスに多くのユーザーが魅了されるが、日々のメンテナンスがなければ性能を発揮することは不可能。そこで今回は、新車の右ハンドルマスタングを独自に輸入するFLCグループのフォード四日市にお邪魔し、メンテナンスポイントをご教授頂いた。

乗り始めた瞬間から確実にクルマの性能は低下する!

実はフォードのクルマは、BIG3のなかでもとくに丈夫な傾向があり、さらにマスタングはサーキットでちょっとラフに走っても、しっかり応えてくれるし、それゆえに耐久性も高い。2015年に登場した7代目はほぼノントラブルで、レポートもアメリカから届いていないとか。また6代目もかなり優秀な造りとのこと。だが、ノーメンテナンスで性能がキープできるわけではない。自分でメンテナンスを行なわないまでも、愛車のコンディションを管理するのはユーザーの役目とも言える。


ちなみにフォード四日市のテクニカルリーダー曽我さんは「油脂類の交換時期はメンテナンスノートに従えば良いですが、走る環境やライフスタイルも考慮して欲しいです。オイル類は粘度指数が合っていれば大丈夫だと思いがちですが、実は純正オイルにはそのクルマに適した最適な添加剤が使用されています。また最近のクルマには様々なセンサーが各部に装着されており、純正テスターでないとかなり深い階層までチェックすることはほぼ不可能ですね。


メンテナンスをして何も悪いことはないですし、大切にした分だけクルマは応えてくれます。乗った瞬間から性能は下がってしまうので、マスタングを熟知する専門店にメンテナンスを依頼するのが賢明です」と衝撃的な一言を頂いた。 見える部分のカスタムは確かに楽しいが、見えない部分だからこそ注意したいもの。大きなトラブルが起きる前に、予防的な整備がやはり大切だと言える。

MAINTENANCE of MUSTANG #01
DIAGNOSIS TESTER
純正テスターを使用して奥の奥まで異常がないかしっかりチェック

_N6I9241 _N6I9250

今やクルマの各部には様々なセンサーやコンピュータが組み込まれており、常にクルマの状態をチェックしている。OBDⅡと呼ばれるシステムで診断機を接続するが、FORD純正の診断機を使用しないと、かなり奥のトラブルをチェックすることは不可能だ。また、長期間乗らないからといってバッテリーの端子を外したり、キルスイッチを追加するのは御法度!駐車場に停めている時も常に電気を流し、各部をチェックしているので却ってトラブルの原因となる。

MAINTENANCE of MUSTANG #02
ENGINE OIL & COOLANT
できる限り純正品のオイルや冷却水を使用するのがベターだ

_N6I9220_N6I9232

クルマの心臓であり、その冷却や循環を司るオイルや冷却水は非常に重要な部品とも言える。エンジンオイルは最低限100%化学合成油で、粘度指数は5W-20と指示されているが、走る状況に応じて10W-30を使用してもOKとのこと。フォードでは15000kmで交換と指示するが、これは5000kmごとに継ぎ足し、3回に1度全交換してくださいという意味だ。ラジエターの水量はかなり多くロングライフになっているので神経質になる必要はないが、エコブーストは水冷ターボなので峠やアクセルのオン/オフが頻繁なら短いサイクルで交換しておいて損はない。

MAINTENANCE of MUSTANG #03
AIR CLEANER
定期的な交換や洗浄を行なうことでクルマを良好なコンディションに保つ

_N6I9223

DIYで実践できるメンテナンスの代表格といえば、やはりエアクリーナーの清掃や交換。純正品を使用しているなら前後の向きを変えたりエアーでゴミを吹き飛ばせるが、思い切って毎回新品に交換するのもアリ。ちなみに洗って再使用できる高効率フィルターをエアーで乾かすのは中のスポンジが破れるので厳禁。自然乾燥させるのがベストなので、フィルターを2セット用意しておいた方が良い。もちろんエアクリーナーボックスの中も、拭き掃除するのをお忘れなく。

MAINTENANCE of MUSTANG #04
BATTERY
古いバッテリーを無理に使用すると最悪ハーネス交換になることもある

_N6I9235

本文でも述べたが、最近のクルマは駐車時でも微弱な電流を流し続けているので端子を外すのは厳禁。メンテナンスフリーのバッテリーが今では主流だが、バッテリーが古くなってくるとバッテリーの内部で希硫酸ガスが発生し、それが端子に付着してしまう。こうなってしまったら、迷わず端子を清掃してバッテリーを交換しよう。そのまま放ったらかしにして乗り続けると最悪の場合はハーネスを全交換することになり、10万円以上の出費になってしまうので注意しよう。

MAINTENANCE of MUSTANG #05
DIFFERENTIAL
純正のデフオイルにはマスタング用に唸りを抑える添加剤が配合されている

_N6I9175

エンジンオイルほど気を使われていないのが、リアのデフオイル。7代目は独立懸架となったが、6 代目までは頑丈なリジッドアクスルを採用する。頑丈なのは良いが、高速道などを長時間休まず走り続けるとオイルが高温になりオイル切れをすることがある。2時間に一度休憩するのは、ドライバーのためだけでなくクルマを労わる意味もある。ちなみにFORD純正オイルにはデフの唸りを抑える添加剤が配合されているので、ここは迷わず純正品を使用するべきだ。

MAINTENANCE of MUSTANG #06
AIR CONDITIONER DUCT
6代目マスタングを青空駐車している人はとくに注意して欲しい!

_N6I9196 IMG_2211 _N6I9211 _N6I9190

青空駐車をしているマスタングに限定されるが、エアコンフィルターは助手席のワイパーカバーを外したところにある。問題はこの前側にあるドレンコックが、枯葉や黄砂、さらには花粉で詰まってしまうことがある。ここが詰まった状態で大雨が降ると、最悪の場合はエアコンフィルターから雨水が車内に流れ込んでしまう。助手席の足もとだけがビシャビシャに濡れている場合は、ドレンコックの詰まりを疑おう。予防策としては、エアコンフィルターの交換と同時に、ドレンコックの清掃を心掛けよう。

MAINTENANCE of MUSTANG #07
BODY
ストライプ装着車は雨が降ったらなるべく早く拭きあげる

_N6I9147 _N6I9142

ランプの曇りは殆どないが、グリルにランプを埋め込んだ車両でハイワッテージバルブに交換すると、ハーネスを損傷する場合がある。ボディはコーティングを施工すれば良いが、問題はストライプ。ワックスが付くと白ボケするし、雨が降ったままにするとスポットができるのでなるべく早く拭き取ろう。

MAINTENANCE of MUSTANG #08
BRAKE
重要保安部品なのでDIY交換は厳禁、定期的に目視して状態をチェック

_N6I9163

安心して走るためには、ブレーキパッドの残量やディスクの厚みのチェックは欠かせない。整備士でない限り自分で交換するのは厳禁なので、オーナーができるメンテナンスは日々の点検に限られる。とくにサーキットを走る機会が多い人は、走行前のチェックをお忘れなく。ちなみに6代目のマスタングでリアホーシングのシールからオイルが漏れ、リアディスクに付着してしまいブレーキがまったく効かなくなるというトラブルがあるそうだ。

MAINTENANCE of MUSTANG #09
SUSPENSION
ショックアブソーバーや樹脂部品は消耗品と割り切り定期的に交換!

_N6I9184

乗り始めた瞬間から性能が低下する際たるものは、やはりサスペンションに尽きる。純正品はもちろん耐久性に優れているが、いつまでもその性能をキープできるわけではない。走行距離が増えれば樹脂部分がヘタリ、各部のガタはどうしても起きてくるもの。末長く、気持ちよく乗り続けたいなら定期的な交換をすることで、ボディへの負担も減らすことができる。また、中古車を購入した場合、思い切って最初にメンテナンスすることで、以後のトラブルを予防することもできるだろう。

MAINTENANCE of MUSTANG #10
POWER STEERING
余りにも大きなホイールを装着するとステアリングのモーターが壊れる!

_N6I9181

マスタングを購入したら、まず最初に手をつけたいのがタイヤ&ホイールだろう。だが、過度なサイズに変更すると非常に重くなり、パワーステアリングに負担が掛かることを知って欲しい。昔の油圧式なら徐々に重くなり予想できたが、最近はモーターアシストなので何の前触れもなく突然重くなり、壊れたらまずステアリングの操舵は不可能。インチアップは否定はしないが、クルマを長持ちさせたいならフォード四日市では、できれば2インチアップまでにした方が良いと話してくれた。

MAINTENANCE of MUSTANG #11
SEAT
ボディと同様に痛む前にコーティング、シートの撥水処理も汚れ防止に効果的

_N6I9214

最近のシートは非常に良くなってきたが、使い方が悪いとやはりひび割れが起きてしまう。そうなる前に、シートのコーティングや撥水処理を施すことで、寿命を延ばすことができる。また車内を劣化させる1番の原因は、紫外線。それを防ぐためにボディカバーをする人もいるだろうが、ペラペラの物は風で擦り傷になることがあるので裏起毛されたものでないならカバーを掛けない方が良い。最善な保管場所は、やはり屋根付きのガレージだと断言してくれた。


SHOP DATA:FORD YOKKAICHI

住所:三重県四日市市日永4-2-7
TEL:059-346-5322
HP:https://www.f-l-c.jp

フォード岐阜

住所:岐阜県岐阜市西河渡2-5
TEL:058-254-0330

フォード松阪

住所:三重県松阪市市場庄町1148-1
TEL:0598-56-5220

_N6I9113_N6I9122


PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載

関連記事

RELATED


ノーマルだけど普通じゃない、そんな右ハンドルのマスタングあります!

「輸入車だから左ハンドルが良い!」というのは昔の話。今や欧州車の多くは右ハンドルを採用するし、日本で運転するなら間違いなく右ハンドルの方が便利。そんな乗りやすいアメ車がフォード四日市にはある。

右ハンドルのマスタングで、妻と楽しむ最高のクルマ!

FORD MUSTANG GT FASTBACK RIGHT HUNDLE PONIES

カスタムもメンテも納車前にお得に実施!【ウイングオート】

愛知県清須市に位置するウイングオート。アメ車を中心とした老舗のプロショップであり、車両販売のみならず、カスタムや整備に関しても強いところ。そのウイングオートが、マスタングに関する新しいサービスメニューを開始した。

経済的なマスタングエコブーストはコンバーチブルでしかも右ハンドル

2017 FORD MUSTANG EcoBoost Convertible

SHAFTにて、シャシーダイナモメーターでマスタングの状態をチェック

根本的な原因を究明すべく、以前もチェックしてもらったSHAFTにて、シャシーダイナモメーターでサブロー号の状態をチェックしてもらい、何が悪いのかを診断・改善していただくことにした。

 

最新記事


2024/12/14

波乗りは海だけじゃない、バリスティックなら波を待つことなく川でサクッと楽しめる!

アウトドア

ショップ

多少サーフィンを嗜む筆者。かつてウェイクボードや人口の波で遊ぶサーフィン位は経験したことはあるが、川で波乗りは初体験!アメ車乗りが本気で楽しむべき新感覚のマリンレジャーを体感型で徹底リポート!

2024/12/13

一番可愛いアストロに乗りたいそれが旧マスクのショート

バン

シボレー

子供が増えるにつれ、手狭になってきた愛車。もっと大きなクルマを探しているなか、目を付けたのがアストロ。なかでも一番可愛いくて惹かれたのが旧マスクのショートボディ。ボロボロだった状態から見事復活させ、最高に可愛いアストロが完成した。

2024/12/12

手に入れたラムバンは世にも珍しい四駆

バン

ダッジ

ネットで何気なく購入した「四駆」のラムバンは、後に世にも珍しいモデルだと知る。これをベースにカスタムしていけば、オンリーワンになれるかも?しかし、素性の知らない足回りの車両を敬遠するショップも多く困り果てた馬場さん。そこで向かった先は…。

2024/12/11

音量アップが目的じゃない走りを意識した大人のマフラーを考察

SUV

コラム

仕事にプライベートに毎日フル稼働するGMC・ジミー!

ランキング


2024/12/13

一番可愛いアストロに乗りたいそれが旧マスクのショート

バン

シボレー

子供が増えるにつれ、手狭になってきた愛車。もっと大きなクルマを探しているなか、目を付けたのがアストロ。なかでも一番可愛いくて惹かれたのが旧マスクのショートボディ。ボロボロだった状態から見事復活させ、最高に可愛いアストロが完成した。

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger

2024/12/12

手に入れたラムバンは世にも珍しい四駆

バン

ダッジ

ネットで何気なく購入した「四駆」のラムバンは、後に世にも珍しいモデルだと知る。これをベースにカスタムしていけば、オンリーワンになれるかも?しかし、素性の知らない足回りの車両を敬遠するショップも多く困り果てた馬場さん。そこで向かった先は…。

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!
UNDERWOOD BRAND【アンダーウッドブランド】