長い付き合いになると覚悟の上で相棒として迎え入れたワゴニア!
1990 Jeep Grand Wagoneer
House of American SUVs -アメリカンSUVに魅せられて-
1990 Jeep Grand Wagoneer
20代の若かりし頃からVWタイプⅡを長年愛用していたというTakeshiさん。それからクルマ道楽に一度はピリオドを打ったものの、ワゴニアとの出会いで再び覚醒。気に入ったら手をかけて長く愛用する傾向にある彼にとって、ワゴニアは第二のクルマ道楽へと導く登竜門。
多少手がかかる位の方が愛着を持って世話を焼ける
数あるアメリカンSUVのなかでも存在感際立つグランドワゴニア。ウッドパネルをアイコンに、初代モデルから基本構成を大きく変更することなく1990年代初頭までリリースされており、モデルイヤーこそ90年ではあるが、その乗り味や雰囲気は70年代を色濃く残しているのがワゴニアの味わい深さであり人気の秘訣である。
紹介するTakeshiさんもそんなワゴニアに魅了された一人で、かつてはもっと手のかかると噂されるVWタイプⅡを長年愛用したクルマ道楽家。旅先でエンジンがストールしたり、急にキャブの調子が悪くなってセルを何度も回したりといった〝ありがち〟な儀式を幾度となく経験してきたと言う。もちろんすべてのワゴニアやタイプⅡがそうではないが、キャブ車特有の不調やトラブルには慣れているにこしたことはない。

現行モデルの様にプッシュスターターでキーを差すことなくエンジンがかかり、当たり前に空調が効いてストレスフリーな走りとは良くも悪くも別次元だから、ある程度の覚悟をもって向き合わないと痛い目を見るかもしれない。
現車はオリジナルで2020年の4月に購入後、わずか2カ月足らずでラフカントリーのリフトアップリーフ&リアブロックで3インチのリフトアップを施し、BFグッドリッチのワンサイズ大きなオールテレーンKO2で足もとをコーディネート。オリジナル車高に比べて四駆らしさを高めており、ほんのりワイルドな雰囲気のTakeshiさんらしいスタイルが好印象となっている。

さらにブラックチェリーの色味も相まって、ヴィンテージSUVとしての風格に深みを増している点も実に味わい深い。V8の5.9Lに対して3速ATの必要最小限なシフトチェンジや、ロングホイールベースと前後リーフサスペンションによる絶妙なバランスで支えるふんわりした乗り味も、そして何より木目が魅せるメローな雰囲気はワゴニアでしか味わえない独自のものだ。
火を入れる際の一手間を楽しむ暖炉の如く、アクセルをペタペタ踏んでご機嫌を伺いながらセルを回すも然り、暖気を惜しまず丁寧に扱うことも然り。愛着を持って長らく愛用するに相応しいクルマに乗り続ける秘訣は、多少の手間も醍醐味として受け入れられるだけの心の余裕であり、その余裕がオーナーの魅力を増す〝糧〟となることだろう。

ワゴニアのアイコンと言えばボディサイド& 後方にあしらわれたウッドパネル。70年代のワゴン車さながらのボディ造型に対して、それを際立たせるかのごとく立体的に縁どられた木目のアクセントは、ほかのアメリカンSUVとは一線を画す独特の個性。現車は非常にコンディションの良い状態をキープしている。



ベージュ基調の明るいハーフレザーインテリアは、ひび割れや擦れも少なくクリーンな状態をキープ。社外品のコラムシフトノブは元々ついていたモノが好みじゃなかったのでSnap-Onスティックにアレンジ。オーディオはレトロサウンドを採用してモダンなインテリアの雰囲気を損なわない様に配慮しており、必要最小限の装備に留めている点も特筆物。

リアゲートは見た目とは裏腹にパワーウィンドー方式となり、中のスイッチからもゲート部分にキーを差し込んで回しての開閉も可能。ラゲッジスペースが広くアウトドアギアの積載性も抜群。セカンドシートをしまえば大人が寝ても余裕。車中泊も十分に可能だ。

V8の5.9Lエンジンを搭載するグランドワゴニア。基本構成は昔ながらの古典的なもので、同年代のSUVがインジェクション化する一方で、キャブレクターを貫く懐古主義的なキャラクターも独自の魅力を放つ理由。

オリジナル車高では少々四駆らしさが薄いこともあり、購入時に本国からラフ& カントリーのリフトアップキットを取り寄せて納車と同時に3インチのリフトアップを敢行。30年も経過すると純正リーフもヘタり気味となるため、心機一転するにはちょうど良いタイミングである。

OWNER : Takeshi Kawakami
PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 9月号掲載
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