モデル史上最大のボディサイズとなるフォードサンダーバード
1974 FORD THUNDEBIRD
AMERICAN VINTAGE -色気漂う「アメリカンビンテージ」-
史上最大サイズのTバードは幻の日本正規販売モデル!?
1974 FORD THUNDERBIRD
1972年に第6世代へモデルチェンジしたフォード・サンダーバード。同モデル史上、もっとも大きなボディサイズとエンジンを搭載する。このモデルが、なんと日本で正規販売されていた。今では幻といえるディーラー車サンダーバードが、ガレージジョーカーに入庫した。
ほとんど走行することなく車庫保管されていた車両
アメリカン雑貨&車両販売を行なうショールームとファクトリーを集約して、リニューアル工事が進行中の千葉県のガレージジョーカー。徐々にビンテージ化が進む90年代の車両を、新車同然の状態にリフレッシュして販売することをメインにしながら、ここ最近では「アメ車混迷期」とも言われる2000年代初頭モデルを「今一度見直す」として、積極的に導入している。店舗にはそうした車両が並ぶなか、「ビジネス半分、趣味半分」として、定期的に仕入れているのがビンテージモデルだ。
現在はコロナの影響で渡米出来ていないが、毎年必ずアメリカに渡り、雑貨、パーツ、車両の買い付を直接行なっている代表の小川氏。ロサンゼルス在住で幅広いビジネスを行なうパートナーと、日本人が一人もいない危険エリアに行き買い付けすることもあるなど、車両買い付けのエピソードには事欠かさない。
今回の74年型フォード・サンダーバードは、残念ながら(?)本国危険エリアでの仕入れではなく、国内仕入れになる。実はこのTバード(サンダーバードの略称)、当時、ニューエンパイヤモーターがフォードディーラーとして新車販売を行なっており、いうなれば日本正規モデル。その幻のディーラー車が極上の状態で見つかったため、迷うこと無くジョーカーが仕入れたのだ。
7.5L V8 全長5.7m、巨大化が進むラストモデル
オイルショックの影響でこの世代以後に縮小化
1955年にシボレー・コルベットに対抗し、2シーターのコンパクトロードスターとしてデビューしたフォード・サンダーバード(Tバード)。
58年の2代目からは基本コンセプトを変更し、4シーター化でボディサイズを拡大するなど、スポーツスペシャリティモデルへと進む。その後モデルチェンジを繰り返すなか、後に登場したマスタングと差別化を図るため、4ドアを追加するなどしてラグジュアリー路線にシフト。
今回の74年型は、そうしたラグジュアリー路線を組む6代目(72~76年)。その特徴は、なんといっても同モデル史上最大となるボディサイズ(5.7m)とエンジン排気量(7.5L)だ。ボディも2ドアクーペのみとなり、Tバードらしいロングノーズが際立つスタイリングとなっている。
前述したようにこのモデルは、大正時代からフォードのディーラーとして車両を販売していたとされるニューエンパイヤモーターが扱っていた日本正規モデル。リアバンパーにウインカーが設置されるなど日本仕様の部分が残され、グリーンメタリックのボディもオリジナルを維持。車庫保管ということもあり、メッキ類も大きなサビもない。内装は張り替え済みと思えるほど状態が良いが、これもオリジナルで、オーディオはカセットテープ以前に普及したカートリッジ式「8トラ」のままだ。
足回りやエンジン系の消耗品は今なお新品で入手でき、今後リフレッシュすることも可能。時代に逆行し、最大のTバードに乗って優雅に走るのも悪くない。
1972年に6世代目にモデルチェンジ。67年から続いていた4ドアは廃止され、2ドアクーペのみとなる。ボディサイズは拡大され、撮影車両のデュアルマフラータイプでは全長5.7mにもなる。日本正規モデルにはリアバンパーにウインカーが設置されているのが特徴だ。
ボディサイズは全長×全幅×全高:5735×2025×1350。年々ボディサイズが拡大されていたが、オイルショックの影響で1977年からの7世代からダウンサイジング。73年型以降ではオペラウインドーが追加されている。ボディのグリーンメタリックはオリジナルのままで、メッキ類も大きなサビは見当たらない。
ボディを含めフルオリジナルを維持しており、ホイールも純正の15インチを履く。
当初のスタンダードエンジンは6.6L V8。その後オプションだった7.0Lが標準となり、オプションエンジンとして7.5Lが追加された。撮影車両の74年型からは7.5L(224hp)に一本化される。ミッションは3AT。エンジンルームには、当時正規販売していたニューエンパイヤモーターのラベルが残る。エアクリーナーボックスは、前オーナーがラメ塗装したようだ。
47年前の車両だが、内装は張替えされずに綺麗な状態を保つ。ETCは備わるが、オーディオは8トラが残るなど加工された部分はなくオリジナルのまま。クラクションはハンドルを押す仕組みとなっている。
GARAGE JOKER【ガレージジョーカー】
TEL:0479-25-7740HP:https://www.garage-joker.com/
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2021年 11月号掲載
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