このチャレンジャー最大のギミックが〝スーサイド・ドア〟。

2018 DODGE CHALLENGER SRT HELLCAT WIDEBODY
MOPAR LOVE!!! 愛して止まないモパーの魅力
2018 DODGE CHALLENGER SRT HELLCAT WIDEBODY
オンリーワンを求めた結果、辿り着いた境地
「誰かと同じでは面白くない…」。アメ車乗りはこの思いが強い。だが人気モデルであれば同じになる割合は必然と高くなってしまうが、そこを創意工夫するのがショップの腕の見せ所。コーストモータリングが出した答えはいかに!
魅せることへの飽くなき思いが込められた一台
CHALLENGER SUICIDE produced by COAST MOTORING
アメ車はストックのままであったとしても個性が強い。筆者がこれまでに出会ったアメ車オーナーたちに聞いてきたなかでも、大多数がこのアクの強さに惹かれてアメ車を選択している。もちろん筆者だって例外ではない。でだ。そんな超個性の塊とも言うべきアメ車をストックのままでは飽き足らず、オーナーたちはカスタムに手を染めてしまうのだ。カスタムはある意味〝麻薬〟みたいなものだから仕方ないのである。ここで取り上げるチャレンジャーはというと、それこそ日本において最大規模を誇るカスタムカーの祭典である「オートサロン」にて披露しており、それこそドップリと麻薬に溺れ切っていると言っても過言ではないだろう。
この車両を手掛けたのはコーストモータリングで、代表の松本氏に今回のカスタムの意図を伺ったところ「誰とも被りたくなかったんですよね…。なので自由にやらせてもらいました!」と言うのだが、この〝被りたくない〟をどの様に体現するかが難しい。話を聞いていると彼の頭の中にはおおよその設計図ができていたようで、ベースはチャレンジャーの中でもトップグレードであるヘルキャットを用いたことからも力の入れようがうかがい知れる。
まずは肝となるシルエット。低ければ低いほどカッコイイことは昔から変わっていないが、その手法として何を用いるかだ。ここ何年とコーストモータリングが仕上げてきた車両を目にしてきて今回も同じ手法を用いたのであろうと思いきや、松本氏の不敵な笑み。トランクを開けてお目見えしたのは何とハイドロのユニット。てっきりエアサスだと思っていただけに良い意味で裏切られた。
着地するまでにロワードし、極低車高を手に入れたヘルキャットだが、より極低具合を強調するため前後左右にオリジナルのボディキットを纏わせるとともに、ペイントではなくラッピングでグラデーションを表現。流れるような動きのある見え方も低さに貢献。さらにこのエクステリアで強烈な存在感を発揮しているのが、フロントタイヤのすぐ後ろからリアタイヤまで一直線に延ばした構造のサイド出しステンレスマフラー。
ここまででも今回の意図を十分に貫いていると思うのだが、まだまだ満足することのない松本氏はインテリアにも工夫を凝らす。ブルー×ブラック×イエローの3色でフルリメイク。フロントシートはRECAROに入れ替えられているが、それに気づかないほどの一体感を生み出している。そしてさらなるギミックがサイドミラー。純正をそぎ落とし、その代わりにフロントフェンダーにカメラをインストール。その映像はAピラーに埋め込んだモニターで確認する仕組み。
そしてそして、このチャレンジャー最大のギミックが〝スーサイド・ドア〟。通常とは反対の前側が開く仕組みを思い切って取り入れたのである。通常あるべき場所にドアノブがないことに驚くばかりか、新たに設けたドアノブは35GT‐Rと同じタイプを採用して、こちらもギミック感を溢れさす。
〝被りたくない〟という思いから始まった今回のプロジェクトだが、その思いのたけを存分に詰め込んだと言えるのではないだろうか。ちなみにこのクルマのオーナーである大垣氏がリクエストしたのは、配色にブルーとイエローを入れてほしいこととサイドマフラーの2点。リクエストをうまく反映しつつ最大限に魅せる演出を施したと言えるだろう。
ドアの開閉にギミックをプラスするカスタム手法でここ最近多く目にしたのがガルウイング。鳥が羽を広げた様に見えてビジュアル的にも映えると人気で、コーストモータリングでも施工した事例は多数に上る。だが今回は通常とは逆の前側が開くスーサイドを採用。ちなみに直訳すると自殺で、この開き方に対する危険性を鑑みて名付けられている。外側のドアノブは前側に新設するとともに、35GT-R風に仕上げている。
ボディのグラデーションはペイントではなくラッピングによるもので、施工はバッファローデザインが担当。フロントの鮮やかなブルーから中央に行くにしたがって濃くなり、リアはグレーへと流れていく配色。ボディキットはオリジナルで新設してワイド感に拍車を掛けるとともに、ワンオフで作成してステンレスのサイド出しマフラーがインパクトを与えている。
ホイールはLEXANI FORGEDの20インチ。スポークはブルーにペイントし、リムはカーボン調でまとめ、ブレーキキャリパーも希望カラーのイエローでペイントして構成。
カスタムモデルを施工する際にはエアサスを採用する割合が高かったが、今回はSKIPPER 製のハイドロリスクサスペンションを導入して極低を手に入れている。
オーナーからのリクエストであるブルーとイエローを取り入れつつ、フルリメイクが施されたインテリア。ヘルキャットとは言ってもノーマルは地味だったりするため、思いっ切り華やいだ雰囲気へと変貌。それにノーマルのサイドミラーをそぎ落として新設したカメラとAピラーのモニターが近未来的な雰囲気を醸し出す。
THANKS:COAST MOTORING【コーストモータリング】
TEL:04-2946-7203HP:https://coast-jp.com
PHOTO:浅井岳男 TEXT:編集部
アメ車マガジン 2022年5月号掲載
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