あえてハイグレードを避けた選択がマニア心を擽る!【1973 ポンティアックファイアーバードフォーミュラ350】

クーペ

ポンティアック

アメマガ2022年11月号

ファイアーバード

ファイアーバード フォーミュラ350

バーニーズ

三重県

THRILL RIDES

ここ最近、旧車価格が全体的に跳ね上がってきており、60~70年代のアメ車も1000万円を超えるプライスが付けられていたりする。しかし、ちょっと趣向を変えてハイグレードを避ければ、手が届くグッドコンディションなお宝も存在する。

THRILL RIDES


ブランドやグレードよりも程度を重視して選ぶべき

1973 PONTIAC FIREBIRD FORMULA 350

ポンティアックといえばファイヤーバードやGTOなどの人気が高く、ハイグレード志向がセオリー。マッスルカーらしく大排気量でトルクフルに、豪快な走りを魅せつけるのが鉄板。しかしあえてハイグレードを避けた選択肢も粋。

 

グレードよりもコンディション! 綺麗な個体はそれだけで希少価値が高まるのが昨今の旧車事情だ。本国はもちろん、日本でもすでに増え始めているレストモッドベースとなる個体は大半がニューエンジン換装を軸に、ドラムブレーキからディスクブレーキへ、クラシックエアーやヴィンテージエアーなどのエアコンシステムの導入など、時代に応じたアップデートが施される例も多く、当時のハイパフォーマンスモデルよりもベースモデルの方がこれらの作業で大きく上回るパターンも少なくない。

 

ナンバーズマッチやフルオリジナル志向のコレクターはさておき、ヴィンテージマッスルシーンにおいても多様性が高まりつつある昨今、グレード云々よりもコンディションの良し悪しこそ、シビアに見極めることが重要と言える。

紹介するポンティアック・ファイヤーバードはトランザムではなくフォーミュラ350。1973年型と言えば第2世代の前期モデル。翌年よりフロントバンパーが前方へ大きく張り出したショベルノーズへとフェイスリフトされ、1977年型からはイーグルマスクと呼ばれる角型4灯ヘッドライトへと移行。丸目で旧車心を擽るバンパーを持つモデルとして、1973年型はある意味マニア心擽るモデルだ。

 

また、当時オプションで用意されていた17インチアルミホイールの装着も特筆物で、ある意味社外品のホイールや15インチのノーマルホイールよりもトータルバランスに秀でる。

現車はプラグやプラグコード、イグニッションコイルなどの点火系一式、エンジンマウント、ミッションマウントなどの換装、ウェザーストリップなどのゴム類、リアバンパーやヘッドライト、フロアマットまで新品に換装済。同年代の車両たちと比べても実にお買い得!もちろんこのまま整備やメンテナンスを施しながら乗ることも、スパルタンなマッスルカーに仕上げていくことも、レストモッドに徹したカスタムを施すことだって可能。

ゼネラルモーターズ認定の認証工場であり半世紀以上の歴史を持つバーニーズなら様々なニーズに対応してくれるはず。マニアックなヴィンテージマッスルカーだからこそ、お店選びはこだわりたい。創業65年の歴史を持つバーニーズなら、旧車ビギナーのオーナーでも安心して乗れる一台を提供してくれることだろう。

ポンテアックといえばファイヤーバードと言うぐらい、ブランドを代表するメジャーモデル。いかにもマッスルカーたるフェイスは同年代のカマロと共通するパーツも多いがキャラクターで言うとまるで別物。良い意味で癖の強い独特の個性を持つ。ファイヤーバードはベーシック、エスプリ、フォーミュラ、そしてトップグレードのトランザムのラインナップとなり、現車は当時のファイヤーバードを象徴するハニカムホイールのオプション品である17インチを装着。

ダブルスクープを有するFRP ボンネットは多少歪みが出るもコレはご愛嬌。むしろモデルイヤーから換算すると大きな歪みはほとんどなく状態は良い。3速ATで5.7ℓの350エンジンを豪快に操る感覚は充分マッスル!アイドリング状態でもまるで鼓動を聞くかの如く、トルクフルなエギゾーストサウンド。もうそれだけでご飯大盛りをおかわりできるレベルだ!

エスプリとフォーミュラのみウッドトリムとなるダッシュパネル。ステアリングの換装程度でインテリアはオリジナルをグッドコンディションでキープ。ブラックレザーシートや内張りは経年劣化を感じさせないほど状態が良く、カーペットは新品へ張り替え済み。非常にクリーンな個体と言える。


THANKS:バーニーズ【BERNESE】

TEL:059-227-6365
http://bernese.co.jp


PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2022年11月号掲載


関連記事

RELATED


半世紀近く経過したビンテージマッスルでも、幅広いネットワークを駆使し自社輸入を実施!

1970 Dodge Challenger
1973 Pontiac FireBird

Bボディ・サテライトのシルエットに惚れて即決!【1970 PLYMOUTH SATELLITE】

ビンテージマッスルに魅せられし7人のカーマニアたち【バーニーズ】

【プリムスバラクーダ】4灯丸テールが醸し出す個性的なリアフォルムが粋

バーニーズ管理ユーザーが愛用してきた1973年型プリムスバラクーダが、再び在庫車両として入庫。かつて本誌取材でもオーナーと共に登場した名車だけに、グッドコンディションはお墨付きだ!

いつまでも走り続けていたい!ロックな人生にアメ車は不可欠

アメ車の魅力に引き込まれ、複数台所有する人も少なくない。でもマッスルカーばかり…と言う人はレアなケースだろう。

【シボレーカマロ】オリジナルへのこだわりを棄てることで手にした悦楽

シボレー・カマロといえばアメリカン・マッスルカーの象徴。その誕生は1966年。フォード・マスタングに勝つために生まれたのは有名すぎるストーリー。その初代モデルの中でもSSグレードが、三重県のバーニーズの店頭に並ぶこのクルマである。

 

最新記事


2025/07/17

家族と愛犬のために何度も考え抜いた理想の住宅

HOUSE

愛犬とのんびり暮らすために、建て替えを前提に中古物件を購入した奥村さん夫婦。その物件がアメリカンスタイルだったこともあり、建て替えデザインはアメリカンスタイルが理想。家族も増えて、間取りは二転三転しながら理想を追求していった。

2025/07/16

【1956y シェビー ベルエア コンバーチブル】2代目モデルのコンバーチブル仕様

オープン

ビンテージ

シボレー

2025/07/15

【カマロSSコンバーチブル】見た目だけのカスタムでなく運動性能も追求したカスタム

クーペ

オープン

シボレー

ビンテージカーやホットロッドなど、様々なジャンルのカスタムを手掛けるグレイスキャブ。今回紹介するカマロはエアサスを組み込みつつ、運動性能も追求したスタイルだ。

2025/07/10

GIMMIC流のスパイスでマスタングの攻撃性を助長

クーペ

フォード

ランキング


2025/07/17

家族と愛犬のために何度も考え抜いた理想の住宅

HOUSE

愛犬とのんびり暮らすために、建て替えを前提に中古物件を購入した奥村さん夫婦。その物件がアメリカンスタイルだったこともあり、建て替えデザインはアメリカンスタイルが理想。家族も増えて、間取りは二転三転しながら理想を追求していった。

2016/11/04

ワイドスモールカーという前衛的アプローチの70年代を象徴する存在 AMCペーサー

クーペ

ビンテージ

OTHER

GROOVY70’s 1975y AMC PACER【オレンジカウンティ】

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2021/03/15

【注目のアメリカン雑貨】大阪の老舗ブランド、アンダーウッドが同業者の買い付け地に!

ショップ

大阪府吹田市の閑静な住宅街にあるユニークなショップ「アンダーウッドブランド」。ヴィンテージカーやオートバイからアパレル、多肉植物など幅広いアメリカンアイテムが豊富。同店はヴィンテージ・アイテムの素晴らしいコレクションを展示するだけでなく、カスタムカーやオートバイのレストアなど様々なサービスも提供しており、一度は訪れるべきショップ!