父から譲り受けたアストロが兄弟の絆を深めていく
父が大事に所有していたアストロを、18才の時に譲り受けた弟さん。そして、楽しそうにカスタムに励んでいく弟の姿を、羨ましそうに見ていたのがお兄さんだ。「俺もアストロが欲しい…」。我慢できずに即決し、アストロ兄弟としてお互いにカスタムに没頭中!
The Dearest ~キズナで結ばれた者たち~
俺たちアストロ兄弟
兄弟だけど友達感覚、カスタム談義が毎日の日課
どうやらアストロは、再び人気が高まっているようだ。当時のブームを知るオーナーが再び購入するのはもちろん、ブームの頃に生まれた「アストロ団塊世代」の若者が、初めてのアメ車としてアストロを選んでいる。
荒木さん兄弟の父も、アストロブーム真っ盛りにアストロを始めとする様々なアメ車に乗ってきた一人。兄弟は小・中学生の頃から父の運転するアストロに乗り、アストロのカスタムでは日本屈指のピットインアクツへ行って遊ぶことも多かった。「とにかく、色んなパーツが並んでいた記憶がありますね。父がそのパーツを見ながら、ニヤニヤしていた記憶もあります(笑)」。そう語るのは、その父の愛車であったアストロ・スタークラフト・ミッドナイトバージョンを、高校3年生の時に譲り受けた弟の正信さん。
なぜ、兄である輝彦さんではなく、弟なのか。荒木家では、父が所有するクルマを息子さんに譲る風習(?)があり、実は輝彦さんも父からクルマを譲り受けている。「国産のミニバンで、バリバリカスタムされたクルマです(笑)。父からアストロでもイイと言われたんですが、サイズ的に大きいから無理だと思って、ミニバンを選んだんです」。その結果、父が所有する一番デカいアストロが残り、免許取得の18才の時に正信さんの手に渡ることに。この兄の選択に、密かにガッツポーズをしていたのが正信さんだ。「ずっとこのアストロが欲しくて父にアピールしてたんですが、選択は兄優先と言われて…。そしたら、兄がミニバンを選ぶと知って嬉しかったです」。高2の時にそれが決まってからは、父が保管していたアメマガを熟読し、将来のカスタムを妄想。免許取得後にはすぐさまピットインアクツを訪れ、コツコツ貯金していたお金を使って、妄想していたカスタムの実現に向け奮闘。
一方、兄の輝彦さんは、弟が恐れることなくアストロを乗り回し、馴染みのあるピットインアクツに行ってカスタムして楽しんでいる姿を見て、「やっぱり俺もアストロが欲しい」と心変わり。同じハイルーフのスタークラフトを見つけ、迷うことなく即決。もちろん、すぐさまピットインアクツを訪れカスタムに着手するのだが、参考にしたのは弟のアストロ。「参考とは言うけど、どう見てもマネですよね(笑)」。
兄のアストロが、徐々に自分のアストロと同じ仕様になっていくことに最初は不快だった正信さんだが、兄弟で似たカスタムで乗るのも「面白い」と思うようになり、今では二人でカスタム談義をするのが日課。ただし、揃ってピットインアクツに行ったり、新たに取り付けるパーツを事前に報告することはしない。「そこは一応、ライバルなので。内緒でカスタムして自慢したいですから」。口を揃えてそう語る二人は、兄弟でありながら、同じ趣味を楽しむ友達のように見える。
2002 CHEVROLET ASTRO STARCRAFT
Araki teruhiko
弟のアストロがカッコイイから僕もマネしてカスタムしてます!
弟の正信さんとは、4つ上の輝彦さん。弟のアストロが徐々にカスタムされカッコ良くなっていく姿を見て、自分もアストロに乗ることを決意。カスタムは弟のアストロを参考にしてパイソングリルを取り入れ、ローダウン、95モデルゼノンバンパー、サイド出しマフラー、18インチホイール、レカラホワイトステアリングを装着。現在のカスタムはまだまだ弟のアストロには劣るが、社会人の先輩である資金力を生かして、今後もカスタムをしていく予定。因みに、兄弟がアストロに乗ることに対して父も喜んでいるらしく、いつかまた父もアストロに復帰する日も近い?
1999 CHEVROLET ASTRO STARCRAFT Midnight Version
Araki Masanobu
高2の時から考えていたカスタムを少しずつカタチにしていってます!
高校2年生の頃からアストロのカスタムを勉強し、18才の時に父が所有する最高級アストロである、スタークラフト・ミッドナイトバージョンを手にした弟の正信さん。兄が同じハイルーフを購入したことに「せめて違いのあるロールーフにして欲しかった…」とホンネを語る。カスタムは、パイソングリル、バイキングエアロ、オリジナルボンネット(ゴーストフレア入り)、アメリカンレーシング15 インチホイール、ロールーフ用カリカスリアウイング、HKS エアフロー、エアインテークシステムなど。ミッドナイトモデルならではの、回転ベンチシートにテーブル設置もお気に入り。
兄)カスタムは、これからもマネしていくんでヨロシク!
弟)兄ちゃんは、ホントにいつもマネばっかり…( 笑)でも、それも面白いから一緒に楽しもう!
荒木さん兄弟が、カスタムや整備で頼りにするピットインアクツ。父がアストロに乗っていた頃からショップに訪れており、二人を小・中学生の頃から知るピットインアクツ代表の阿久津さんは、「昔から店に来て遊んでいた二人がアストロに乗るなんて、そりゃやっぱり嬉しいよ」と微笑む。
OWNER:荒木輝彦さん(兄)
OWNER:荒木正信さん(弟)
Thanks:ピットインアクツ
TEL:048-421-1865
http://www.pitin-akutsu.com/
PHOTO&TEXT:相馬一丈
アメ車マガジン 2023年3月号掲載
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