シボレーステップバンP10は、今や希少な存在であり、入手できる機会は極めて少ない。

多彩な可能性を持つ珍しい商用車
1970-1980年代
オイルショックやマスキー法の成立など、時代の流れに翻弄されたのが、この時代。クルマ作りにおいても大きな変革期を迎えることになる。
イベント会場に登場するケータリングカーなどには、車内で調理できるなど特殊な改造が施される。そのベースとなるクルマの候補は多々あるが、雰囲気満点のビンテージアメリカンスタイルなら、その佇まいも相まって、注目を集めること請け合い。希少なステップバンP10なら間違いなし。
多彩な可能性を持つ珍しい商用車
キッチンカーやトランスポーターは、機能性が重要であるのと同時に、その佇まいも重要だ。ビンテージなアメ車をベースとしたキッチンカーなら、その雰囲気だけでも目立てるし、美味しそうに見えるから不思議なものである。ベース候補となるステップバンは、今や希少な存在であり、入手できる機会は極めて少ない。
実はこの1台もすでに広島への納車が決まっており、これからカスタマイズを施す段階だ。 しかし期待してほしい。シークには6~7月にかけて、もう1台(84年式)同型車が入庫する予定だという。入手元はアリゾナでボディカラーは白(カスタマイズ時に塗り替えるだろうが)となる。同店はこれまで多くのステップバンを扱ってきた実績があり、その整備やカスタマイズには豊富なノウハウを持っている。
リアゲートは観音開きスタイルで、運転席・助手席はスライドドアでアクセスできる。
以前にシークで実施した、商用カスタムの例。ケータリングカーとして使用するケースが多く、また、バイクなどを運ぶトランスポーターとしてカスタマイズすることもできる。希望通りに仕上げてくれるので、まずは相談してみよう。
サイドに跳ね上がる窓をつけるなど、大掛かりなボディワークにも応えられる。使い方に応じたアレンジは、適法なら柔軟に対応可能。
車内には運転席・助手席だけがあり、それ以外は何もない広大な空間。以前に使われていた状態が一部残っており、これを残して使ってもいいし、自由にカスタマイズすることもできる。ビジネスの可能性を広げてくれるパートナーだ。
これからカスタマイズを行う状態のため、素のコンディション。見た目はここからどのようにでもアレンジできる。
運転席と助手席の間に鎮座するエンジン。通常は直6エンジンだが、取材車は5700ccのV8 350エンジン(80年代後半~90年代前半)に載せ替えられている。なお、無骨なホイールに装着するホイールキャップも4つそろっている。
アメリカの商用車の中に車内をドライバーが歩いて移動することができる、いわゆるウォークスルーバンが登場したのは古く、実に1920年代のことである。主として都市部の小口商品配送などに重宝されたこの手のバンは大量生産されるといった性格ではなかったものの、常に一定の需要があった。さらに戦後になるとシャシーを戦後型に一新し車体を大型化したモデルが登場することとなる。
シボレーのP10ステップバンは「ステップバン」というおなじみの呼称が車名に採用された記念すべき存在だった。そのメカニカルコンポーネンツは基本的にはC型ピックアップと同じであり、ボディのサイズなどは顧客のオーダーに合わせてその都度細かくオーダーすることもできた。
1960年代はややクラシカルだったルックスも1970年代に入るとスクエアを基調としたものとなったが、メカニズム的に大きな変化はなかった。またボディを架装していなかったベアシャシーはモーターホームのベースとしても重宝された。
本国でもデリバリーカーとして長年使われていたステップバン。商用車としての信頼性は高く、タフな設計であるため適切に扱っていれば長く使用できる。
■取材協力:シークカーセールス
所在地:愛知県岡崎市稲熊町後田4-3
TEL:0120-026-444 http://carshop.aichi.jp/
■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4
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